【サイドストーリー】滅びへの第一歩(後編)
『アタルハナ。
忙しいところごめんなさい。
少しだけ話をさせて貰います。
タカシュンレイ・ナキコクが、
「不適切な発言をした我が娘に関しては、
ネギハタ高原国から我が娘を引き渡して貰い次第、幽閉する。
その上で、今回は、具体的な被害が出ていない為、我が娘の失言に対する賠償金は払わないが、
モンスター氾濫が起こったキトナガエ帝国の西部や、街道の途中で崖崩れが起こったギルドのテチス山脈支店等へは、幾ばくかの見舞金を送らせて貰う。
それと…… 無知な少女の戯れ言を真に受けるような発言をする、ネギタハ高原国や、その発言に対して大真面目に返答をするオビ家やギルドのテチス山脈支店に対して、理性的な判断を求める。」
という声明を出されました。
そして、この声明に対して、ギルド本部は、
「女性の発言を軽くみるという、女性蔑視な発言を堂々とする、タカシュンレイ家とは、
『性別・年齢・種族・身分を問わず、 平等に権利を与え、平等に責任を求める。』
という理念を掲げる我々(ギルド)とは共存が出来ない事が分かった。」
という声明と共に、
「タカシュンレイ家の領内にある、全ての支店・営業所・出張所を引き上げる。事を宣言する。
また、タカシュンレイ家と共に、カクコシ連合国の盟主であるバクワタ家・アタラアミ家が、この決定に異を唱えるのであれば、
カクコシ連合国の領内にある、全ての支店・営業所・出張所を引きげる。」
という声明も出されました。』
ニンムシュ様は、そう仰られると間を置かれた。
私の意見が聞きたいのだろうか。それとも……
私に状況を整理する為の時間を与えて下さっておられるのだろうか。
◇◇◇
『私は、タカシュンレイ・コンファンの問題発言に対するタカシュンレイ家の対応は、
この地域を統べる自分が、女である事が気に食わない、タカシュンレイ家が、自分の名声を地に落とそうと考えた結果であると断定し、
この地域の盟主であるキトナガエ帝国と共にタカシュンレイ家へ報復するという宣言を出すつもりです。
更に、バクワタ家・アタラアミ家が、この決定に異を唱えるのであれば、カクコシ連合国に対して報復をする。という声明を出すつもりです。
キトナガエ帝国の皇帝からは了承を得ただけでなく、
私がタカシュンレイ家の領都の近くにワームホールを繋げれば、直ぐにタカシュンレ家を討伐し、彼等の財産を没収する事が出来るよう、
キトナガエ帝国軍の帝都軍。東部方面軍。及び、キトナガエ帝国の東部・北東部・南東部の貴族達に軍を集めるように指示を出して頂いております。
また、バクワタ家・アタラアミ家の当主達からは、私が声明を出し次第、国境沿いの町や村から襲撃を開始し、
略奪した物に関しては、全て、私に献上するという連絡を、私の通信機器に送ってくれております。
因みに、私が、このような措置を取ろうと思うのは、タカシュンレイ家から奪った金銀財宝を、
モンスター氾濫のせいで出るであろう被害の復興の為の資金や、モンスター氾濫を鎮める為に使用する武器や弾薬。雇った冒険者達への報酬のお支払い等に使用したいと考えております。
アタルハナは、この私の決定を……どのように思いますか?』
「そうですね……
後々の事を考えると、シオスの港町だけは、破壊せずに残しておくように調整するべきでしょうね。
それと……タカシュンレイ家の領地を誰に引き継がせるのかも、お考えになられた方が宜しいかと思います。
順当に考えれば、タカシュンレイ家の領地を引き継ぐのは、ベシアセ連邦に匿われているバツカツになるのでしょうが……
それ以外の者を立てられた方が良いと思いますよ。」
『そうね。
シスオの港町には手を出さないように調整します。
でっ。アタルハナ。
貴女は、タカシュンレイ家の領地を引き継ぐ者は誰が良いと思います。』
「バツカツ以上に正当性がある者は思いつきませんね……」
私はニンムシュ様のご質問に素直に答える。
『そうですよね……
バツカツにタカシュンレイ家の領地を引き継がせなくても良くなるような理由をバクワタ家・アタラアミ家の当主達にも問うてみますわ。
アタルハナ。
貴女も忙しい身ではあるとは思いますが……
貴女に与えた仕事に悪影響が出ない程度で良いですから、考えてみてはくれませんか?』
「畏まりました。」
『有り難う。ではまた。』
ニンムシュ様は、そう仰られると私との通信を切られた。
ーーーーーー
「ユゲミズがハッキングしてくれた、
ニンムシュと、キトナガエ皇帝や、バクワタ家・アタラアミ家の当主達の通信機器を使ったやり取りを見る限りでは、
ニンムシュは、シオスの港町を除くタカシュンレイ家の領地を蹂躙し、そこで得た戦利品をキトナガエ帝国の西部の復興費用に充てるらしい。
また、ベシアセ連邦に匿われているバツカツ公爵にタカシュンレイ家を継がしたくは無いが、彼女以上の適任者も見つかっていないようだ。」
リクルルさんが、そう言いながら僕達を見る。
ここ(拝金騎士団の本部の作戦指令室)に居るのは、
オイラ(ユゲミズ)、リクルルさん。クイメガさん。イディさん。グルアさん。という何時ものメンバーだ。
「でっ。アタシ達は、どうするんだい?」
イディさんが興味津々な顔でリクルルさんに質問をする。
「グルア。
ベシアセ連邦の族長と話が付き次第、ユゲミズとクイメガとイディを連れて、バツカク公爵の元にワームホールを作ってくれ、
そして、彼女と合流次第、シスオの港町にワームホールを繋いでくれ。
クイメガとイディは、バツカク公爵と、そのままシスオの港町に残り、
ニンムシュが行動を開始次第、シスオの港町に居る俺達の協力者達とクーデターを起こし、シスオの港町にバツカク公国を立ち上げてくれ。
それと、グルアには、バツカク公国が立ち上がり次第、バツカク公国の治安維持部隊として、拝金騎士団の第2旅団を送り込んで貰う。」
「了解。」×4
オイラ達はリクルルさんの指示に頷く。
「それと……グルア。
ユゲミズを副管として預けるので、
バクワタ家・アタラアミ家の領地を蹂躙するベシアセ連邦軍。及び 拝金騎士団の第3・第4旅団をワームホールを使ってサポートしてやってくれ。
最低ノルマはバクワタ家・アタラアミ家の領内から、貿易港を失くす事だ。
そうすれば……あの地域でのバツカク公国の価値が暴上がりし、ニンムシュも下手に手を出せなくなる筈だ。」
リクルルさんは、そう言うとニヤリと笑う。
「了解。
ユゲミズ。サポート宜しく。」
「任せて。」
オイラはグルアさんに返答を返す。
「俺は、これから、ベシアセ連邦の族長達との会議に入る。
でっ。その後、ギルド本部のリンゴトマドとの打ち合わせをする。
俺の仕事が一段落すれば、お前達は暫く休めなくなる。
だから……俺の仕事が終わるまでは、この城から出るな。という制限はつけさせて貰うが、束の間の休暇を与えてやる。」
リクルルさんが、ドヤ顔で話す。
「数時間の自由時間を休暇とは言い過ぎでは?」
イディさんが、そんなリクルルさんをジト目で見ている。
「イディ。
俺と貴女は、暫くの間、バツカク公国の予定地でのお泊まりとなります。
リクルルさんへの抗議の前に荷造りをするべきかと思いますよ。」
「確かに。」
クイメガさんの話を聞いたイディさんがタメ息をつきながら返答を返していた。
評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。
頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。
宜しくお願いします。




