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第6話 幻影


〜前回のあらすじ〜

 夏希なつきと連絡先を遂に交換することができた俺、

船橋碧生ふなばしあおい


 最初に送るメッセージを考えていたところで夏希から新着メッセージが。

 先を越されてしまった...


 ただここで新たな問題が。

 夏希のトーク画面を開いたままだったので光の速度で既読がついてしまった。


 マズイ...

 キモがられる...


 さあ、ここからどうする俺!

______________________


 返信どうしよう...

 まずは何故こんなにも早く既読がついてしまったかの弁明だろうか。


 時間をかけても仕方がない。

 既読無視になってしまうからな。


 俺は親指を最高速度で動かし1秒でも早く返信を返す。


AOI : 「既読めっちゃ早くつけて、ビックリさせてたらごめん!」


AOI : 「俺も丁度、メール送るところだったからトーク画面開きっぱなしで既読がついちゃった」


AOI : 「改めて、よろしくね!」


 いきなりメール送り過ぎてしまったか?

 まあでもひとまずミッションはクリアだな。


 数秒後、夏希なつきから新着メッセージが届く。

 今度は標準的な速度で俺はトーク画面を開き既読をつけた。


なつき : 「全然大丈夫だよ!」


なつき : 「そういえば今さっき友達とファミレスに行ってたんだけど飛彩くんと冬馬くんと会ったよ!」


なつき : 「碧生くんは独り作戦会議? で来れなかったって聞いたけど何か用事があったの?」


 飛彩ひいろ冬馬とうまだと?!

 何故、あの2人がファミレスに?

 俺から帰ると言ったものの...

 最悪だ...


 というか独り作戦会議ってアイツらなんてことを夏希に伝えてるんだよ!

 恥ずかしすぎるだろ!

 夏希になんて言えばいいんだよ。


 なんの言い訳も思いつかないため隠し通そう。


AOI : 「独り作戦会議はまぁ... 今日の放課後は何をしようかなーとかの会議」


なつき : 「あーなるほどね。ちなみに何するの?」


 あれ、引かれるかと思ったけど夏希から話を広げてくれる。

 なんか良い感じじゃね?


AOI : 「んー、ラノベ読んだりとかゲームしたりかなー。とにかくダラダラしたい」


なつき : 「おー、いいね!」


なつき : 「ていうかラノベ読んでるだ! ちなみに何を読んでるの?」


 ラブコメ読んでるとは言いにくいな。

 まあでも正直に言うか。


AOI : 「最近話題のラブコメかな」


なつき : 「ラブコメか! 最近話題のやつと言えばアレだよね〜。作品名も言われなくてもわかる。センスいいね!」


 なんか不思議と通じあってるな。

 メールのやり取りでも夏希となら凄く楽しいな。


 こうして俺たちは5分くらいたわいない話を続けた。

 ここまでメールでやり取りをしたのは久しぶりだった。


なつき : 「やべ、つい盛り上がっちゃって家通り過ぎてたw」


AOI : 「え!マジか」


なつき : 「まあ、ということでそろそろ終わりにしますか。」


AOI : 「そうだね」


なつき : 「あれ、もしかして寂しい?」


AOI : 「いや?別に?」


なつき : 「まあそれならもうメール送らなくていいかー」


AOI : 「ごめんなさい寂しいです。また話しましょう」


なつき : 「冗談だから(笑)」


なつき : 「でも寂しかったらいつでも連絡して良いからね! 私も暇だし」


AOI : 「そうさせてもらうよ! じゃあまた明日!」


なつき : 「うん、また明日」


なつき : 「あ、後言い忘れてたけど」


...


 あれ、返信来ないな。

 何を言い忘れたんだろう。

 もしやかなりの長文で俺に文句を書いてるとか?!

 いや、ここまでイチャイチャ話してたんだからそれはないと願いたいが...



 ─あれから約3時間。

 夏希からあの続きとなるメールは来なかった。

 何か急用が入って返信ができなくなったのか理由は不明だが俺は少し心配になり夏希にメールを送ることにした。


AOI : 「夏希さん大丈夫? 言い忘れてたことって何?」


 ─メールを送ってから約1時間。

 それでも夏希から返信が来ることは無かった。


 もう良い子は寝る時間だし、明日学校で本人に直接聞こう。



 ─翌朝。

 夏希と会話をすべく、いつもよりも早く学校へ到着した。

 夏希は朝早くから朝練にはげんでいることは知っていたためまずは体育館を訪れた。が夏希の姿はない。


 次は教室。


 ここにもいない。


 まあ、まだ早すぎるぐらいだし気長に待とう。



 10分、20分。

 生徒がまばらに登校する時間になっても夏希は姿を表さない。


 そして、とうとういつもの2人(飛彩と冬馬)が来てしまった。


「今日は珍しく夏希さん来ないな」


「そうやね」


「2人は何か知ってるか?」


「昨日、ファミレスで会った時は元気そうやったけど...」


「おいバカ、それ言ったら...」


「いやそのことなら知ってる」


「え? なんで知ってるんだ?あー、そういうことか」


「え? どういうことや」


「お前はわからなくていい」と飛彩は強い口調で言う。


「酷いなぁ〜」


『キーン、コーン、カーン、コーン』


 予鈴が教室内に鳴り響く。


 おかしい。

 もう、あと5分でSHR(ショートホームルーム)が始まる。

 今日は休みなのか?


「そんなに心配なら夏希さんに連絡してみればいいんじゃないか?」


「それが昨日、メールで会話してたんだが途中で連絡がつかなくなったんだ」


「あ?マジか。ちょっと俺から真衣まい早紀さきに聞いてくるわ」


 その後、飛彩からの情報だと真衣と早紀の2人は全くわからないらしい。



 それから学校が終わるまでの丸1日、夏希が学校に現れることは無かった。




 その次の日も。




 そして、夏希が学校へ来なくなって3日後。


 学校が終わり、独りで家に帰っていると。


 そこには、


 夏希がいた。


______________________

-あとがき-


ここからがこの物語の始まりです。

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