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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
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旅の準備(前編)

「俺の実家のような場所から、俺の学生寮のような場所に必要そうな物を運びました。


それと……バツイチになって実家に出戻っている姉貴が冬に職場に行く時に着ているコートとパンツスーツと5枚のワイシャツと靴にバッグになります。」


「有り難う。


取り敢えず、マナの節約の為に、ナシアタ君のご実家のほうの異空間ハウスは、一旦、消しとくね。


忘れ物があったら、ナシアタ君のご実家を異空間ハウスを再現するから遠慮なく言ってね。」


嫁が笑顔で、お礼を言うと、

ナシアタ君のお姉さんが職場に行く時の衣服一式を受け取った。



嫁が、異空間ハウスにレイヒちゃんとナシアタ君を招いてから30分もしないうちに、意気投合した僕達は、

早急に、この場所を離れ、

商人に偽装して、この世界を旅しながら、元の世界に戻る方法を探す事にしたのだ。


そして、商人として怪しまれないように、服装についてレイヒちゃんが調べてくれた結果、

僕達の世界のビジネススーツやブレザータイプの学生服等で代用が可能そうだ。っていう話になったのだが、

専業主婦だった為、ビジネススーツを持っていない嫁の服をどうしようか?っていう話になった時に、

嫁が異能でナシアタ君の実家を模した異空間ハウスを作り、

嫁と背格好が近いという彼のお姉さんが職場に行く時に着ているという衣服一式を持って来て貰う事になったのだ。



◇◇◇



「じゃあ~ん。

サイズはピッタリだったよ。」


ナシアタ君から受け取った服に着替えた嫁が上機嫌で披露してくれる。


「姉さん。

似合ってはるやん。」


「でしょ。でしょ。」


レイヒちゃんの言葉を聞いた嫁が、更に上機嫌になる。


とりあえず、これで準備が1つ整ったな。



「なぁ。

この世界の乗り物って、やっぱ、馬車とかになるのか?」


「残念。


クアッド。って呼ばれてはるバイク型のバギーや、

ピックアップ トラックや小型トラックみたいな感じのが主流らしいよ。


みたいな感じ。ちゅうたんは、

燃料が、ガソリンや電気やのうて、

魔石ちゅう、ウチ達の世界には無いもんをドロドロに溶かした魔石液ちゅうもんやからや。


それと、ピックアップトラックや小型トラックの荷台をキャンピング仕様にしはって、

商品や、狩猟や採取をして得た素材なんかをカーゴトレーラーて呼ばれてはる、車の後ろに接続して引っ張って運ぶ荷台に乗せはる人や、

逆に、ピックアップトラックや小型トラックに、キャンピングトレーラーみたいなんを接続させて引っ張って運びはる人が居はるらしいよ。」


ナシアタ君の質問にレイヒちゃんが、ドヤ顔で答える。


「それで、この世界の車と、俺達の世界の車の運転のやり方とかは同じなのか?」


「ウチの調べた限りでは同じみたいやで。」


ナシアタ君の質問にレイヒちゃんが、ドヤ顔で答える。



元の世界では、ナシアタ君とレイヒちゃんのお兄さんは同じ大学に通う友人らしく、

時々、ナシアタ君がレイヒちゃんの家に遊びに行ったりもしていたらしい。


なので、ナシアタ君とレイヒちゃんは、この世界に召喚される前からの知り合いだったらしく、

レイヒちゃん曰く、人見知りの激しいナシアタ君も、初対面の僕達への態度とは違って、レイヒちゃんと話す時はリラックスして話をしているらしい。



「へ~。そうなんだ。


先刻、俺の実家のような場所に姉貴の服を取りに行った時に確認したんだけど……

庭に置いてあった、キャンピングカーと、バイクを載せる為のカーゴトレーラーがあったんだよ。


使えるかどうは分からねぇが……

一応、俺、牽引免許や大型免許も持ってるしさ、

ダメ元で動かしてみるのはどうだ。……でしょうか?」


ナシアタ君が、そう言いながら、皆の顔をジッと見る。



「とりあえずは、良えんとちゃう。

せやけど、パッと見はいけても、燃料とか中身は違うから、早めに、この世界の乗り物をゲットした方が良え気がするわ。」


ナシアタ君の言葉にレイヒちゃんが反応する。



「ほんじゃ、ナシアタ君のご実家のお庭を【異空間ハウス】として再現し直すね。」


「お願いします。」


嫁の言葉にレイヒちゃんが笑顔で答える。



■■■



「ナシアタ君の実家の庭にあった、キャンピングカーが、ちゃんと動いたんはツイてたわ。


これで、姉さんが商人で、

兄さんが回復師ヒーラー 兼 解術師で、

ウチが護衛の魔術師 兼 秘書で、

ナシアタが護衛の冒険者 兼 運転手。

ちゅう設定に無理がなくなったわ。


後は……皆の武器が欲しいとこやね。」


「とりあえず、

親父とお袋のキャンプ道具の中にあった、剣ナタを武器として持つのはどうだ?」


「ナシアタと兄さんには、

銃とかの飛び道具や、槍とかリーチの長い武器も持っといて欲しいとこやけど……


遠距離攻撃は、魔術師に偽装するウチが一手に引き受けてる。ちゅう設定でも、なんとか体裁は保てるやろね。」


ナシアタ君の言葉にレイヒちゃんが頷く。



「年上なのに、色々と任せっきりで、ごめんね。」


「別に良えよ。


能力的に、ウチが頭脳担当で、ナシアタが実務のメイン担当やからね。


兄さんと姉さんには、実務的な部分でも、ある程度は頑張って貰うつもりやけど……


こういうんは、ウチとナシアタがメインでやらせて貰うわ。」


「レイヒの言う通りです。


とくに俺は、異能とかも持ってないですし、魔術とかもサッパリ分からないです。


なので、出来る事だけでも頑張らせて貰いますよ。」


嫁の言葉に、レイヒちゃんとナシアタ君が、頼りになる返答を返してくれる。



◇◇◇



「でっ。足も確保する事が出来たし、何処に向かう?」


嫁が興味津々な顔で質問をする。



「その前に、この世界の通信機器を接続させたら、カーナビのような事や、Go●gle●ースのような使い方が出来る【空の目】ちゅうのを、

ウチ達の携帯電話やPC。タブレットとかに接続させて貰いたいんやけど……


皆の携帯電話とかを弄らして貰っても良えやろか?」


「良いわよ。」


嫁がレイヒちゃんの質問に即答する。


「僕も良いよ。」・「俺もだ。」



「ほな。


【空の目】を皆の携帯電話に接続してから、ウチの案を話すわ。


因みに【空の目】の存在を知ってはるんは、この世界を仕切ってはる神仏の代理人。ちゅう奴等ぐらいだけらしい。


せやから、これから、この世界の住人と絡む事があるやろうけど……

【空の目】については、この世界の住人の前では話したらアカンよ。」


「了解。」×3


僕達は、レイヒちゃんの指示に頷いた。



■■■



「出来たで。

このアプリを開いて貰ったら【空の目】の映像が見えるよ。」


10分ぐらい、ノートパソコンと格闘としていたレイヒちゃんが、ドヤ顔で話すと、僕達に携帯電話を返してくれた。



「ウチに、この異能をくれはった謎の声の主が言わはるには、

ウチ達の世界から、この世界へ違法な招喚を行いはったちゅう神仏の代理人は、

ウチ達を、自分の立場を脅かしかねない存在と考えはってるらしいや。


せやから、自分の居はる場所に召喚した直後に、

ウチ達を、モンスターをはじめとした危険な生物達や、危険な悪霊達が跋扈しはる、この場所(ミンボン山脈の樹海の中心部)に転送しはったらしいんや。


せやから、まず、この辺りで、ウチ達を召喚しはったちゅう神仏の代理人の影響力が少ない場所を目指すんがベストやと思う。



更に、この世界のあちこちを巡りながら元の世界に戻る方法を探すとなると……


この世界には、マンガとかラノベとかに出てきはるギド。ちゅう組織があるらしいんやけど、

ウチとしては、そのギルドに登録するんがベストやと思うんや。



ギルドは、マンガやラノベとかのように、ある程度とはいえ国から独立した権限をもってはる世界規模の組織らしいんや。


ほとんどの場所では登録した時点ではFランクと呼ばれる見習いという立場からのスタートになりはるらしいんやけど……

いくつかの場所では、登録した時点からEランクと呼ばれる、普通の登録者の底辺からスタートする事が出来る場所があるみたいなんや。



因みに、Eランクの場合は、ギルドから請け負った仕事を自分達だけで行えるのに対して、

Fランクの場合は、ギルドが紹介してくれはる指導員が、ギルドから請け負った仕事に同行しはるんが基本的な流れらしいんや。


せやけど……

ウチは、可能な限り、このメンバーだけで行動したい。


せやから、ウチとしては、登録時点から、Eランクと呼ばれる、普通の登録者の底辺からスタートする事が出来るちゃう、ミンボン連邦と呼ばれてはる国のジハリマの町を目指したいと思ってるんやけど……


どやろ?」


「でっ。俺達は、今、何処に居て、

ジハリマの町。つうのは何処にあるんだ?」


レイヒちゃんの話を聞いたナシアタ君が、真剣な顔で質問をした。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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