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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
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旅の準備(後編)

「今、居るんが、ここで、

ジハリマの町は、ここや。」


レイヒちゃんが、僕達にノートパソコンの画面が見えるように、机の上に置かれたノートパソコンを180度ズラすと、

ノートパソコンの画面に出ている地図を指で指しながら現在位置と目的地の場所を教えてくれた。



「移動距離は500キロぐらいになりそうや。   

因みに、500キロの移動は、東京~大阪。もしくは東京~岩手県ぐらいの距離や。」


「昔の人は東京~京都まで徒歩で53日かけて歩いたらしい。


勿論、道の関係や体力の関係で、僕達が同じぐらいのスピードで移動する事が出来るかは分からないけれど……


このメンバーじゃなければ詰んでたね。」


「まぁ……今のところパパが一番の役立たずね。

ナシアタ君やレイヒちゃんを見習って頑張ってね。」


「了解。」


僕は嫁の言葉に頷く。



レイヒちゃんは頭脳担当。ナシアタ君は実務担当。そして嫁は休息場所の提供 兼 必要な物資を調達する役割を果たしてくれているもんな。



◇◇◇



「兄さんには道すがら商人の一団に偽装する為の商品を作って貰う。


作るもんはポーション


材料の薬草はウチが鑑定魔法で見つけて、

木箱はウチが風魔法や土魔法を使って木を切ったり、倒したりする。


そんでもって、ポーションを入れるガラス瓶は、

ウチのオカンが調味料とかを、わざわざ詰め替えはってた無駄にオシャレなガラス瓶を再利用させて貰えば問題無い筈や。」


「なら、兄さんの設定に薬剤師的なのを増やした方が良いんじゃねぇか?」


「アホ。


兄さんのポーションの作り方と、

普通の薬師。薬剤師的の人のポーションの作り方は全く違う。


せやから、兄さんがポーションを作ってはるところをウチ達以外に見られるんはマズいんや。


ちゅう訳やから、兄さんがポーションだけやのうて、小さいもんやったら色々と作れはるちゅう事は秘密にしとかんとアカンのや。」


「成るほど。

確かにそうだな。」


レイヒちゃんの話を聞いたナシアタ君が感心した顔で頷く。



◇◇◇



「それはそうと、何故、商品はポーションなの?」


「姉さん。よくぞ聞いてくれはった。


この世界では、ウチ達の世界以上に戦争や紛争が多いらしいんや。


それだけやない。町や村では度々、モンスターや盗賊等の襲撃もあるらしいんや。



それに対して、回復師(ヒーラー)や解術師。薬師などと言わはった、この世界の医療従事者は、需要に対して少ないらしいんや。


でっ。平時はギリギリ、何とかなってはるらしいんやけど……なんかあった場合、回復師(ヒーラー)や解術師。薬師の数が足らへんようになるらしいんや。



せやから、何かあった時は、

普段、町や村の中ではなく、町や村の外で活動をしてはる傭兵団や冒険者や交易商人等に、所属してはる回復師(ヒーラー)や解術師。薬師等を応援に回して欲しい。ちゅうを依頼や、

ポーションを、大至急、購入したいので届けて欲しい。ちゅうを依頼をギルドを通して出しはるらしいんや。



そこから、ウチは考えたんは、

そういう依頼を受け続けながら、徐々に居場所を変え続ければ、

ウチ達が、一カ所に定住しやんくても不自然にならんのやないんやないか。って思ったんや。」


レイヒちゃんが得意気な顔で話す。



◇◇◇



「そう言えば、ナシアタ君の家のキャンピングカーはトイレ付きなの?


後、ガソリン携行缶とかは積んでたりするの?」


「キャンピングカーはトイレ付きです。


後、ガソリン携行缶は、カーゴトレーラーにバイクと一緒に積まれています。


普段は空ですが、今回、ナブサモさんが再現してくれた実家のような場所にあった物な関しては、ガソリンが満タンに入った状態でしたよ。


因みに、ガソリン携行缶の容量は20リットルです。」


ナシアタ君が、僕の質問に答えてくれる。



「だったら、キャンピングカーの給油は、ガソリン携行缶に入ったガソリンで行い、

ナブサモちゃんの【異空間ハウス】を使って、キャンピングカーやカーゴトレーラーを出し入れしない運用の方が良さそうだね。



後、ナブサモちゃんには、【異空間ハウス】の扉をキャンピングカーのトイレの扉に展開して貰いたいかな。


そうすれば、キャンピングカーの中に他人を入れない限り、誰にも知られずに【異空間ハウス】の恩恵に預かれると思う。


勿論、ガソリンが満タンに入った、20リットルのガソリン携行缶も何時でも出せる。って事になるね。



けど、まぁ……本格的に商売を始めたら、

時々は、盗難や紛失対策として、ナシアタ君のご実家の庭にキャンピングカーやカーゴトレーラーを置いていない日を【異空間ハウス】で展開して貰って、

展開した【異空間ハウス】に、キャンピングカーやカーゴトレーラーを停めた状態で展開した【異空間ハウス】を閉じるべきだろうね。


そうする事で、キャンピングカーやカーゴトレーラーに載せていた荷物とかが盗難にあったり、紛失したとしても、

荷物とかが盗難にあったり、紛失する前の状態のキャンピングカーやカーゴトレーラーを【異空間ハウス】を展開して出せば、

荷物が盗難にあったり、紛失したりした事を無かった事にする事が出来るからね。」


「姉さんの異能は、そんな風な使い方も出来はるんやね。


ウチが思ってたよりもチートで便利な異能なんやね。」


僕の話を聞いたレイヒちゃんが、尊敬の眼差しで嫁を見ている。


「わたしも、そう思った。」


嫁がドヤ顔で、レイヒちゃんの言葉に頷いていた。



◇◇◇



「なぁ。


この空間に【異空間ハウス】の外から【異空間ハウス】の扉を壊して、外から人が入って来たりする事は出来はるん?」


「【異空間ハウス】を維持する為に使用しているマナの量を大幅に越える量のマナを【異空間ハウス】の扉に流し込めばバクを起こして【異空間ハウス】の扉が開いてしまうらしいわ。」


「せやったら、暗くなる前にキャンピングカーとカーゴトレーラーを外に出しといて、何時でも移動が出来るように準備だけしとかん?」


「そうね。

その方が良いと思う。」


レイヒちゃんと嫁が話し込み始めた。



「そう言えば、姉さんには、自然界に存在しはる異能・魔法・魔術・呪術などを発現しはる為のエネルギーとなりはるマナを任意の対象に吸収し貯蓄させる術式を付与しはる事が出来はったり、

貯蓄させたマナを使用させはる為の設定条件を追加で付与しはる事も出来はったりする事が出来はる【マナの貯蓄】ちゅう異能も持ってはるよね?


ウチが、キャンピングカーとカーゴトレーラーに、ウチ達と、ウチ達が立ち入りを許可した(もん)しか入られへん結界を張るから、その結界に【マナの貯蓄】を付与して欲しいんや。


それと……【マナの貯蓄】を付与して貰いはって、貯蓄したマナは、常時、結界を維持する為に使用する。ちゅう設定も追加して欲しいな。


そうすれば、キャンピングカーやカーゴトレーラーに載せてる荷物とかの盗難防止になるし、

キャンピングカーの中に押し入って、キャンピングカーの中に展開して貰いはった【異空間ハウス】の扉をぶち破りはるんが、更に難しくなる思うねん。」


レイヒちゃんが自分の考えを構想を語ってくれる。



「了解。


そうそう、レイヒちゃんとナシアタ君にも【マナの貯蓄】で貯蓄したマナを使用する事が出来る権限を付与しとくね。


貯蓄したマナをどう利用するかは、各々の判断に委ねるわ。


お守りだと思って受け取って。」


「有り難う。助かるわ。」

「有り難うございます。」


嫁の言葉を聞いたレイヒちゃんとナシアタ君が頭を下げる。



「それじゃあ、

異世界での第一歩を踏み出すとしますか。」


嫁の言葉に皆が頷いた。

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