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ブラックヒスト  作者: dondon
ヘスタリア王国編
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2/4

はじまり たたかい 

「おいおい、誰なんだよ。」


アディダは眉を顰める

昼に指定されていたモノを回収し、

何事もなく終わるはずだった

目の前にカルメと孫のシメイ

と思われる青年が血を流し倒れている

そして2人を傷つけたであろう人物

が立っている


「あら、他にもお店の方がいらっしゃったのですね。

 これは運がいい、フィッツがどこにいるかご存じではありませんか?」


「なんでガルヴさんの契書のことを?」


「ガルヴ?どこかで…あぁ!アブトールが良く語っていた人間

 のことですか…なるほど、その方はいまどこに?」


「煽ってんのか?お前らは悉く俺に関わる人間を消したいらしい。」

アディダはかつての師思いながら武器を振るう。





暗い場所に少女と少年が立っていた

現実ではない、だが地獄でもないそんな場所に

2人は出会った


「君は誰だ?」

祖母の死、自らの命が消えていく瞬間を

味わい死後の世界を感じているなか、

全く知らない少女にたたき起こされる

出来事が一斉に押し寄せる

そんな気分シメイはいた 


「驚くのも無理はないがもう少しシャキッとしな

          とりあえず順番に説明する。」


「簡潔に言うと私は本だ。正確にはガルヴの作った本

 に宿っている光である。」


そういうと少女は胸に手を突っ込み

本を取り出して見せた

それは小さい時よく読んでいた「10人勇者」であった


そこから、自称本の少女は俺の知らないことを

分かりやすく説明した。

自身を命の宿る本であり、人と契約して真価を

発揮するもの、名を契書(カリグラ)


ばあちゃんが出発の時に絵本(10人勇者)を渡してきたが

もしかしてこの事態をわかっていたのか

店にいた銃女もこれを持ち銃は契書由来だという

だが撃たれて倒れていくなか女は本なんか広げていなかった


「ちょっといいか?銃女は本なんか持っていなかったはず

銃と腰に剣?の鞘みたいなものはあったがそれ以外は何ももっていなかった…」


「カルメが本のほかに渡さなかったか?」


「たしか、針のない腕時計?みたいなものは渡されたが」

渡されたときは全く意味が分からなかった。今もわからない

超常的な本と変なアンティーク、


「その腕時計もどきが私たちを収める棚(レージ)だ」


「棚に契書をかざすことで収納され本の力を行使することができる」


「もうじき意識が戻る。意識が戻ったら契書(わたし)を棚に収めろ

 その本であればいくら貧弱なお前でも発動させればアディダと共に撃退まではいける」


「必要最低限は語った、これから戦場に起きる

 私は君のサポート役だ。補助はするが実行するのは君自身。」


少女の問いに今の自分で答える

「まだわからないことだらけで正直戸惑っているよ。けど

 アイツの顔面に拳をぶち込めないと気が済まない…!!やってやるよ…」


徐々に周りが白い光に包まれる。

シメイの心の中は恐怖や怒り、決意に近い感情が

あったがその中心にあったのは高揚した気持ちである

今、まさに何か始まるという感覚、視点がようやく自分になった


「そういえば、あんたなんて呼べばいいんだ?」


「『10人勇者』は長いか…そうだなサポート役の10人目の勇者から

 とってエスペル。私の名前はエスペルと呼んでくれ。」


「わかった、行こうかエスペル...!!」




      


やりづらいな。

アディダは苦戦を強いられていた

対人戦闘の経験はあり

ある程度はいなし、かわしはできる

しかしアディダ自身、純戦闘向きではない

戦闘時もサポート要員であり

敵に決定打を与えることは不得手


しかし、久々の戦闘・知人の死体

うろたえることはなかったが少しの動揺があった

その動揺がアディダの行動をほんの少し遅らせる


そこを突かれ、左足の太ももを撃たれてしまった

そこでやられはしないが移動しづらく出血もある


「あんたさぁ、どこに属している人間だ?単なる私怨か、敵国の潜入か、

10年前の残党かどれにせよ、あんたは絶対捕縛だ。俺の手に負えるかは少し不安だが」


「まぁ雄弁は銀、あなたには引き金を引いて銃弾(プレゼント)を

 それ以外、わたしから贈るものはありませんよ。」


銃弾をはじき、避けながら

移動を阻害され撃ち抜かる


覚悟した痛みが来ない

反射で閉じた目を開ける


現実に似つかわしくない

大きな波のような白い壁

そして力強く自分の前に立つ

シメイの背中を見上げるのだった



意識が戻り目を開ける

当たり前のことだからこそ

とても新鮮に感じる


気づかれる・気づかれない

当たり前の二択は今の少年の頭にはなかった

無策の蛮勇、だが彼の目には死に行く者の

鈍い光ではなく勝利をつかむまばゆい光を放っていた


「あらあら、お仲間さんがもういらしたのですね。

 お早いご到着で、ご様子全く感知できませんでしたわ」


何者?近くの本棚あたりから大きな音と

こちらの床もボロボロになるほどの振動

目の前の男との戦闘で武器と色血(コラン)の

流れの感知に集中しすぎていたかしら


命のやりとり、

そこで勝利を掴むものは

思考することを止めない


壁を出す能力...?いや壁にめり込んだ

弾丸の様子、壁に取り込まれるように

あれは流動的なものを固めるものか…


今あるものでは相手の能力がどんなものなのか

わからない、少し様子見するとしましょうか


「おっさん、こちとら何も分かっちゃいねぇが

味方と思っていいんだな…?」


「君、カルメさんとこの…シメイ君か」


(シメイ、相手が動くぞ。構えろ!)

へいへい、わかりましたよ

相手はどう動くかまで教えてほしいところだが

というかどこから見てんだよ。


シメイは両手に力を込める

エスペルから力の出し方は教えてもらったが

技術はない。感覚で使おうとしているため

客観的に見て勝機はない


「あらあら、先ほど撃ち殺したと思っていたのですが

 外しましたかね。いや外したとしても先程から運動量は無理なはず」


「さぁね。蘇ったら全回復して再スタートってのが物語の基本だからかもな」


「何を言ってるかよくわかりませんが私は仕事においてミスが嫌いですの

 こんどこそ深くお眠りくださる?」


「望むところだ!!!!」

両手を相手に向けてすべてを放つイメージを

頭の中創り放つ


次の瞬間、シメイの左腕に鈍い痛みが走る

相手の攻撃はあたり、シメイは攻撃できていなかった


とりあえず本棚の影に隠れる


(おい、どういうことだよエスペル

 さっきと違ってだせねぇぞ)



(心臓の修復に残量の三分の一を使い

 残りは決して多くない、それで今あるすべてを使ってはずしたら今度こそ死ぬぞ)


(ちょっと待て、今の残量はいくらあるんだ?)

シメイはエスペルに問う


(簡単に言うとお前さんの能力は最大で30、

 今の残りは修復と壁を引いて16くらいだ)


「おや、再スタート直後にすぐに負傷ですか(笑)

 威勢がよくてもなにもかもがお粗末でいけない」


ちくしょう、相手だってこっちと同じ能力を使う人間

エスペルとの会話で分かったつもりになっていた

相手は経験に裏打ちされた強さをもっている

俺の力で攻撃するとしたら復帰した直後だった


だが反省会は今やるべきことじゃない

(エスペル、何かこの状況を打開できる策はあるか?)


(ちょっと待て、ん? いや、なるほど分かった

ガルヴの書斎に行け!そこにあるフィッツが打開のカギになる!

)

祖父(ガルヴ)の書斎はレジ後ろの扉からすぐ右にある

しかし敵はいまだレジ前に鎮座している


どうにかしてアイツをレジ側から離さなくちゃいけない

なにも思いつかねぇ


「なぁおっさん、アイツなにか探しに来てたよな?」


「あぁ、契書を探しているようだ

 君のおじいさんがつかっていたヤツだ」


「それの居場所はなんとなくだがわかる

            それでだ、ひとつ考えがある」

シメイの思いついた策それは単純明快

壁の左右から二人で走り出しシメイはレジ奥の部屋へ

アディダは店後方にある倉庫の扉に向かうものである


「もし、君が言う書斎で契書を見つけたとしてどうする?

 アイツにくれてやるのか?それこそ2人とも終了だぜ」


「いや、やるつもりはない、俺もよくわかっていないが

 契書(コイツ)がこの状況を打開する鍵にじいちゃんの

本がなるって言ってんだ、俺は信じる」


「そうかい、その姿勢にのるかね、こういうのに気分でのっちゃ

 ダメなんだけど、」


「あんたの足、ちょっと見せてくれ

 エスペルこれ直せるか?」

(応急処置程度ならいける)


シメイから出た液体から撃たれた箇所がふさがれる

痛みはまだ残るが動くけると自分で分かる


「おっさん、俺が先にレジ側に走るから時間差で

 後ろに走って適当に本を持って時間を稼いでくれ」


「怪我人に時間稼ぎですか無茶させるねぇほんと...!」

シメイは走り出す、両手に液を集中させ盾替わりにして


少年が私に向かって走ってくる

今度は能力を使っているが

やっていることは単なる自殺行為

もう一人もケガしているとはいえ

何かを狙っているはずだが.....



やはりブラフ、先ほど大立ち回り

能力の使用からこちらに戦闘を仕掛けると印象づけた

目と鼻の先に目的(フィッツ)があったというのに

気づかなかったということは

何かしらの探知阻害する何かがある

ましてやあの後ろの扉が外に繋がっていて

市街に隠れられた場合、

再度探すのは不可能


つまり

今は後方にいる男を追うのが急務!!!!


女はシメイの横を走り抜ける

そのシメイも敵を見ていない


クローバー書店 従業者フロア ガルヴの書斎


シメイは書斎にたどり着く

小さい時はよく入っていたが

最近は全然来ていなかった

ばあちゃんがいつも掃除しているのもあって

とてもきれいな状態、昔のまま


(シメイ、右の棚にある黒い箱の中だ、そこにいる)

言われた箱を開ける、そこにあったのは

力の抜けきったような灰色の本


(エスペル、これ...なのか..?)


(あぁ..これだ、朱色に光り爆発を主とした契書

 『燃える熱血、俺の極光(フィッツ・ザ・グリセラン)』)


(でもこの本、言い方悪いけど死んでない?)

(そうだな、かなりまずい。空前の灯)


「ちょっと!?どういうこと!?こいつが万事解決してくれるんじゃないの!」


おもわず声が出る、そりゃそうでしょ!

ハチの巣になる覚悟で走って

あの人にもかっこよく「俺に任せろ」

てきなこと言っちゃったし


慌てるシメイを横目にエスペルは語りだす

(大丈夫だ、シメイ。まだコイツは完全に死んじゃいない

 動力となるものをこいつに流せばしっかりと機能する)


(動力ってなんだよ)


(人の血)


(マジ?)


(マジ。っていうかこっちもお前の血もらってるぞ)


(いろいろ思うところがあるが今はそれどころじゃない

 コイツ(フィッツ)にはどれくらい必要なんだ...?)


(ざっと700MLくらい必要)


(そんなに血を抜いたら動けなくなるし、下手したら

 死んじまうよ!!!!!)

いや、まて動けない、爆発

敵に賭けてみるか...


(その血、俺が用意するよ、エスペル

 そのかわり俺に全部、任せてもらう)


(!!わかった...)


シメイに言われて後ろまで走ってきたが

適当に本を取って戦闘か...

簡単に言ってくれるよ、まったく


アディダは武器を再度展開する

野蕗と縁が切れなくて(読み(粘着質な君と僕)

粘着性の液を自身から放出、また武器にまとわせる。

単純な液体放出で敵の拘束から逃れることが可能

基本的に鞭を主武器とする。また粘液の応用で敵を捕まえることができる。


本棚を鞭と粘液でつかみ相手ぶつける

地理的優位をとるため鞭から粘液を周囲にまく


しかし、すべてかわされる

粘液を巻いた箇所をすべてよけ

距離をつめてくる


「一体どんな小細工を施したかはわかりませんが

 無益な争いはお互いによくありません、はやく渡してください」


「確かに、こんなこと続けても意味ないよな

 分かった、やるよ」


アディダが女めがけて本を投げる

その瞬間を逃さす、女はアディダに標準を心臓にむける


すかさず近くの本棚をひっぱり

盾にする


「さすが、腹芸のうまいことだ、まったく」

アディダはわかっていた、相手が平気で撃ってくることを

わかっていたが末恐ろしい。こうも短い間で命が狙われることに


「それはお互い様でしょう。あなたがピンチなのに

 この喧嘩の売り方は、高値でかわせてもらいますよ。」


おいおい、マジか

やっこさんが手を抜いていたのは

うすうす気づいていたがありゃ本気だな

ここにあるものじゃ防げねえな


「最後に言い残すことはありますか?

 遺言だけは残してもよろしいですよ」


「そうかい、じゃあ1つ。

 遅ぇよ、年長者を1人ボロボロにしやがって」


女の後ろに高く伸びる影

白いかたまりをまとった拳が襲う

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