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絶対零度系のラブコメ  作者: もこもこケーキ
17/36

17話.プール②


「じゃあ、各々自由行動で。解散!」


 寮のメンバーが全員揃ったところで、片桐(かたぎり)先輩がそう宣言した。

 え、まじかよ。こんな場所で自由行動って一番苦手なんだが…。

 とりあえず適当にプールサイドを歩いていたら、目黒(めぐろ)秋元(あきもと)がプールの中にいた。

 なんかあの二人楽しそうだな…。目黒(めぐろ)もいつもよりはしゃいでいるように見える。


「なに見つめてるの〜?」

「と、冨田(とみた)先輩!?」


 急に俺に声を掛けてきたのは、冨田(とみた)先輩だった。

 くそ…ドキドキする。隣りに色気たっぷりのグラビアアイドル顔負けのスタイルと美貌を持っている人がいるとか落ち着かない。

 冨田(とみた)先輩は俺の動揺など気にせずに話しかけてきた。


「さっきから、目黒(めぐろ)ちゃんばっかり見てないかなぁ?」

「い、いやそんなことは…。ただ、目黒(めぐろ)がピンク系の水着を着てきたことに驚きというか…」

「あー、あれはね。私が目黒(めぐろ)ちゃんにオススメしたやつなんだよ〜」

「えっ?」

「お店行ったときに『これ着たら、絶対初川(はつかわ)君喜ぶわよ〜』って言ったら、目黒(めぐろ)ちゃんすごい嫌そうな顔して買ったの」


 なんで目黒(めぐろ)冨田(とみた)先輩に勧められたものを、嫌そうな顔してまで買ったんだよ…。

 しかし、今この場で目黒(めぐろ)のあの水着姿を見ることができたのは冨田(とみた)先輩のおかげなのか…。

 冨田(とみた)先輩グッジョブです。

 その後、俺もプールの中に入って泳いだり、目黒(めぐろ)にジュース買わされたり、秋元(あきもと)にアイス奢らされたりした。

 あれ?俺パシられてね?


初川(はつかわ)先輩アイス溶けてるっすよー!」

「真夏なんだし仕方ないだろ…」


 屋根のあるベンチのところで俺と秋元(あきもと)は休んでいた。

 けっこう直射日光がきついな…。目黒(めぐろ)は色白だけど大丈夫なのだろうか。

 

「ん?そういえば、目黒の姿が見えないな…」

「ほんとっすね…。あっ!」


 秋元(あきもと)が大きな声を出していた。


「どうした?」

「せ、先輩、あそこ…!!」


 秋元(あきもと)が指差す方向に目をやると…目黒(めぐろ)がいた。

 目黒(めぐろ)はアイス屋の近くにいるみたいだが…ナンパされている?

 遠くにいるのでぼやっとしかわからないが、複数人の男に囲まれているように俺は見えた。


「あ、あの!」


 …あれ、俺何してるんだろう。

 気付いたら、勝手に目黒(めぐろ)のところまで走っていた。体が勝手に動いたのだ。

 目黒(めぐろ)がナンパされてたらどうする…相手がヤンキー系だったら…あとで裏に連れ込まれてボコボコにされたら…

 ええい!思うがままよ!


「スグル?」


 目黒(めぐろ)の呼びかけにも反応できないほど、俺は頭も視界も真っ白だった。


「お、俺の彼女になにか用ですか!?」


 今思えば、なぜこんなセリフを俺は吐いてしまったのか…。


「…………………」


 目黒(めぐろ)は俺の顔を見上げるようにじーっと見つめていた。え、何その反応、なんかおかしかったのですか。

 だが、俺の視界がクリアになるにつれて、状況が把握できた。

 目の前にはマイクを持ったリポーターらしき男の人と、でっかいカメラを担いでいるカメラマン。そして後ろには音声担当らしき人。

 も、もしかして…目黒(めぐろ)はテレビのインタビューを受けていただけなのか!?


「おっと!彼氏さんの登場ですね〜!今日はこのプールにデートで来たんですか?」


 リポーターの人がぐいぐい俺に質問してくる。

 やべぇ、なんでこうなった。しかもこのリポーターの人見たことあるよ。県内放送のテレビ番組で有名な人だよ。確かこの放送って生放送だったような…。

 俺は一気に顔が青ざめていただろう。


「え、いや、その、あの、こ、これは、えーっと…じ、実は違くて…」

「スグル、暑いから早くプールに入ろ?」


 こんな時に限って、目黒(めぐろ)は腕を絡ませてきた。

 くっ…腕に柔らかい感触が…じゃなくて、余計に誤解されるだろ。

 俺と目黒(めぐろ)はテレビのインタビューから逃げるように立ち去ったが…生放送…まずいことになった。




最後まで読んでいただきありがとうございます!

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