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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第2章】モンスター氾濫と紛争
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アマトティの欠片と妖精ムンナ/鑑定してくる者達

「うっぷ。」



【バサ】


【ゲロ・ゲロ・ゲロ・ゲロ】


【ボタ・ボタ・ボタ・ボタ】



時刻は、後、10分ぐらいで2時になる。



微睡み始めていたところ、ムンナちゃんが空のコンビニのレジ袋を広げるとゲロを吐き始めた。



「大丈夫? 酔った?」


「大丈夫じゃ。」


嫁の質問に顔を上げて答えたムンナちゃんは鼻血も出していた。



「大丈夫じゃないじゃん。

これ鼻に詰めて。」


嫁は、そう言いながら箱から抜き出したティッシュの束を渡す。



「有り難う。」


ムンナちゃんはティッシュを鼻に詰める。



「口の回りを拭くよ。」


嫁は、そう言いながら枕元にあったウェットティッシュの入った入れ物から、ウェットティッシュを数枚、取り出してムンナちゃんの口回りを吹くと、

ウェットティッシュをゲロの入ったコンビニのレジ袋の中に入れて、持ち手を括り、足元に置いてあるゴミ箱の中に捨てた。



「たった今、ナカナカトブ村にある、サブアウが管理しておるプスアーの欠片と共に勾玉にされ祠に奉納されておった、アマトティの欠片から念話を受け取った。


彼女が言うには、ニンムシュによって、プスアーの欠片と共にサブアウが管理しておる祠から連れ出され、

これからニンムシュが管理しておった、

妾が盗み出した、アマトティの欠片とプスアーの欠片が奉納されておった祠に、再度、奉納されるらしい。



それと……念話をくれたアマトティの欠片とは、

彼女が祠に奉納されておらず、尚且つ、この世界に2人とも居る限り、

離れた場所でも念話で話したり、彼女の直ぐ近くにワームホールを繋げるようになった。


じゃから、今後、彼女が奉納されておる場所が変わったとしても、妾は彼女の元に直ぐに行けるようになった。



後、彼女以外の他の4体のアマトティの欠片とも、

彼女達が奉納されておる状態であっても、半径100キロ圏内まで近づけば、今回と同じ事が出来るようになるらしいぞ。



つまり、エンクルの考えてくれたサイレント作戦の成功率が格段にアップしたのじゃ。」


ムンナちゃんが得意気な顔で話す。



「そんな事より……身体は大丈夫なの?


毎回、アマトティ様の欠片とコンタクトを取れば、こんな事になるんだったら、そもそもの作戦自体を見直すべきだと思うんだけど……」


嫁が、そう言いながら、僕とムンナちゃんを交互に見る。



◇◇◇



「今回、サブアウが管理しておったアマトティの欠片は、

妾に大量の情報を可及的速やかに妾に届ける事に集中しすぎて、妾の肉体への配慮を欠いてしまった故に起こった事じゃ。


だから、まぁ……

今後、他の神仏の代理人が管理しておるアマトティの欠片が接触してきたとしても、今回のような事は無い筈じゃ。



とはいえ……

エンクルが妾の肉体を活性化してくれておったから助かったのも事実じゃ。


エンクルが妾の肉体を活性化してくれておらねば、

妾は意識を刈り取られて、1週間ぐらい寝込む羽目になっておったやもしれぬ。」


「パパ。

今後は、ムンナちゃんの肉体を常に活性化させておいて。」


「了解。」


ケラケラと笑うムンナちゃんを心配そうに見つめながら話す嫁の言葉に、

僕は、窓の外に漂っている恐ろしい気配に警戒をしながら、短い返答を返す。



◇◇◇



「それよりも……


厄介にゃ奴等が、アタイ達を鑑定しておったにゃ。


まぁ……今のところ、接触してくる気配はにゃさそうにゃが……


今までよりも、1人ににゃる時間をにゃくすように注意するにゃどの警戒をしておいた方が良さそうにゃよ。」


シャーコが、そう言いながらバンクベッドから飛び降りてきた。



『ウチ達を鑑定してはった者達を逆に鑑定してやったところ……


ウチ達を鑑定してはったんが、神仏の代理人のサブアウと、その配下のシヨやった。ちゅう事までは突き止めたったで。』


「サブアウの3忠臣の残りのスチバ。ヴィアバ を含めて、

ニンムシュや、彼女の懐刀のアタルハナと同じぐらい厄介な連中じゃ。


出来れば……関わる事無くやり過ごしたいところじゃな。」


レイヒちゃんの言葉を聞いたムンナちゃんが苦い顔をしながら補足情報をくれる。



『じゃな。


あの2人でも厄介なのに……後、2人。ないし、ニンムシュ達を含めて4人も増えでもしたら……


対処が出来ぬやもしれぬな。』


「ワンゾウ。起きたの?」


嫁が驚いた顔をしながら話す。



『ワンゾウは、ヤバい気配がしたと同時に起きはったよ。


てか……鑑定されただけやちゅうのに、マジでビビってもうたわ。』


『あれは、ヤバイ気配だったな。

俺達の周りに居た幽霊達も一斉に逃げ出したもんな。』


「マジで。


それでパパは、チラチラ、窓の外を見ていたのね。


ムンナちゃんの事で慌ていたとはいえ……危機管理能力を高めないといけないみたいね。」


レイヒちゃんとナシアタ君の話を聞いた嫁が苦笑いしながら話す。



『姉さんは戦闘系の異能やあらへんからしゃあないやろ。』


嫁の話を聞いたレイヒちゃんがフォローを入れてくれる。



■■■



【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】

【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】

【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】


【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】

【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】

【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】


【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】

【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】

【ガラ・ガラ・ガラ】・【ガラ・ガラ・ガラ】



時刻は6時30分。


ワンゾウが、木製の巨大な回し車の中を軽快に走り続けている。



嫁はシャーコと一緒に体調が優れないムンナちゃんとキャンピングカーの中に残り、

ナシアタ君とレイヒちゃんはキャンピングカーの給油や、足回り等の点検をしてくれている。


食事は走りながらでも取れるという事もあり、僕達は食事以外の事を先に終わらせる事にしたのだ。



『今、ウチ達を鑑定してきはったんは、サブアウとスチバや。


また、直ぐに、どっか行きはったし……いったい、何がしたいんやろな。


ホンマ、存在感だけでビクッってなるから、止めて欲しいで。』


レイヒちゃんの話す声が頭の中に響き渡る。



■■■



『出ますよ。』


時刻は7時。


ナシアタ君の声が携帯電話から聞こえてくる。



ナシアタ君とレイヒちゃんは、半球睡眠を取りながら、木こりや、彼等の護衛等、人が沢山、居るところまで移動してくれる事になった。



『このまんま、ゆっくり進めば、夕方までには、木こり達が作業をしてはるところに着ける筈や。


ウチ達は、そこで、木こり達に混じって夜営をする予定や。


流石に、サブアウ達も、ギルドから依頼を受けて仕事してはる、木こり達の睡眠を邪魔しはるような事はしやんやろうからね。』


レイヒちゃんの声が携帯電話から聞こえてくる。



「しんどくなったら、何時でも休憩を取ってね。

そん時は、パパに見張りさせるよ。」


『了解しました。

だけど……夕方までは、頑張るつもりですから、夜営中の見張りに備えて寝ておいて下さい。』


ナシアタ君の元気な声が携帯電話から聞こえてくる。



「了解。」×2


僕と嫁は短い返答を返した。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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