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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第2章】モンスター氾濫と紛争
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【サイドストーリー】盗んだ者と盗まれた者

「ニンムシュ様。


お忙しいところ、申し訳ございませんが、

サブアウ様と、ヴィアバとシヨ。スチバのメールを盗み見し、裏取りも取った結果を、ご報告します。



まず始めに、

ナカナカトブ村にある、サブアウ様が管理されておられるアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納している祠を守っておられたヴィアバとシヨが居なくなりました。


理由は、

ヴィアバがシオスの港町の調査、

シヨが立ち入り制限林道の霊道のパンクの調査をサブアウ様から命じられたからです。



因みに、明け方から、ナカナカトブ村の祠の守りにスチバが付かれるようです。


ですから、今、直ぐ、ナカナカトブ村の祠にワームホールを繋いで下されば、サブアウ様が管理されておられるアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗み出しす事が出来そうなのですが……


ワームホールを繋いでは頂けないでしょうか。」


私は、タカシュンレイ家の領地の領都を攻撃しておられるニンムシュ様に、通信機器を使い、緊急の報告を入れる。



『そうですか。

ならば、私が盗みに行きます。


理由は、私が、今、私が居る、タカシュンレイ領の領都は、霊道がパンクしている事が原因で、場が乱れ、ワーム ホールを繋げても【空の目】を使った鑑定では確認が取れないからです。


サブアウ様が管理しているアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗み出したら、タカシュンレイ領の領都に戻り、

そこから貴女の居る、我々の祠(ミンボン山脈の樹海の大湖の中心にある小島)に移動し、

盗み出したアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納します。



アタルハナ。貴女には暫くの間、そこに居て貰います。


奉納したアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗まれないようにお願いしますね。』


「畏まりました。」


私はニンムシュ様に短い返答を返す。



ニンムシュが自ら盗人のような事をされると仰られるとは思ってもみなかったが……確かに、その方が都合が良い。



『他に共有すべき事はありますか?』


「1つ、あります。


【虹を産んだ者達】が、今のところ手出しは控えるべきだが、注意も必要だと思われる。と申されていた、ヤドカリ商会と名乗る、野良アサグと野良妖人。アマトティ様の欠片から生まれた妖精の集団が、

シヨが、サブアウ様から調査を命じられた立ち入り制限林道の最北端の関所を通り抜けて南下を始めました。


ギルドに放っている複数の間者(スパイ)達に聞き取りをしたところ、

彼女達が立ち入り制限林道を南下している理由は、

【森の瘴気の呪い風邪草】の呪いによる風邪が猛威を振るっているアマズトモエ連邦の村々に最速で入り、治療を施す。という依頼をギルドから受けたかららしいです。


取り急ぎ、彼女達が依頼にかこつけて、ナカナカトブ村にある、サブアウ様が管理されておられるアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が奉納されている祠を目指すのか、

ギルドから受注したアマズトモエ連邦の村々で蔓延している【森の瘴気の呪い風邪草】の呪いによる風邪を治療する為に寄り道をせずにアマズトモエ連邦の村々を目指すのか、

【空の目】を使い、その動向を追い続けます。」


『了解しました。

宜しくお願いしますね。』


ニンムシュ様が、短い返答を返してくださる。



『では。

私は、サブアウが管理している、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗みに行ってきます。』


「畏まりました。

ご無事を祈っております。」


『有り難う。』


時刻は1時。

ニンムシュ様は、そう仰られると、私との通信を切られた。



■■■



【パァァァァ】



時刻は2時。


眩い光が辺りを照らす。



「お待たせしました。

サブアウが管理している、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を手に入れましたよ。」


眩い光を放っているワームホールの中からニンムシュ様の声が聞こえる。



「ご苦労様です。」


「有り難うございます。」


ニンムシュ様が、私に返答を返されながらワームホームの中から、そのお姿を現される。



「奉納。宜しく頼みますよ。」


ニンムシュ様が、そう仰られると、

ほんの少し前まで、サブアウ様が管理されておられた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を私に手渡そうとされる。



「畏まりました。」


私は、そう言いながら、ほんの少し前まで、サブアウ様が管理されておられた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を恭しい態度で受け取った。



「そろそろ、タカシュンレイ家の領都の虐殺も終わった頃でしょうし、

私は、後始末の為に戻ります。」


「畏まりました。

ご武運を祈っております。」


「有り難う。」


ニンムシュ様が、そう仰られると、ワームホールの中に入られる。



■■■



「ふう。終わった。」


私は思わず独り言を呟く。



時刻は3時。


サブアウ様が管理されておられた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を、我々の祠(ミンボン山脈の樹海の大湖の中心にある小島)の中に奉納する事が出来た。



キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊も、ギルドの調査団も、朝一のミーティングを除いて、基本、不干渉を貫いている事もあって、奉納の作業に集中する事が出来たのは有難い話だった。



本来であれば、ここで爆睡。といきたいところだが……

見張りの手を緩める訳にはいかないので、半球睡眠を取りながら、見張りと休息を両立させるしかないのが悲しいところだ。



『作業を終えました。』


私は通信機器を使って、ニンムシュ様に短いメールを飛ばす。



メールの良いところは、伝えたい相手(ニンムシュ)が好きなタイミングで私の報告を読める事。

悪いところは通信の内容を意図していない相手に盗み見される事だ。


なので、私は、メールを使う時は、

伝えたい相手(ニンムシュ)にしか分からないような内容しか打ち込まない事にしている。



ーーーーーーー



「サブアウ様。

これって……緊急事態ですよ。」


「分かってる。」


俺はスチバに短い返答を返す。



時刻は6時。


ナカナカトブ村の祠にワームホールを繋ぎ、スチバをアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納した祠に届けたまでは予定通りだったが……


肝心の勾玉が見当たらない。



ヴィアバにシオスの港町の調査を、

シヨに立ち入り制限林道の霊道のパンクの調査を命じて、ワームホールを繋ぎ、目的地に送り届ける時に確認した時には確かに有った勾玉が無くなっていた。



「シヨと2人で、ヤドカリ商会の連中を目視で鑑定した結果、

アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を持って無かった。


つまり、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を、ヤドカリ商会と行動を共にしているアマトティ様の欠片から生まれ落ちた妖精のムンナに、

ニンムシュがアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奪われた。という疑惑は晴れた。



もう一度、お前と、ヤドカリ商会の連中を目視で鑑定し、彼女達がアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を持って無かったとしたら……


我々が管理するアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗んだ犯人捜しが難航するだろうな……」


サブアウ様が溜息をつかれながら話される。



「妖精ムンナが、ニンムシュが管理する祠から盗み出したアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を、ヤドカリ商会以外の者に託した。という可能性は無い。とお考えですか?」


「アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉は、各6個。全部で12個ある。


もし、妖精ムンナがアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗み出す技術スキルを持っている事を知り、尚且つ、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を欲している者が居た場合、


そいつ達が、わざわざ、ポッと出の野良アサグと野良妖人の集まりであるヤドカリ商会に妖精ムンナの身柄を託す理由が見当たらない。」


サブアウ様が、俺の疑念を理路整然と否定される。



「勿論、お前の考えてる可能性が全く無いとは言い切れないし、


異能の能力が分からない、2人の変異点のアサグの内のどちらかが、妖精ムンナが、ニンムシュが管理する祠から盗み出したアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を持っているのにも関わらず、

鑑定の魔術で、その事を看過する事が出来なくするような能力を持っている可能性も否定する事は出来ない。



ただ、【虹を産んだ者達】が、わざわざ、今のところ手出しは控えるべきだが、注意も必要だと思われる。と言ってきている事や、

ネギハタ高原国のセキブンリ村の村長の嫁の薬師のオヤクが開発したという【バッタ偽装魔虫花】から作られた【森の瘴気の呪い風邪草】の呪いによる風邪を治療する特効薬の治験医として注目を集めている状況で、

正当な理由もなく、彼女達に手を出すのは得策ではない。


何故なら、【虹を産んだ者達】が、自分達の警告を無視して、何故、我々が彼女達に手を出したのか?と疑問に思い、本格的に調べられでもしたら……


我々が何者かによって、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗まれた事が明るみになるかもしれないからだ。」


サブアウ様は、更に、現時点でヤドカリ商会の連中に接触し過ぎた場合のリスクも話される。



「畏まりました。」


俺は、サブアウ様に短い返答を返した。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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