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第14話 二者択一

______________________



─帰りのSHRショートホームルームが終わり放課後へ。


 教室からクラスメイト達が次々に出ていく中、夏希なつきも友達を連れて部活へと向かう。


「相変わらず放課後でも話す余裕は無いか」


 夏希の後ろ姿を見ながらそんな愚痴をこぼしていると。

 後ろから肩を軽く叩かれる。


「今日はお疲れ様」


「冬馬《俺》と飛彩ひいろは今日部活だからお先に失礼するぜ」


「お、おう二人とも部活頑張れ」


「そういえば、碧生は何部に入るんだ?」


 飛彩が聞いてくる。


「あー、一応バスケ部に入ろうかと」


 すると冬馬とうまは目を見開き嬉しそうに。


「え!俺らもバスケ部!じゃあ一緒にバスケできるな!!」


「小学校からやってて慣れてるし途中から入っても多分迷惑にはならないと思う」


「小学校からか、じゃあ飛彩《俺》と同じだな」


「え〜、二人とも小学校からやってていいな〜」


「俺はカッコつけたくて中学から始めたんだよな〜」


 俺と飛彩は呆れ顔になる。


 カッコつけたくて、なんて冬馬らしいな。


 そして飛彩が話を変える。


「碧生、もし良ければこの後の練習見学してみないか?」


「顧問の先生に事情を言うから」


 見学か。


 確かに明日にでも入部届けに希望の部活を書いて、その部の顧問の先生に提出しなければならないから今日のうちに挨拶に行けば印象も良いだろう。


 でも...


「誘ってくれてありがとう、でも今日は外せない用事があるから帰るわ」


「そうか、ならしょうがないな」


「悪いな」


─そうして二人に別れを告げ帰路につく。


「部活か...」


 前世で俺はバスケ部へ入部した。

 チームは結構強く、全国大会にも出場した。

 準々決勝で敗退したが。


「今ならその結果も変えられるのかな」


 高一から帰宅部になったとはいえ、技術は身体が覚えている。

 それも一年先の技術を。


 今なら部内でもトップレベルに動けるだろうが...


 でも俺はバスケで勝つためにここに来てはいない。

 正直、そんなことをやっている暇はない。


 俺にはもっとやるべき事があるはずだ。


 あの惨劇まで残り、約二年。


 この短時間で夏希と付き合うなんてハードすぎる。

 周りのせいで積極的にアプローチもできない今、アプローチする方法を探さなければ。


「クソ、なんで焼けちまうかな俺のスマホ」


 そう、俺は夏希との唯一の連絡手段になりうるスマホを火災で壊していた。


 状況は絶望的。


 今日は運良く夏希と会話することが出来たが、これが毎日続くとは限らない。


 ...ん?


 部活、毎日。

 部活、毎日。


「そうか!」


 俺は一つの作戦を思いついた。


 それは『夏希と同じ部活に入っちゃおう大作戦』だ。


 同じ部活に入れば毎日夏希と接触することができる。

 しかも、あの群衆クラスメイト達がいないのだから話しに行くのも容易だ。

 (まあ同じ部に入っている友達はいるだろうが)


 でも、それはそれで良いのか...?

 夏希がいるからって理由で部活に入って。


 ていうかバドミントンなんて体育の授業でしかやってないし俺に出来るのか?


「やるしかないか...」


 こうでもしない限り、アプローチするのは到底無理だ。

 やるしかない。


 一度は終わった人生。

 使えるものはとことん使ってやる。

 なんとしてでも俺は。


「夏希と...」


─後日。


「え?バド部に入る?!」


「うるさい...」


 相変わらず冬馬は声がデカイ。


「でも、なんでバド部に?小学校からバスケやってたんだろ

?」


 飛彩も疑問に思う。


「あ〜、それがさ」


「ある漫画の主人公に憧れて...」


「「漫画?」」


「理屈で言えばカッコつけたくてバスケ部に入った冬馬と同じ理由だよ」


「お、おい!それを他人に聞こえる声で...」


「へぇー、『カッコつけたくて』ね〜」


 すると、後ろで話を盗み聞きしていた真衣まいが目を細めながら言ってくる。


「あんたは何をしてもかっこよくないですので諦めてくださーい」


「うわぁーーん!!」


 冬馬は泣き出す。

 (泣いてないけど)


 そして乱れた場を飛彩が戻す。


「あいつらは放っておいて、話しに戻るが...」


「本当に、それだけの理由か?」


 飛彩が俺に目を合わせ真剣な顔つきで聞いてくる。


 ここで嘘をつけば友人関係にもヒビが入る。

 嘘はつけない。

 でもこの場で言える内容ではない。


「...本当の理由は確かにある、だが」


「この場では言えない」


「そうか...」


 何かを察したのかそれ以上は聞こうとはしなかった。

 ただ。


「まあいつか...いや放課後聞かせろよな」


「今日は部活オフだし」


「あぁ、わかった」


 話しは終わり、入部届けに『バドミントン部』の文字を書こうとしたその時。


「え、バド部入るの?」


 隣から女性の声が聞こえてきた。

 ただ、この声は真衣ではない。


 思わずその方向へ振り向くと。


 その声の主は、俺がバドミントン部に入る理由となった美少女だった。

______________________

-あとがき-


 恋愛アニメを見ている時に毎回、

???「Sweetだぜ」

 と言っています。

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