表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第2章】モンスター氾濫と紛争
67/82

モンスター氾濫②

【空の目】の映像を見ていると、

僕達が最初に転移した、あの森(ミンボン山脈の樹海)の周辺を複数の場所を見張っていたという、

キトナガエ帝国の西都軍の人達とギルドのキトナガエ帝国 西都 営業所の冒険者達の乗るクアッドやピックアップトラックトが、一目散に東の方角へ逃げている。


そして、あの森(ミンボン山脈の樹海)から20キロ位、離れた場所にある複数の砦から、続々と出てくるクアッドやトラック。ピックアップ トラックも一斉に東の方角へ移動し始めた。



時刻は5時。


モンスター氾濫の一報をレイヒちゃんから聞いてから一時間ぐらいが経過している。



様々なモンスターが集まった複数の群れは、

草食動物のような姿をしたモンスター達を先頭に、

あの森(ミンボン山脈の樹海)から20キロ位、離れた場所にある複数の砦の何処か1つに向かって一直線に進んでいるように見える。



「まるで示し合わせたかのように複数の砦を手分けして、一気に攻め落とそうとしているように見えるね。」


「確かに。」


僕の感想に嫁が頷く。



「モンスター達は餓えているにゃ。

そして、人間が巣に餌を溜め込んでいる事や、

沢山の人間が巣の中でひしめき合って暮らしている事も知っているにゃ。

にゃから、腹を満たす為に、近くの巣を目指しているだけにゃよ。」


シャーコがタメ息を付きながら話す。



『砦の人達まで戦わはらずに逃げ出してはるやん。


このままやと……

町や村もモンスターの群れに襲わはるんちゃう?


ホンマ、大丈夫なんか……』


レイヒちゃんの困惑するような声が携帯電話から聞こえてくる。



◇◇◇



「砦に腐肉も喰らう、熊系や狼系。犬系やハイエナ系。ハゲワシ系などのモンスター達が砦に吸い寄せられておる。


砦は放棄したのではなく、多分、砦内に大量の腐肉をばら撒き、腐肉も喰らうモンスター達を集める事で、

モンスターの群れを分断したのじゃろう。


ここまでは、平原の地で起こったモンスター氾濫への模範解答のような対応じゃな。」


バンクベッドからムンナちゃんの声が聞こえてくる。


どうやら起きたようだ。



『ここまでは。ちゅう事は、他にも定石的なんがありはるん?』


「そうじゃのう……


身体強化魔法で持久力を底上げしておるようじゃが、

狩りのスタイルが待ち伏せに特化した猫系のモンスターは、キトナガエ帝国の西都や、周辺の村々に着く前に、草食系のモンスター達が牽引する群れから脱落する筈じゃ。


じゃから、そのタイミングで餌となる新鮮な肉をミンボン山脈の樹海の方向に向かって置いてゆき、

餌に釣られて、自然な形でミンボン山脈の樹海の方に戻ろうとするように仕向けるのじゃ。



そうすれば、砦で腐肉を喰らい損ねた熊系や狼系。犬系やハイエナ系。ハゲワシ系などのモンスター達もやって来るじゃろうから……


餌を取り合って潰し合い、勝手に数を減らしてくれる筈じゃ。



でっ。モンスター達の数が、ある程度の数まで減れば、

空を飛べるハゲワシ系のモンスターは無理じゃろうが、そこに居る、それ以外のモンスター達を武力をもってミンボン山脈の樹海の方へ追っ立てる。



これが、猫系。熊系。狼系。犬系。ハイエナ系などのモンスターへの対策の定石じゃな。」


ムンナちゃんは、一旦、話を止める。


誰も何も言わないのを確認し、ムンナちゃんは、再び、話し始めた。



◇◇◇



「馬系や牛系。鹿系などといった大型の草食系のモンスターは、ある程度、間引きをすれば、興奮状態が収まり、元の縄張りに帰る習性がある。


そこを利用し、猫系モンスターなど危険なモンスターが離脱した後、群れの後方へ遠距離攻撃を仕掛ける。


理由は、興奮状態の大型の草食系のモンスターは前にしか意識が無いからじゃ。



因みに町や村に到達した大型の草食系モンスターへの対策は町や村での籠城じゃな。


町は街壁を越えて侵入されないように、

村は堀や柵を利用し、村の中に入られないように最善を尽くしながら援軍の到着を待つ。


そして援軍に来た者は、大型の草食系モンスターの興奮が収まるまで、根気良く、遠距離攻撃を繰り返して間引くのが定石じゃ。」



ムンナちゃんは、一旦、話を止める。


誰も何も言わないのを確認し、ムンナちゃんは、再び、話し始めた。



◇◇◇



「厄介なのは、人肉を好み、持久力もある肉食系のモンスターのアース ドラゴンなどといった地を這うドラゴン系のモンスターや、

猫系や熊系や狼系。犬系やハイエナ系。ハゲワシ系などのモンスターなどを恐れて、草食系のモンスターの群れから離れないであろう雑食の猿系モンスターやリス系モンスター。

それと……ウサギ系などの小型の草食系モンスターじゃ。


此奴達は、大型の草食系のモンスターと違うて、街壁や堀・柵のなどをよじ登ったり、隙間から町や村への侵入を試みるからじゃ。



因みに、非戦闘員。特に子供達にとっては、興奮して殺気だっておる小型の雑食系や草食系のモンスターの戦闘力も恐ろしい存在じゃ。


何故ならば、一匹ならばまだしも、数匹でかかられでもしたら……殺されかねんからじゃ。



以上が、

一般的にモンスター氾濫での定石や、特に注意すべき点じゃと言われておる事柄じゃな。」


ムンナちゃんが、そう言って、話をしめた。



◇◇◇



『レイヒ。

モンスター氾濫の様子は録画してくれてるのか?』


『してるけど……

どないしはったんや?』


ナシアタ君の質問にレイヒちゃんが答える。



『今後、何処かでモンスター氾濫に巻き込まれる可能性が無いとはいえない。


だから、俺の仕事が一段落したら、どんな状況になるのかを見ておこう。って思ってな。』


『了解や。

任しとき。』


ナシアタ君の言葉にレイヒちゃんが短い返答を返す。



「土を操る魔術なんかを使って、小さな凸凹を作ったり、

モンスターの群れの先頭を走ってるモンスターの膝の辺りに結界の魔術を使って、細いバーみたいな結界を張ったりして、


モンスターの群れの先頭を走ってるモンスターを転がして、ドミノ倒しを引き起こして、モンスターの群の数を減らす。なんてのは……定石にはないの?」


「定石通りの対応では、町や村が確実に破壊される。と判断した場合は、エンクルの言ったような対応を取る場合もある。


じゃが……その対応をした場合、多くのモンスターの死骸がグチャグチャになり、素材として利用する事が出来ぬようになる。



じゃから……


町や村の外で氾濫したモンスターを攻撃して間引きをする兵や冒険者などから、ある程度の犠牲者が出る事を想定しつつも、

町や村が確実に破壊される。と判断されぬ限り、基本、妾が言った定石通りの対応を取るのじゃ。」


ムンナちゃんが僕の質問に答えてくれる。



「成る程ね。


最低ラインは町や村を守る。


でっ。ベストなのは、

それと平行して猫系や熊系や狼系。犬系やハイエナ系を除いたモンスターの死骸から得られる素材の確保。


っていう事なんだね。」


「そうじゃ。


モンスター氾濫への対策には、莫大な金額の金がかかるからのう。


じゃから、狩ったモンスターの素材で、少しでも補てんしたい。っていう事じゃ。」


ムンナちゃんが、僕の見解に頷く。



「結局のところ、お金の話になるのね……」


嫁が苦笑いしながら呟く。



『ホンマ、世知辛い話やわ。


せやけど、まぁ……

ウチがモンスター氾濫に対応しはった冒険者の1人で、姉さんや兄さんと行動を共にしてへんかった場合……

『今回の件への報酬(かね)はイラン。』なんて、死んでも言えへんやろしなぁ……』


レイヒちゃんの話す言葉が携帯電話から聞こえてくる。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ