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第13話 告白するぞ!

______________________



─「夏希さん、話したいことがあるんだけど」


 夏希なつきの周りにいた群衆クラスメイトを掻い潜り、俺は夏希の近くへ。


 もう、同じ後悔をしないために。


「ど、どうかした?」


 夏希は困惑している。

 ただそれは周りの群衆クラスメイトも同じようで...


「「......」」


 場が、凍てつく。

 ...やってしまった。


 確かに今日転校してきた奴が急に女神《夏希》に話しに行くなんて『分を弁えろ』って感じだよな。


 いや高校のあの時でも恐らく同じ反応になっていたか。


 こうなるから嫌だったんだよな、話に行くの。


 ...ダメだ、メンタルがもたない。


 これで話したかったことが『夏希さんは猫と犬どっち派?』なんてしょうもない質問だった事が夏希や周りに知れたらと思うと...


「...ごめんやっぱ何でもない」


「え」


 そして俺はその場を立ち去り教室から廊下へ。


「はぁ...何してんだろ、俺」


 情けない。

 周りの目があるとはいえ話すことすらできないとは...

 やはり1v1でなければ。


「仕切り直し...だ」


 そうとなればまた別の案を考えなければ。


 脳をフル稼働し廊下をゆっくりと歩きながら考えを巡らせていると。


「ねえ」


 後ろから綺麗で美しい声が聞こえてきた。


「...夏希」


「え、夏希...?」


 またやってしまった...

 夏希からしたら俺とは初対面なのに呼び捨てで呼んでしまった。

 いつも心の中で呼び捨てにしてるからつい...


 にしても、なぜ夏希が...?


「ど、どうして夏希さんが?」


「どうしてって、碧生くんこそどうしてどこかに行っちゃうの?」


「話したいことがあるんじゃないの?」


 ...ごもっともすぎて何も言えない。

 いやでも何か言わなきゃ本当にここで俺の人生が終わってしまう。


 意図的にタイムリープした訳では無いがこのままでは俺がこの世界に来た意味が無くなってしまう。


 本当のことを言うしかないか...


「えーと、ごめん」


「話したかったこと今話すね」


 夏希が「うん」っと頷く。


「...夏希さんは猫か犬、どっち派?」


 聞いてしまった〜。

 本当にしょうもないことを聞いてしまった〜〜。

 マジでなんなんだとか思われてそう...


「ふふっ、ふははははっ!」


 どこからか笑い声が聞こえてくる。

 その正体は手で口を隠している夏希だった。


「なんだ〜、ビックリしたっ」


「あの空気感的に告白するぞ!みたいな流れだったから〜...」


 顔を赤らめながらそう言う。

 恥ずかしがっているようだ。


 た、確かに言い方に問題あったな。

 そんなこと思われてたなんて...なんだか恥ずかしいな。


「まあ、そんな訳無いっていうのはわかってたけど...」


「グサッ(頭に矢が刺さる音)」


 ま、まあそんな訳無いにしろ...なんか傷つくな..


「え...その反応的にもしかして本当は...」


「え!そ、そんなわっ、きょ、今日転校して来たんだよ?」


「そうだとしても流石に早すぎるでしょ!」


「そ、そうだとしても...?」


「あ、いや例えばの話しね?」


 慌てふためいている俺に夏希は近づき、目を細めて笑みを浮かべ人差し指を向けてくる。


「この世には『一目惚れ』っていう言葉があってでね?」


「もしかして、惹かれちゃったかな?」


「......」


 マズイ、一方的に押されている。


 ...ていうか、あれ?

 夏希ってこんな感じの人だっけ?

 こんな攻める系の人だっけ?


 可愛すぎる...


 ...落ち着け俺。


 夏希と付き合うんだろ?

 そして守るんだろ?

 ここで攻めなきゃどうする。


 人生は一度きり。

 でも、その一度を終えたからこそわかった。


 『悔いはなかった』と言える人生では無かったということに。


 俺はもう悔いは残さない。


 後悔もしない。


 この二度目の人生で俺は『悔いはなかった』と言って死にたい。


 だからと言ってここで告白は流石に厳しい。


 なら...


「...もう本当に、惹かれちゃったよ〜」


「えっ」


 まさかこんな答えが返ってくるとは予想外だったのか身を引き、驚きの表情を見せる。


 そして。


「だからさ、友達になってよ!」


「友達...?」


「そう、友達」


「俺、夏希さんと仲良くなれる気がするんだ」


「友達になるのは全然構わないんだけど...惹かれちゃったって...?」


「あ〜、それは...」


「夏希さんの積極的な所に、ね?」


「......!」


 また夏希は顔を赤らめる。

 今度は照れている、のか?


『キーン、コーン、カーン、コーン』


 なんとも言えないこの空間にチャイムが鳴り響く。

 そして、それは俺たちの目を覚ます。


 チャイムに続いて俺も別れの言葉を送る。


「そろそろ5限目が始まるね」


「行こうか」


「...そうだね」


 教室に戻り、互いに席につく。


 俺はまた夏希の方を見ると...


「(ぷく〜)」


 口をぷく〜と膨らませた可愛い生命体《夏希》がこちらを見ていた。


「...とりあえず順調...で良いよな?」


 少なくとも前世では考えられないことが起きているのは確かだ。


 この調子で夏希に関わって行くしかない。


 あの笑顔を守るために──。


______________________


-あとがき-


 雨の日にカップル?がいて彼女さんは傘を指しているのですが彼氏さんの方は傘を持っておらず雨に当たっていました...

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