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第5話 この気持ち


 学校が終わり放課後へ。

 今日は木曜日で部活がオフなので2人の友達とファミレスに来た。


 学生に優しい値段設定になっている有名なチェーン店で値段が安くてかつ、ボリュームも多いから私も良くお世話になっている店。


「なっちゃんは何食べる?」


「夜ご飯もあるし軽いもので良いかな〜」


「期間限定のパフェだって!美味しそう!」


「結構多いね...」


「余裕でしょ! だって私たちは最強だし。」


「いや何それ」


 真衣の軽口をツッコミながらも笑う。


 最近はこうやってファミレスに来て、たわいない会話をしながらご飯を食べることが私たちのムーブになっていた。


 注文が終わると早速、真衣のたわいない話が始まった。


「もう高校生だね〜。いわゆるJKというやつに私達はなってしまった訳だけどおふたりの感想は?」


 スマホをマイクに見立てて真衣がスマホを私に向ける。


「あっという間だね〜。新しい環境になって最初は緊張したけどクラスのみんな、優しいからもうすっかり慣れちゃった。早紀はどう?」


「私も夏希と同じ。みんないい子で良かった〜」


「いわゆるヤンチャな男子はいるけどね」


 真衣は呆れた顔で言う。


「まぁ、それも学校って感じがして良いんじゃない?」


「なっちゃんは心が広いね〜」


「そうかな?」


「心が広いと言えば、例の覗き魔のこと許したんでしょ?」


「あ、例の奴か」


「覗き魔って... 碧生くんは良い子だよ?」


「碧生の奴、気付かれてないと思って夏希こと見まくって」


「流石にキモイわ」


 真衣と早紀、2人揃って碧生くんのことをボロボロに言う。

 私を守ってくれてるのは嬉しいけど...


「今度、ジロジロ見てきたら言ってやろう。何見てんだって」


「賛成ー」


「あはは...」


 そうして長らく碧生くんへの批判話が続いたが注文した商品が到着したので食べながらまた別の話題へ移るがなんだが聞き慣れた声が聞こえてくる。


「でさ...ってあれ? 真衣と早紀と夏希さんじゃん!」


「て、おい。声デカイいんだよお前」


 なんと偶然にも飛彩ひいろくんと冬馬とうまくんが入店してきた。

 あの2人がいるってことは...と思ったけど碧生くんはいないのかな?


「げっ、アイツらじゃん。会計しよ」


「え、ちょい待って! それは酷ない?!」


「だって冬馬うるさいし」


「べ、別に良いんじゃないかな? 大勢で食べた方が絶対楽しいし!ほら2人ともおいで!」


「ちょっとなっちゃん?!」


「まあ、良いんじゃない?男子が私たちの盾となってくれるし」


「やっぱ夏希さんは優しいなぁ〜。ということで失礼するで〜」


「あれ?覗き魔・碧生は?」


「いや、変なあだ名付けられてるな。アイツは独りで帰ったぞ。作戦会議するとか言って」


「何それ」


「全く、ついてないなアイツも」


「ついてないって?何が?」


「あー、それはこっちの話」


 そっか。碧生くんは独りで帰ったんだ。

 作戦会議?は何のことかわからないけど今日はなんとなく来なくて正解だった気がする。


 男子2人が新たに加わったため場はより賑やかになった。

 そしてちょくちょくでてくる碧生くんの話を聞いているうちに碧生くんと連絡先を交換していたことを思い出した。


 そういえば最初のメッセージ送ってなかったな。

 今、送っちゃおう。


 私はかばんからスマホを取りだして碧生くんにメッセージを送る。


なつき : 『よろしくお願いします(スタンプ)』 既読


「え?!」


 思わず声に出てしまった。

 ちょっと待って既読早すぎじゃない?

 一瞬で既読ついたけど...


「? ビックリしたー! どうしたの?」


 みんなビックリしたようで私にみんなの視線が向けられる。


「ご、ごめん! なんでもない」


「なんでもないって... 宝くじ当たったみたいなリアクションしてへんかったか?」


「ん?」


 飛彩くんが私のスマホチラ見する。


「ちょっと飛彩くん?!」


「あー、そういう」


 最悪だ...見られてしまった...

 飛彩くん酷い...


「え、ちょっとなになに? 顔真っ赤にして... 気になるんだけど!」


 不味い、真衣に火を付けてしまった。

 こうなった真衣はもう止められない。


 すると何かを察してくれたのか飛彩くんが目をウインクする。


「ほら、夏希さん。行った行った!ご家族の体調が1番だよ」


「? そ、そうだね。ごめんね2人とも私、今日は帰るね!」


「え、ちょっと! なっちゃんどうしたのー?」


 飛彩くんのアシストによりなんとかこの場をやり過ごすことができた。

 飛彩くん、ありがとう...


 そして、私は独りで帰路につく。

 2人には嘘をついてしまったけどこればっかりは恥ずかしいから言えない。


 でも今日の私、なんか変だな。

 特に碧生くんと話をしてた時だって。

 なんだろうこの感じ...


 モヤモヤする気持ちと向き合いながら私は家にゆっくりと帰っていった。


______________________

-あとがき-


今回は夏希編でしたね。

夏希が碧生に寄せている好意のようなものなど夏希の心情がよりわかる回であったと思います。

モヤモヤした気持ちを晴らすことができるのか、これが今後の見所の1つですね。

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