目的地等の再選定(仮) / モンスター氾濫①
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時刻は22時。
外は相変わらずの吹雪だ。
「ところで……
アマズトモエ連邦の森の瘴気の呪い風邪草に関する仕事をした後は、どんな感じで動く予定なの?」
『アマズトモエ連邦の最東端にあるビンサイワタの町から、陸路になるか海路になるかは、まだ、分からへんけど、
兎に角、ビンサイワタの町から、バクダブ連邦のドンロイの町に向かう。
でっ。バクダブ連邦のドンロイの町を起点とし、
そこから西の方角にありはる、ギルドのトゥオルス支部のソラセン山脈支店の管轄地、バソト連邦の南東部の山岳地帯を結ぶ【薬師街道】と呼ばれてはる街道を踏破する予定や。
そこで、様々な薬を買い込んで、ウチ達の表の設定が自然な形になりはるように強化するんや。』
嫁の質問にレイヒちゃんが弾んだ声で答える。
『様々な薬を買い込んで。って……金は……あるか。』
『ウチ達は姉さんの異能のお陰で、金を殆ど使わずに生活が出来る。
しかも、回し車の特許権で得られる金を担保にギルドから、それなりの額の金を借金する事も出来るらしいんや。』
ナシアタ君の話を聞いたレイヒちゃんが、得意気な声で話す。
「なんやかんやで、表の設定に関しては良い感じになってきたわね。
後は……ギルドのトゥオルス支部の管轄を仕切ってる神仏の代理人が管理しているという、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納してある祠が見つければ言う事なしね。」
『せやな。
他の場所のも含めて【空の目】での調査では見つけられてへん。
たとえ見つけたとしても、自然な形で急行するんは難しいかもしやんけど……
早やいとこ見つけときたいよな。』
嫁の言葉にレイヒちゃんが頷いている。
■■■
「グゥゥゥ。グゥゥゥ。グゥゥゥゥ。」
時刻は23時。
嫁が寝息を立て始めた。
ウミシシさん達がネギハタ高原国の名誉平民の称号をくれたのは有難い事だ。
これで、ギルドのテチス山脈支店でギルドの登録者になれば、僕達が、この世界を巡る旅をしても、身元不明の流浪の集団ではなくなるからだ。
そして、ケイゴロウさん達や、ネギハタ高原国 開発局と、合同で回し車の特許を申請する事が出来た事もツイていた。
僕達の事を深く調べない限り、
僕達の経歴を見たら、僕達がネギハタ高原国人だと、勝手に思い込んでくれる筈だ。
僕達が異世界から来た人間だという事だけなく、僕達が野良アサグと野良妖人の集団だ。とニンムシュ達にバレるのは避けたいところだ。
何故なら、彼女達は、僕達の目的を知らずとも、自分達の既得権益を脅かしかねない危険な存在だとして排除しようとしてきたら厄介だからだ。
まぁ……まだ、一部の場所とはいえ、
遠くの場所に瞬時に移動する事が出来る異能を持っているムンナちゃんと、
長期間の引きこもり生活を可能にする異能を持っている嫁が居れば、人里離れた山や森の奥深くに複数の拠点を設けて、隠れ続ける事は出来なくは無い気もする。
それを可能にする為。という意味でも、
僕達が見つけられていないアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納してある祠を探す為に、この世界のあちこちを当てもなく放浪する事にも意味はあるだろうな。
それと……ネギハタ高原国を管轄するギルドのネギハタ高原国支店が、ギルドへの登録者は、原則、訓練所で訓練を受ける必要がある。という独自ルールを設けている関係で、
諸事情により、訓練所での訓練を受けずに、直ぐに仕事を始めたいネギハタ高原国人は、敢えて、ギルドのネギハタ高原国支店の管轄外のギルドの支店や営業所。出張所などで新規登録をするらしいからだ。
そのお陰で、僕達が、ギルドのネギハタ高原国支店の管轄外となるギルドのテチス山脈支店のオワトブ村営業所、新規登録者としてギルドに登録しても不自然ではないからだ。
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吹雪は激しさを増してきた気がする。
このまま吹雪が激しくなれば……
行軍はストップするかもしれないな。
そんな状況で、キャンピングカーを運転してくれているナシアタ君や、
彼をサポートしてくれているレイヒちゃんやシャーコには申し訳が……行軍は彼等に任せた仕事であり、不測の事態が発生でもしない限り、僕の出番はない。
だから、嫁を見習って、寝れる時に寝ておこう。
明日も、それなりにやる事は出てくるだろうからね。
■■■
「パパ。起きて。」
「もう朝?って……外……暗くない?
トラブルが発生したの?」
嫁に起こされた僕は、キャンピングカーの窓の外を確認しながら質問をする。
「レイヒちゃんが、ギルドのネギハタ高原国 支店からキマベク村の出張所宛の通信を傍受してくれた事で分かったんだけど……
キトナガエ帝国の西部でモンスター氾濫が発生したみたいよ。」
嫁が淡々とした口調で僕の質問に答えてくれる。
『兄さんも起きはったか。
ウチ達が最初に転移した、あの森(ミンボン山脈の樹海)の周辺を複数の場所を、
複数のキトナガエ帝国の西都軍の人達とギルドのキトナガエ帝国 西都 営業所の冒険者達の混成部隊で見張ってはったらしいんやけど……
その複数の混成部隊が一斉にモンスター氾濫が起きた。ちゅう合図を出しはったらしいんや。』
レイヒちゃんが詳細な情報をくれる。
「僕達の進路上や、キマベク村への影響はありそう?」
『キマベク村の方は、
ギルドのネギハタ高原国支店からキマベク村のギルドの出張所へ宛てた連絡内容から察するに悪影響はなさそうやな。
ウチ達の進路上も多分、問題あらへんとは思うけど……
ゼンゾウさん達が、どう判断しはるかは正直、分からへん。
せやけど、オワトブ村行きが中止になる事はあらへんと思うよ。』
レイヒちゃんが僕の質問に答えてくれる。
言われてみれば、
オワトブ村行きが中止になる事はないだろうし、
オワトブ村までのルートはゼンゾウさん達にお任せだから、深く考えても無駄だな。
そして、今のところ。という枕言葉が付くとはいえ、キマベク村の方は大丈夫そう。ってのは朗報だ。
キマベク村が回し車を作れば作るほど、僕達は儲けさせて貰える。
棚ぼただったとはいえ、掴んだビジネスチャンスが、そうそうに失くなるのは精神的にくるものがあるからね。
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