第16話 彼は夢を見る
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「...難しそうだな」
俺は今、寝る前にバドミントンの漫画を読んでいる。
だが、決して娯楽のために読んでいるのではない。
バドを上手くなるためだ。
本当は実際の試合を映像で観たいのだが、今の家にはテレビもスマホを無い。
だからこうして漫画でバドミントンを学んでいるのだ。
「カッコイイな」
漫画だから、というのもあるのだろうがやはりカッコイイ。
俺もこれくらい上手くなりたいものだ。
「そろそろ寝るか」
明日から早速部活が始まるので夜更かしはしてられない。
久しぶりの部活だから英気を養わなければ。
─数分後。
「...寝れない」
なぜか目がバッチリだ。
仕方ない。
こういう時は考え事でもするか。
考えてたら自然に寝れるだろう。
考え事...あ。
そういえば俺と夏希を殺した犯人は一体誰だったんだろうな。
最初は頻発していた通り魔かと思っていたが、俺を刺した後、周りにバレるかもしれないのにわざわざ夏希の手紙を燃やすというリスキーな行動をしていた。
その事を考えると犯人はそれ程の危険を伴ったとしてもその手紙を燃やしたかったということになる。
でもそれなら俺を殺さなくても手紙だけを燃やせば目的は果たせたはず。
俺を殺した理由は俺に恨みがあったから?
神に誓って俺は他人に恨まれることなんてした覚えが無いのだが...
ていうかそもそも、なんで俺の家を知ってたんだ?
俺の家を知ってるヤツなんてだいぶ限られてくるが...
まさかそんな訳ないよな...?
まあ、人伝えに俺の住所が漏れた可能性もあるから、この世界では俺の住所は誰にも言わないでおこう。
今思うと謎が多い。
なぜ俺たちは殺されなければならなかったのか。
これを解決するのも今後の課題だな。
先に犯人を捕まえられるのであればその方が良い。
解決してしまえば無理に付き合おうとしなくてもいいからな。
「付き...合わな...くても......」
「...zzz...zzz......」
※※※
『キュッ、キュッ、キュッ』
シューズが床に擦れる音が聞こえる。
シューズが床に擦れる音...?
「...ん?」
ここは、体育館...?
確か俺は家で寝ていたハズだが...
「コラ!何ぼーっとしてるの!しっかりシャトル返して!!」
「えっ」
「えっ、じゃないの!」
ネット越しには俺にキレてる夏希がいて、俺の右手にはラケットが握られている。
これは一体...
「ほら、いくよ!」
夏希からシャトルが打たれる。
状況が掴めないがとりあえず打ち返す。
「...グッ!」
「おっ、今の良い感じ!それくらい強いの毎回打てるように!まあ緩急つけるのも大事だけど今はとりあえずそんなの気にしないで全力で打ち返して!!」
「は、はい!」
な、なんなんだ?!
さっきまで寝てたハズがいきなりキツイことをさせられている。
─数十分後。
「3、2、1!はい、一旦休憩!」
「はぁ...ウッ!!」
「絶望的に体力がないね...これから体力もつけるために練習メニュー考えないと」
「頑張ります...」
な、情けない...
夏希負かすとか言ってたクセにこのザマだ。
「はぁ...しょうがないな〜。スポドリ持ってきてあげるからそこで待ってて」
「あ、ありがとう...」
世話を焼かれてしまってる...
でもこれもまた良っ、コホン!
いやなんでもない。
にしても、バド部入って良かったな。
こんなに夏希と楽しく部活ができるなんて。
それにしても...
「夏希、優しいなぁ」
そう思いながらスポドリを取りに行ってくれている夏希の後ろ姿を見ていた次の瞬間。
「...は?」
夏希が倒れた。
横から見ていたため断定はできないが恐らく夏希の傍にいる男子が犯人だ。
体育館の出入口付近にいるのであの男が右左も見ずに走って夏希に激突したのだろう。
あのゴミ、絶対に許さない...!
あれ...?夏希が中々立ち上がらない。
もしかしてこれ、ヤバいやつか...?
「助けに行かないと...」
俺はすぐに夏希の元へ向かう。
「うっ...!」
な、なんだ?!
いきなり意識が朦朧としてくる。
「な...つき......!!」
※※※
「ハッ!!!」
ヤバい、夏希を助けに行かないと!...って......
「あれ、ここは...?」
俺がいた場所はなぜか家だった───。
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-あとがき-
コーヒーは人類の味方。




