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採点と雑談①

「思ってたよりも、かなりバレバレだったみたいですね……」


ナシアタ君が苦笑いしながら話す。



「バカ猫のせいでね。」


「せやな。」・「じゃな。」


嫁の言葉にレイヒちゃんとワンゾウが頷いている。



「にゃにを言うか!

みにゃ、同罪にゃ!連帯責任にゃ!」


シャーコは異を唱えてはいるが……

自分のせいでもある事は自覚しているようだ。



僕達が、違法に召喚された場所(ミンボン山脈の樹海)からネギハタ高原国の砦に着くまでの思い出話と、

この世界を管理している管理費の一人であるプスアー様の魂の欠片から生まれた妖精のユゲミズ君の知っている内容とを擦り合わせした結果、


ここまでは、お世辞にもプロのモブだ。と胸を張れるような内容ではない事が分かった。



どれだけ採点を甘くしても、

この世界を管理するもう一人の管理者であるアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納している祠から勾玉を盗んだ事がバレていなかったムンナちゃんだけが、

プロのモブとして、及第点を貰えそうだ。といったところだろうか。



「この世界に居る時は、

タカシュンレイ家の領地があった場所には足を向けて寝れないね。」


「兄さん……急にどないしたんや?」


レイヒちゃんが不思議そうな顔で僕を見てくる。



「タカシュンレイ・コンファンの失言から始まった騒動の影響で、

ニンムシュが管理していた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納している祠がある小島へ立ち入った者を探す調査にギルド本部が介入する事が出来た事で、

勾玉が盗まれた事をギルド本部に知られたくなかったニンムシュは、勾玉を盗んだ犯人を探す事が出来なくなり、

その結果、ムンナちゃんが勾玉を盗んだ事が誰にもバレなかったからね。


他にも、キトナガエ帝国の西部のモンスター氾濫やら、ネギハタ高原国のゴタゴタなども重なって……

ギルド本部だけでなく、【拝金騎士団】も、僕達に構ってられなくなったのもツイてたね。


それらのお陰で、僕達は、

【拝金騎士団】やギルド本部だけでなく、大罪人達や裏切り者達からもノーマークになれたんだと思うんだよね。」



「言われてみれば、そんな気がしてきたわ。


それに……

たとえ、ウチ達が裏切り者達や大罪人達からマークされてへんかったとしても、

タカシュンレイ・コンファンの失言から始まりはった騒動がなかったら、

ナカナカトブ村にありはった、神仏の代理人の1人。サブアウが管理してはったアマトティ様とプスアー様の欠片を封印しはった勾玉を奉納してはる祠に、サブアウの3忠臣のスチバ。ヴィアバ。シヨの内の誰かが、居座り続けてはった可能性もあるもんな。


でっ。もし、そうなってはったら……

ウチ達のステルス作戦が成功しやんかったかもしやんな。」



「それで済めば良いがのう……


サブアウが管理しておった、アマトティとプスアーの欠片を封印した勾玉を奉納している祠の情報が【空の目】で筒抜けになる事態となったのじゃ。


ニンムシュが管理しておった、アマトティとプスアーの欠片を封印した勾玉を奉納している祠から勾玉を盗まれた事を【虹を産んだ者達】や、ニンムシュを除く神仏の代理人達が知っておれば、

ニンムシュを除く、全ての神仏の代理人達が管理するアマトティとプスアーの欠片を封印した勾玉を奉納しておった祠の警備が厳重になっておった可能性は極めて高かった。


そう考えたら、エンクルの言う通り、

妾達はタカシュンレイ・コンファンに深く感謝しないといけぬのかもしれないのう……」


レイヒちゃんとムンナちゃんが、僕の見解に同意してくれる。



「てっ事は……

タカシュンレイ・コンファンは、ナブサモと妾の次に、この世界を開くのに貢献した者なのやもしれぬのう……」


「いやいやいや。


ネギハタ高原国のグンヨ殿下やチョカ家や、その傘下の間抜け達や、彼女達を見限ったマキジコ家が次点でしょ。


あの騒動のお陰で、商人として知る人ぞ知る存在となっていかれた皆様と、ネギハタ高原国のグンフ殿下の調査団との出会いの話が霞んでしまったのですから。


その出会いがもたらしたえんから生まれた共同事業のお陰で、

皆様が、裏切り者や大罪人から、生粋のネギハタ高原国人だと誤認されていたようですからね。」


ムンナちゃんの言葉にユゲミズ君が異を唱える。



「そうかのぅ……

皆、空気を読んで、敢えて、触れてはおらぬようじゃが……

ぶっちゃけ、色々な事が重なって、追い詰められたニンムシュが……」



「ストップ。


様々な要因があったとしても、結局のところ、この世界が開いたのは、ヤドカリ商会の力。


これは、上の方々を含めた確定事項なのですからね。


イラン事を言わないでくださいませ。」


アマトティ様が、プスアー様をジト目で見ながら苦言を呈す。



◇◇◇



「それはそうと、

【虹を産んだ者達】が、この世界が閉じていた時点で、他世界(パラレル ワールド)へ転移した方法も気になるけど……


それ以上に、気になるのは、

何故、彼等は、この世界が開いた世界になる直後に、他世界(パラレル ワールド)へ転移する事が出来たのか?って事だね。」


「言われて見れば、実に不思議な話ですよね……


【拝金騎士団】には、彼等や神仏の代理人達を潰せるような権力も武力も無かったですし、

ギルド本部も、ギルド全体を動かして、彼等や裏切り者達と事を構える予定は無かったですからね……


この世界が開く事を知ってでもいなければ、あのタイミングで、他世界(パラレル ワールド)へ逃げる方法を考えて、実践する事など出来ませんよね……」


僕の疑問にユゲミズ君が同意してくれる。



「せやな。

もし、【虹を産んだ者達】が、ウチ達の存在に気がついてはったとしたら、

なんで【虹を産んだ者達】は、ウチ達のステルス作戦を止めへんかったんか?って疑問が生まれるよな。」



「レイヒの疑問も含めて、

他世界(パラレル ワールド)を管理している管理者や神仏の代理人達にも共有させて頂きますわ。」


「確かに、この疑問点は、我等だけで対処するような案件ではないな。」


アマトティ様の言葉にプスアー様が頷いている。



◇◇◇



「まぁ……それは、それとして……

続きを話して貰えますか?」


「せやね。

ウチ達がプロのモブとして成長していく過程をじっくりと話させて貰うわ。」


アマトティ様の言葉にレイヒちゃんが頷く。


「先刻も言ったけどさぁ……

モブへの偽装という意味では……プロではなく、ノンプロぐらいのレベルだと思うけどね……」


「ホンマ、失礼なやっちゃな。

この時点では、プロのモブや無かったかもしやんけど……


その後のウチ達は、間違いなく、レジェンド級のプロのモブやった。ちゅうねん。」


ユゲミズ君の言葉にレイヒちゃんがイラッとした顔をしている。



「止めとけ。レイヒ。

もしかしたらだけど……ユゲミズ君の意見が正しいかもしれないぞ。」


「だね。

わたし達は、今の今まで、この世界での生活を始めた時点から、プロのモブだと思ってたでしょ?」


ナシアタ君と嫁は、

少しだけ?かなり?兎に角……プロのモブとしての自信がなくなってきているみたいだ。



「まぁまぁ。


ここで、僕達の評価が下がってくれれば、

食客として扱って貰える対価として求められる仕事自体を振られ無くなるかもしれない。


だったら、それは、それで、有難い話だと思うけどね。」


「残念ながら、現時点では、プロどころか……

ノンプロのモブを演じれるようなアサグや妖人は居ないと思いますよ。


少なくとも、様々な世界(パラレル ワールド)から集められた最精鋭の特命チームよりも適任だという事もまた、紛れもない事実ですからね。」


僕の話を聞いたユゲミズ君が苦笑いしながら、僕の試験を否定する。



「【虹を産んだ者達】の行方は、まだ、分かってはらへんのやろ?


頭の痛い話やね。



せや。


ウチは、知識の泉へのアクセスは、それなりのもんや。ちゅう自覚はあるけど、

それと同じくくらい深淵部へのアクセスは苦手や。ちゅう自覚もある。


ユゲミズ君は逆なんやろ?


ムンナちゃんも、姉さん達と暮らしはるらしいし……

自分(ユゲミズ)も、ウチの義弟として、ウチ達と行動を共にしやんか?」


「それ良いな。

レイヒの義弟が嫌なら、俺の義弟でも良いですよ。」


そんな僕とユゲミズ君の会話を聞いて危機感を覚えたのか……


レイヒちゃんとナシアタ君がユゲミズ君の勧誘を始めた。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

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