第15話 塵も積もれば山となる
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「え、バド部入るの?」
隣から声が聞こえてくる。
その正体は...
「え、夏希さん...」
全くこの美少女は、いつも突然現れるため心臓に悪い。
現れた理由は聞くまでもなく『これ』の事だろう。
「え、そんな驚いた表情しなくてもいいじゃん...」
「私たち、『友達』でしょ?」
「友達...」
「あれ、違った?」
「い、いや!違くない!!」
「オレタチ、トモダチ!!!」
「なんでカタコト?」
そ、そっか。
俺、夏希と友達になれたんだな。
良かった...!
「まずは第一関門突破...!」
「ん?なんか言った?」
「い、いや何でもない」
不思議なものだ、こんな一瞬で友達になれるとは。
前世ではあんなに苦労したのに。
勇気を出すって大事なんだな。
すると夏希は俺の方へ身体を寄せ入部届けに指を指して。
「さっきバド部に入るって聞こえたんだけど」
「あ〜...」
忘れていたが夏希はめちゃくちゃ耳が良い。
さっきの会話も丸聞こえだったようだ。
「聞いてくれよ!夏希さん」
「コイツ、小学校の時からバスケやってんのにバスケ部に入らないでバド部入るって言ってるんだよ!!」
「お、おい!」
チッ冬馬の奴、余計なこと言いやがって...
これじゃあ怪しまれるだろ。
「しかもバド部に入る理由が...うっ!!!」
「冬馬、少し黙っていろ」
冬馬の口を手で抑え、これ以上好き勝手言わせないようにする。
「入る理由は何なの?」
「この場では言えないんだと」
「この場で言えないことってなに...」
流石は飛彩、ナイスアシストだ。
このまま穏便に終わらせよう。
「ま、まさか、ああいう目やそういう目で見る為に入るってこと...?!」
夏希がゴミを見るような目つきで俺を見てくる。
なんか凄い誤解をされてないか?
「そ、そんな訳ないだろ!!」
「碧生くんも男の子だね」
その通り、俺は男の子だ。
確かに夏希のユニフォーム姿を見ただけで鼻血が出そうだが、その為にバド部に入る訳では...な、無い。
「でも、ちゃんとした理由が無ければダメだよ?部活も続くかないだろうから」
「ちゃんした理由はあるから大丈夫」
「ただそれは言えない、と」
「は、はい...」
「まあでもバド部に入ってくれるなら嬉しいよ。うちの部活、男子少ないから」
「男子が少ないと何かデメリットがあるの?」
「男女でプレイスタイルも変わってくるから男子相手だと女子とはまた違う試合になるし練習になるんだよね」
「え?男女混合なの?」
「そ、うちは男女混合」
マジか。
てっきり男女別々だと思っていたがこれは大チャンスなのではないか?!
夏希と試合することで芽生える恋心!
中々良いじゃないか...
となると思った以上に夏希と関わることになりそうだ。
「夏希さーん!」
「はーい!じゃあ私、そろそろ行くね」
「う、うん」
夏希は手を振って群衆の方へ行ってしまった。
思った以上に良い感じだ。
このまま距離を詰めることができれば付き合うのも夢じゃない。
「(ニヤリ...)」
「なぁ、碧生。もしかしてお前がバド部に入りたい理由って...」
「そういえば最近、死にそうな主人公を美少女が助けるラノベ読んだんだけどさ、それがめちゃくちゃ面白くて!」
「え、何それ!めっちゃオモロそう!!」
「隠すの下手かお前は」
─放課後。
『バドミントン部』と書いた入部届けをバド部の顧問の先生に提出して、あのふたりと帰路についた。
そして、俺は夏希が好きであることをふたり《飛彩と冬馬》に告白した。
それが理由でバド部に入ることも。
ふたりからは「やりすぎだろ」と言われたものの俺にはこうするしか無かったから仕方がない。
二度とあの惨劇を繰り返さないために。
でもただ同じ部活に入って距離を縮めるっていうのはやっぱり違う気がする。
「バドミントンも本気でやらなきゃな」
いくらバスケを長年やっていたとしても、それが別の競技で通用するかはわからない。
ただ、努力すれば必ず報われる。
そう信じてやるしかない。
頑張って上手くなって夏希に認めてもらう。
そして、夏希を負かして惚れさせてやる──。
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-あとがき-
最近、ストックが多くなってきて余裕をもって投稿できています。




