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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
5部 おっぱい猫にゃーん♡ 13章 港街セルペタ

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18話 良い感じ♡

俺たちの住むコテージ形の宿の裏にはちょっとした庭があり、その少し先には切り立った崖があった。


ここから街の様子がよく見える。レティの実家はてっきり山の方にあると思ったが、レティは街の方向に向かって行った。もしかすると普段は街中で暮らしているのだろうか?


—美しい街並みだ

夕日に照らされたセルペタの煉瓦造りの街並は海の青と日の光の赤で美しいコントラストの中にあった。


「—こんなところで何をしてるの?」

振り向くと、ラズリーが佇んでいた。


「いや、綺麗な景色だなあ、と。」


すると、こちらに寄って来て、


「——本当。素敵。」

俺の横に並ぶと、同じように街並を見つめる。既に部屋着に着替えているようだった。


—まるで深窓の御令嬢のようだ

薄手のワンピースを着ており、今日はいつものツインテールもすっかり降ろしていて、どこか儚げな印象を与える。


ついまじまじとラズリーを見つめてしまう。


「?・・・なあに?」

こちらに気がつき、彼女は穏やかに微笑んだ。


——ッ

思わずドキッとしてしまう。



「「・・・」」

お互い無言の時間がしばらく流れ、


「なあ—」「ねえ—」

お互いに顔を見つめ、何かを言おうとしたそのとき、




「—こちらにおられましたか。・・・どうかなさいましたか?」

ソフィアが俺たちの後ろから声をかけ、そのままこちらに来ようとして立ち止まる。


すると、ラズリーは慌ててパッとラズリーの方へ振り向いて、


「―何でもないの!どうしたの、ソフィー?」

その場を取り繕うように言った。


「お嬢様、本日の御夕食はいかがしますか?そろそろレティ様が到着する時間かと思いますが。」


「そ、そうね!まだ何も決めていなかったんだった・・・。」


「・・・?イシュバーン様にそれを伺いに来ていたのでは?」

そう言う割に、ソフィアの顔は少し楽し気な顔をしている。


「う、うん!それでね、イシュバーン、お夕飯どうしよっか?」


「材料は何がある?」


「はい。例えば、養殖物のボア肉と魚介、それにお野菜はいくつかと、パンの他にパスタなどがございます。」


——パスタはどうだろうか?

大体いつもヘイム家で食う炭水化物はパンであり、きっとセルペタに来てもいくらでもパンを食う機会はあるだろう。しかし、やはりせっかく港街に来たのだ。この機会に魚介を飽きるまで食べておきたい。そして、魚介といえば、俺の中ではパンよりもパスタだった。


「パスタにしないか?」

今日の俺の気分はパスタである。この美しい風景を思い浮かべながら、ここはひとつ、優雅にパスタと洒落込もうじゃあないか。


「いかがですか、お嬢様。私は良い選択だと思います。」


「そうね、私もそれで構わないわよ?」


「かしこまりました。」

そう言うと、俺たちに軽くお辞儀をし、そのまま宿の方に戻ろうとするが、ソフィアは途中で振り返り、


「——水を差してしまい、申し訳ございません。」

そう言うと、もう一度軽く頭を下げるソフィア。そしてくるりともう一度宿の方へ戻って行った。



「・・・私たちも戻りましょう?」

それから少しして俺たちも宿にまで戻ることにする。




ジリリリリリッ

俺たちが宿に戻るとすぐにベルの音が鳴る。


「きっとレティね!私出てくる!」

そう言うと、ラズリーがパタパタと玄関まで走っていく。


そしてガチャッと玄関の扉を開けると、果たしてそこには猫を抱えたレティが立っていた。


「こんばんわ!・・・あはは、この子もいいかな?」

そう言うと苦笑いをするレティと、ニャンコが一匹(いっぴき)。猫はにゃーんと鳴き声をあげると、クアアアアッと大きな欠伸(あくび)をした。


「構わないわ!ささ、入って?」


「お邪魔しまーすっ。——いい雰囲気だね??」


「えっ!?」

何か気まずそうな顔をするラズリー。


「・・・?いい雰囲気の宿だね?ってどうしたの? 二人ともそんな顔して。」


きっと俺もラズリーと同じような顔をしていたのだろう。

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