表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対零度系のラブコメ  作者: もこもこケーキ
30/36

30話.お便り


 もうすぐ夏休みも終わる。そろそろ新学期に向けての準備もしなくてはいけない。

 はぁ…嫌だな。永遠に夏休みが続いてくれないかな。

 二学期って長いし、行事とかいっぱいあるから陰キャの俺は憂鬱である。

 

「あんたにお便りがきてるよ」


 寮のリビングでのんびりしていたら、盛田(もりた)のおばちゃんに一通の封筒を渡された。

 確かに宛名が俺の名前になってるな…。

 封筒の上の部分をハサミで切って、俺は中身を出してみた。

 

「えー…こんな夏休み終わる前に招待されても」


 それは、群馬にある児童養護施設からのお便りだった。

 そこは昔俺が過ごしていた施設だ。親戚の家に行くまでの期間だったけど。

 その時一緒だった同級生とかは、もうみんな別々になってしまっている。まぁ、その頃お世話になった施設の先生とかはまだ残ってるから知ってるけども…。

 施設の中で夏祭りするから来てくれって内容か…。断りづらいけど、遠いんだよな…。

 

「スグル、なにがきてたの?」

「…いきなり背後から現れるなよ」


 後ろからにゅっと目黒(めぐろ)が現れた。ほんといつの間にか背後にいたり横にいるからビックリする。

 

「昔お世話になった児童養護施設からお便りがきたんだ。なんか今年も施設で夏祭りするから来てくれって」

「えっ。先輩って、施設にいたんすか?」


 リビングのテーブルに座っていた後輩の秋元(あきもと)が反応した。

 そういえば、秋元(あきもと)は俺が児童養護施設にいたことを知らなかったんだな。


「小さい頃に両親亡くした後、親戚に引き取られるまではそこで暮らしてた」

「そうだったんすね…」


 あれ?なんか部屋の空気が重くなったな…。

 いつも元気ハツラツの秋元(あきもと)も珍しく大人しそうにしてるし。

 誰か空気を変えてくれ…。目黒(めぐろ)の一発ギャグでも…。


初川(はつかわ)は去年も行ってたんだから、また行ってくればいいんじゃないか?」


 この微妙な空気を突破したのは、片桐(かたぎり)先輩だ。

 さすが先輩。頼れる兄貴だぜ…。


「そうそう。またお土産よろしくね〜」

「えー…もう行くの決定ですか…」


 冨田(とみた)先輩にもお土産を頼まれてしまったので、俺は児童養護施設のお祭りに行くことが決まった。

 群馬か…。東京からだと、目的地まで電車やバスで片道3時間はかかるんだよな…。

 明日は早起きするか。



ーー

ーーーー



 次の日。俺は朝7時に起きれた。目覚ましにしっかり反応して目を覚ませたなんて優秀だぜ。

 身支度を済ませ、一応寮の管理人の盛田(もりた)のおばちゃんに声をかけてから玄関に向かった。

 さて…これから出発だな。電車に乗ってる間、何をして過ごすか…。


「スグル」

「ん?…目黒(めぐろ)か。なんだ、見送りだなんて珍しいな」


 目黒(めぐろ)が玄関まで下りてきてくれていた。

 朝早くから起きてくれて俺を見送ってくれるなんて…なんかすごい嬉しいな。目黒(めぐろ)にもお土産をちゃんと買ってこよう。

 しかし、俺のそんな考えは浅はかであったようだ…。

 

「ううん。私もついて行く」

「……なぜ」

「私も行きたいから」

「いや、お前は俺の養護施設とは関係ないだろ。それに、こっからだと片道3時間くらいかかるから寮にいたほうがいいって」


 俺についてくるって…正気か?

 俺は必死に目黒(めぐろ)がついてこないように説得する。

 だって、こんな美少女様を連れきたなんて施設の先生とかに知られたら、なんてからかわれるか…。

 目黒(めぐろ)は一歩前に出てきた。そして、背伸びして俺の耳元に顔を寄せてくる。

 な、なんだ?こ、ここで何をしようとするんだ!?


「…コミケ」

「え」

「コミケの猫耳の件について、私はまだ許してない」

「…早く準備してこいよ」


 許してないって怖いですね…。

 でも、コミケの件については圧倒的に俺が悪いので、その条件を提示されたら俺は食い下がるしかなかった…。

 目黒(めぐろ)と一緒に行くのか…。どうなってしまうのか…。



最後まで読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ