17話 お泊りかいになったのである!
コルティスでの初日の日程が終了して、その後、俺は校舎の正門前でラズリーとソフィアを待つことにしていた。
「お~~い!」
誰かを呼ぶ元気な声。そちらを見ると、女子生徒が三人並んで歩いており、その中の一人がこちらに手を振っているのが見えた。
よく見ると、それはラズリー、ソフィア、そしてレティの三人であり、こちらに手を振っているのはレティのようだ。
俺も軽く手を上げてそれに応える。しばらく待っていると、
「お待たせ!今日はラズリーのとこに泊ることに決めたんだ!」
そんなことを言った。
「確か、夕食という話ではなかったのか?・・・寝室は残り一つの部屋は物置きだった気がするが?」
俺の記憶では、あのコテージ型の宿は部屋は三つあり、うち一部屋は雑多な物置きとして存在するようだった。一つの部屋にベッドは二つ。ラズリーの部屋にはラズリーとソフィアが、そして俺の部屋には俺だけが泊る予定で、空きベッドが俺の部屋に一つある。
「ええ。ですので、私が一階のソファで寝ようと思いまして。」
俺の疑問にソフィアが答えた。
「俺の部屋のベッドに一つ空きが――」
ある。そう言いかけて、
「あれ?じゃあ、ボク、キミの部屋で大丈夫だよ?」
レティが首を傾げると、
「——それならば、」
ソフィアが何かを言おうとするが、
「私が!!・・・あ。」
ラズリーが一際大きい声で言った。
「「「・・・」」」
気まずい沈黙が流れる。
――これは俺が悪いよな?
「・・・なら、俺が一階のソファを使おう。」
ベッドは四つあり、泊まる部屋は二つ。しかし、女三人に男一人なのだ。この割り当てがベストだろう。
ラズリーはもちろん部屋のベッドを使用させねばならないし、それは客人のレティも同じ。そうすると、部屋を移動するのはソフィアになるが、ここは俺よりもソフィアがベッドを使用する方が良い。
もちろん、俺としてはソフィアが俺の隣のベッドで寝ることは問題ないのだが、そうすることが健全かと言われれば、うーん、と疑問が残ることではある。
「ソフィー、私と一緒のベッドで寝ましょうか?」
すると、ラズリーがそんな提案をした。確かにそれであれば、三人同じ部屋に泊ることができるが、
「お嬢様、それではお嬢様にご迷惑がかかってしまいます。」
「じゃあじゃあ、ボクが二人のどっちかと一緒に寝るよ?ね、デイジー?」
そう言うと、レティは胸の中ですやすやと寝ている猫に向かって話しかける。ちなみに猫からは返事はない。
「―そんな。お客様にそんなことをさせる訳には—。」
正直、俺としてはラズリーでもソフィアでもレティでも、一緒の部屋に泊るのはそれはそれは大歓迎ではあるが、
「・・・とりあえず、宿に向かおうぜ?」
こんなところで皆で話していれば悪目立ちをしてしまう。
俺が言うのも何だが、ラズリーやレティはもちろん、学生服を着たソフィアもかなり可愛い部類に入ると思う。それに対して、俺の外見は、美男とは決して言い難い、まあモブだ。ハーヴェルやヒューヴァのような美男子であれば話が別だろうが、俺の外見はまあ至って平凡。美三人と凡夫の集まりなど、奇々怪々の如しであることは想像に難くない。
「あ、ボク、着替えとか取って来るね?場所はあっちの岬の宿だよね?確か、『ヤドリギの宿』だっけ?」
そう言うと、レティは俺たちの泊まっている宿のある方向を指で示す。
「はい。ですが、正確な場所はお分かりですか?」
「うん、問題ないよ!じゃあ皆、また後でね?」
そう言うと、レティは道を先にパタパタと走って行ってしまった。
―まったく、慌ただしいやつだ
しばらく三人で走っていくレティの後ろ姿を見つめ、
「さあ、私たちも帰りましょうか!」
それからラズリーがぐっと背中を伸ばしながら言った。
——しかし、女性陣が三人、同じ部屋か
これはいわゆる百合なシチュエーションというやつではないか?ついパジャマ姿でキャッキャ、うふふ♡なことをする三人の姿を妄想してしまう。
「・・・何その顔。」
気がつくと、ラズリーが怪訝な顔をしてこちらを見ていたのだった。
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