15話 ゴルダと模擬戦!
「―どこからでもかかってこい。」
ハーヴェルは静かに言う。
「くそ・・・!舐めやがって!!!ストレングス!!!」
ゴルダの周囲に一瞬、濃密な魔力が展開する!
「―少しは楽しませてくれそうだ。」
ハーヴェルは剣をゆったりと持ち、ゴルダを真っ直ぐ見つめる。
「食らええええええええええええええ!」
ゴルダがそのデカい図体をもってハーヴェルに突進する!!!
ドシンッドシンッドシン!!!
俺の心の友のように馬鹿正直に真っ直ぐ突っ込むわけではない。足を踏み出すごとにその軌道をずらし、そして、ハーヴェルに相対したとき―
「――取ったァ!!!!」
グッと足を大きく踏み出したと思うと、そのまま大きく加速し、無防備なハーヴェルの脳天目掛けて斧を振り下ろす!!!
―だが
カツンッという音で何でもないというように斧を軽く受け止める。
――風魔法のエンチャント!?
ハーヴェルの周囲にはゆったりと柔らかなモヤのようなものが見える。
そしてそのまま―
スパアンッ!!!
片手で軽く剣を振り、ゴルダの肩に剣を当てる!
「グアアッッ!!!」
ゴルダは顔を大きく歪ませ、膝を折る。
「――どうした?もう終わりか?」
静かな顔をするハーヴェルに対して、顔から滝のような汗を見せるゴルダ。
ゴルダの顔は、痛みに耐えているのもあるようだが、それ以外にハーヴェルに恐怖心を抱いているようにも見えた。
「くそおぉ・・・!おい!ユーディス!!!」
「おい、ゴルダ、もう止めといた方が・・・。」
「問題ない!!!この野郎に一発入れてやる!!!」
顔を真っ赤にさせるゴルダ。
「・・・どうなっても知らないからな?――パワーアップ!」
すると、ゴルダの周囲に更に魔法が展開し、その身体からもはや肉眼で見えるほどの魔力が沸き立つ!!!
「―後悔しても知らねえからよぉ?」
ユーディスの魔法の影響か、マインドが回復したのだろうか、ニンマリと笑うゴルダ。
「――安心しろ、ゴルダとやら。魔法剣はそこにいるふざけた男以外には使わないことにしている。」
そう言うと、ハーヴェルは剣の先で俺を示す。
―いや、俺は貴様に魔法剣を使ってくれなどと頼んだ覚えは全くないのだが
「・・・はあ?魔法剣だとぉ?」
ゴルダはそう言うと、俺の方を見た。
「―何でもない。こちらの話だ。――来い。」
ハーヴェルは剣を静かに構える。
―あれは
俺はそれを見たことがあった。澄み切った水面に上空の景色全てが一片の曇りもなく見えるように、澄み切った心を以て敵のあらゆる攻撃を跳ね返す。その名は―
――明鏡止水の構え
今度は全力で踏み込み、そのまま一直線に加速するゴルダ!
そして、次の瞬間、その運動エネルギーと巨体の質量の合わさった一つの凶器が完成する。
だが、ハーヴェルは揺らがない。凄まじい速さで突っ込んで来るゴルダに対して、平然と剣を構えたままだ。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
雄叫びを上げ、バトルアックスを脳天から―そう思った瞬間、身体を横にして、更にグンッと加速し、その凶器は真横からハーヴェルに直撃する―
――バシンッ
ハーヴェルに直撃したソレは、先ほどよりも僅かな音を立てたのみだった。
「・・・え?」
信じられないというようなゴルダの声だけが響く。
「―では俺の番だな。」
呆然とした表情のゴルダに対して、ハーヴェルはあくまでも無表情で―
剣をゴルダの顔に真っ直ぐに突き出す。
コツンッとハーヴェルの持つ木剣の先がゴルダに触れる。
「――ひっ。」
ズシィィィンッ
そのままゴルダは気を失って動かなくなった。
「「・・・・・・」」
誰も彼もが静まり返る。誰もが皆、圧倒的なオーラを放つハーヴェルに呑まれている。
―絶対的な強者
ここにいる誰もがハーヴェルをそう思ったことだろう。
「―ゴルダ!!!おい、しっかりしろ!!!」
ユーディスが飛んでゴルダの元に駆け寄る!!!
「おい、アンタ!ゴルダに何をした!??」
「――何もしてはいない。安心しろ、そいつはただ気を失っているだけだ。」
そう言うと、木剣を元の場所に戻しに行くハーヴェルだった。
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