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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第2章】モンスター氾濫と紛争
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一抹の不安

『出るわよ。』


女の人の声が頭の響き渡る。


【空の目】の映像を見ていると先頭が動き出したのが見えた。



時刻は16時半。


僕達は、ヨツク傭兵団の団長のヨツクさん達と簡単な打ち合わせを済ませ、一緒に、第2木材集積所を目指す事になった。



先頭は寒冷地仕様のクアッドが、2台、横並びで走る。


どちらのクアッドも1人乗りだ。




その後ろを2台の2列目があるタイプのピックアップ トラックが続く。


運転手と助手席に人が座り、

そのどちらもが、戦闘要員だ。


そして、荷台には2匹の大型の魔犬が座る。


それ以外に、2列目に2名。荷台に4名の計6名のギルドのネギハタ高原国支店が所有者となる犯罪奴隷が乗っている。




その後ろを2列目があるタイプの全長9メートルのトラックが3台続く。


運転席と助手席。そして、2列目に4名が乗車し、

4メートルのコンテナの中に、2匹の魔猫が、

コンテナの後ろに儲けられたフリースペースに置かれたクレートの中に2匹の魔犬が乗り込んでいる。


また、助手席には控えのドライバーが座り、2列目に座る4名は全て工兵となる。




その後ろを寒冷地仕様のクアッドが、2台、横並びで続く。


どちらのクアッドも1人乗りだ。




その後ろを2列目がないタイプの全長11.5メートルのトラックが続く。


運転席と助手席。補助席に3名が横並びに座っている。


補助席には控えのドライバー。助手席には戦闘要員が座っている。


3メートルのコンテナと6メートルのコンテナを2つ乗せられていて、前の4メートルのコンテナには移動式の通信機器が載せられている。


そして、後ろの6メートルのコンテナには、団長のヨツクさん。主計長のジョフサさん。工兵頭のヘイニさん。通信技師のシニキさんが乗り込んでいる。


このコンテナは、移動時以外は、執務室 兼 商談室ブースとしても利用されているらしい。




その後ろを2列目がないタイプの全長9メートルのトラックが続く。


運転席と助手席。補助席に3名が横並びに座っている。

補助席には控えのドライバー。助手席には副団長のシチダクさんが座っている。


荷台の6.5メートルのコンテナの中には、

治癒師のホーさん。ホーさんの助手の治癒師と2名の薬師。料理番長のトンサンが乗り込んでいる。


このトラックは救護車両となる。




その後ろを寒冷地仕様のクアッドが、2台、横並びで続く。


どちらのクアッドも1人乗りだ。




その後ろを2台の2列目があるタイプのピックアップ トラックが続く。


2台とも、運転手と助手席に人が座る。

そのどちらもが、戦闘要員だ。


そして、1台目のピックアップトラックの2列目には2名の料理人が座り、荷台には、2匹の大型の魔犬と荷台に4名のギルドのネギハタ高原国支店が所有者となる犯罪奴隷が乗り込んでいて、


2台目のピックアップトラックの2列目は空で、荷台には2匹の大型の魔犬が乗り込んでいる。


元々は、2列目に2名。荷台に3名の計5名のギルドのネギハタ高原国支店が所有者となる犯罪奴隷が乗り込んでいてたらしいのだが……

彼等は所有者である、ギルドのネギハタ高原国支店の指示で、この場に残される事になっている。




その後ろを2列目がないタイプの全長11.5メートルのトラックが11台続く。


運転席と助手席。

補助席に3名が横並びに座っている。


補助席には控えのドライバー。助手席には工兵が座っている。


9メートルの荷台には木材がギッシリと積み込まれている。




その後ろをヨツク傭兵団の殿(しんがり)となる、寒冷地仕様のクアッドが4台、2台づつ横並びで続く。


これらのクアッドは、全て、2人乗りとなり、

後ろに座る者は、後方の警戒をメインで行う魔術師や狩人達だ。




その後ろを、僕達のキャンピングカーが続く事になっている。



◇◇◇



「私を置いていくとは何事です!

引き返しなさい!」

「俺達も連れてってくれ!」

「アタシ達を~置いていかないでよぉぉぉ!」

「人でなし!

この落とし前をつけさせてやるから覚悟しときな!」

「お前達、許さねぇぞ!

ぶっ殺してやる!」



ここに取り残される事になった5名の犯罪奴隷の男女が叫んでいる。



ただ、彼等は文句を言うが、契約の魔術で絶対服従を誓わされている為、命令には歯向かえない。


また、首に取り付けられた首輪に繋がっている鉄の鎖が大木に巻き付けられている為、逃げたくても物理的な意味で逃げられなくなってもいる。


ただ、彼等が繋がれた鎖は、それなりに長い為、

炊かれた焚き火に薪をくべ続ける事も、鍋に用意されたスープを焚き火で温めて、お椀によそって食べる事も出来るような配慮はされている。



因みに、今回、彼等が、ここに置いてかれるのは、ここで夜を明かした場合、どうなるかを確かめる為の実験らしい。


また、ここだけでなく、他の場所でも、

ギルドのネギハタ高原国支店や、ギルドのテチス山脈支店が、

所有者となる数名の犯罪奴隷だけを残し、それ以外の者達は近くの木材集積所に避難するように指示を出しているらしい。



【ゴゴゴ】



ここに取り残される事になった5名の犯罪奴隷の男女の願いを振り払うかのように、キャンピングカーがゆっくりと動き始めた。



◇◇◇



「なんか……可哀想だったね。」


『せやな。

鑑定したら、冤罪の人が居いひんかったんが唯一の救いやわ。』


「あの5人は、どんな犯罪をしたの?」


『殺人や恐喝や強盗。横領に詐欺に内乱罪。子供を誘拐して違法な奴隷売買をしようとしはったり……ってとこみたいやね。


因みに、内乱罪は一部、未遂。

誘拐は完全な未遂みたいやわ。



そうそう、DVから逃れる為とかイジメへの報復とか、そんなんやのうて、

単純な金目当てや、完璧な逆恨みによる犯行みたいやね。



まぁ……あくまでも鑑定結果やさかい、これ以上、詳しい事は分からへん。


そんでもって、実際のとこ、鑑定結果が正しいかも分からへんねんけどな。』


「その鑑定結果ならば自業自得ね。

レイヒちゃんの鑑定結果に間違いが無い事を祈るよ。」


『せやな。


なんの罪もあらへんかった被害者の人達が、【ざまぁ。】って思ってはる。


そう思ったら、あの人達を置いく事への罪悪感も軽うなるもんな。』


嫁とレイヒちゃんの会話が止まらない。



◇◇◇



「昨日よりも格段に寒さが厳しいわね。」


『温度計の気温は昨日と変わられん。

それだけ瘴気が濃くなりはった。ちゅう事やろな。』


「なにそれ。

昨日よりも沢山の幽霊が出る前兆。って事?」


『せやね。

幽霊やのうて、悪霊かもやけどな。』



「それで済めば良いがのう……」


「下手に人にゃんて置いてったら、リッチやらスケルトンにやら進化するかもにゃね。


まぁ……部外者のアタイ達が、とやかく言うべき事でもにゃいけど……


ギルドの下した判断は、あまり賢い策だとは思わにゃいにゃね。」


嫁とレイヒちゃんの会話に加わったムンナちゃんとシャーコが不穏な事を言う。



「置いてった人達……大丈夫かなぁ……」


「奴隷の所有者が決めた事じゃし、

その所有者達から、妾達に意見も求められておらぬ。


所有者の了解を得られたら、戻って、あやつ達を助けてやるつもりならば話は別じゃが……


勿論、そこまでしてやるつもりはないじゃろ?」


ムンナちゃんが溜息をつきながら嫁に質問をする。



「確かにそうね。

頼まれても、皆に危険が及ぶのならば断るかもしれないわね。」


嫁が苦笑いしながらムンナちゃんに返答を返す。



「妾も同じじゃ。

そんな妾達が、あやつ達にしてやれる事は……


あやつ達が、明日も生者として朝日を拝めるように祈ってやるぐらいじゃ。」


ムンナちゃんが、そう言いながら、窓の外を見ていた。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

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