4話 怖いおうち?
「・・・怖い家?一体何の話だ?」
レティから話があると言われ、女三人が泊る部屋に来てみれば、いきなり突拍子もないことである。
「そうそう!あるんだよ~。それはそれはこわ~いお家が!」
おそらく部屋を暗くして、皆で怪談話でも興じていたのだろう。微妙にテーブルに散らかった菓子類が少し残念ではあるが、部屋を暗くして蝋燭を立てて、雰囲気のある様子になっていた。
「つい最近、あり得ない超常現象と遭遇した気がするが、まだ何かあるのか・・・?」
「そ、それはいいのよ・・・!」
ラズリーが少し慌てたように言う。
「うんうん!それで、皆で行ってみないか、て話になって!」
レティのテンションがひたすらに高い。
「・・・それは分かったが、何故俺に言う?」
この世界には俺の理解を超える超常の者が、確かに存在するということは先の経験で分かっている。レティは自らそれに巻き込まれに行こうと言うのである。
――正直言って、どうかしているとしか思えない
「ボクたちが危ない目にあってもいいの?」
上目遣いで見てくるレティだが、
「・・・お前たちがわざわざそんな所に行かなければよいだけの話ではないのか?」
冷静に考えて、そんな所に行くから悪いのだ。大体、そう何度も理解を超える者どもと対峙したいとは全く思えない。
「ほら、先生たちも言っていたじゃないか、一番重要なものは知的好奇心だって!」
——こりゃレティの話を聞いても無駄だな
「・・・ソフィア、ラズリーが危険な目に合うかもしれないが問題ないのか?」
「レティ様の話では少し外を見るだけとのことで、危険は少ないかと。」
「それにボクたちより強い奴らがそんないるとも思えないし!」
「・・・であれば、俺が行く必要はないと思うが。」
正直言って全く気乗りがしない。
何なら、そんな所に行くのであれば、何故かは知らないが、そこで悲しそうに丸まっている猫助と遊んでいた方がまし、まである。
「いいじゃない?どうせ暇なんでしょ?」
「・・・そこの猫助でも連れて行けばいいじゃあないか?」
「ダメよ。だってえっちだもの・・・。」
そう言うと、少し顔を赤らめるラズリー。
「この子はおっぱい触りすぎたから謹慎中。」
レティがデイジーをちらっと見てそっけなく言う。
——なるほど。風呂に入ったのをいいことに、にゃーん♡をたくさん致したと。許すまじ
だが、それはそれとして、
「・・・俺はお前たちよりもそこの猫助の方がまだ健全だと思うがな?」
と、いうわけで、その家の前まで皆で来たわけだが。
「・・・確かに、何か出そうな雰囲気はあるな・・・。」
果たして、その古びた洋館は俺たちの借りている宿から少し山の方へ上った所に存在した。
上り道を少し外れた所に鬱蒼と茂る木々の間に小道があり、その間を抜けると、大きな門が見える。門の鍵はかけられておらず、その門の先を更に進むことで見える。
「—だが、ここは私有地じゃあないのか?」
さすがに門の中が公道であるとは思えない。この洋館が貴族の持ち物であるとすれば、ここへ至る小道ですら私道の可能性がある。
「うーん、多分?」
そう言うと、レティは少し悪びれる。その様子から前にこの場所に来たことがあるようだった。
「・・・雰囲気あるわね?」
「—ええ、お嬢様。」
硝子の窓から見える中の様子は、完全に荒れ果てているというわけでもない。おそらくわざわざここを訪れる者が少ないからだろう。
だが、それでも、見た感じ、調度品はほぼ完全に埃をかぶっており、床に物が散らばっている。人が使用しなくなって長い月日が経っていることが分かるような状態である。
よく観察してみると、埃を被っていて細部までは分からないものの、その調度品は高級品ではないかと思う。場所からしても、おそらくここを使っていたのはどこかの貴族と考えて間違いなさそうだった。
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