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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
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【本編&サイドストーリー】和解と思惑

「はぁ?

姉さんに股を貸せ。やって?


なんやねん。それ。


イエローカード的な対応で済まさんと、殺しといたほうが良えんちゃう?」


時刻は15時半。


嫁から朝の出来事を聞いたレイヒちゃんが顔を真っ赤にしながら話す。



「フミナリが、


飯を寄こせと言ってきたギサヨ。

ナブサモに股を貸せと言っきたセタチ。

それと……何も言わなかったモトミョウを

小瓶に封印し、

アイオという、何も言わなかった者をレタゼという者達の奴隷にさせた。



それと……


グンフとフミナリとグンミとウミシシにゼンゾウとセンメ。

アイオとやらに、その奴隷の持ち主達が、

雁首を揃えて、この乗り物の外でモジモジとしておる。


じゃから、まず、あやつ達の話を聞いてやるのはどうじゃろうか。」


ムンナちゃんが、そう言いながら窓の外を見る。



◇◇◇



「キャァァァー。」×5

「ウァァァァー。」×5


外から悲鳴が聞こえてくる。



「1番の雑魚が泡を吹いて倒れにゃいギリギリのラインで殺気を放ってやったにゃ。


流石は、フミニャリとウミシシ。

この程度の殺気では、糞尿を漏らすまでに至らにゃんかったようにゃね。


てか……グンフにグンヨ。ゼンゾウとセンメもキッチリと耐えよったようにゃね。



てか……アイオとかいう小僧も糞尿をまき散らさにゃかったね。


生意気にゃまいきにゃ奴達にゃ。



あやつ達だけに更に強度の上げた殺気を……


グフ!


ナブサモにゃにをするにゃ!」


話の途中で嫁に拳骨を喰らわされたシャーコが涙目で、嫁に抗議する。



「にゃにをするにゃ!じゃないでしょ!


そういうのは、話を聞いて納得がいかなかった時だけにしなさい!


それと……

暴力に訴えるのは、極力、向こうが手を出そうとしてきた時だけよ!」


そんなシャーコに嫁が説教をする。



そんな嫁も、

元の世界に居た頃よりも、敵対してくる相手に対して、過激な対応をしないといけないとは思っているらしいな。



◇◇◇



「ウチのバカ猫がごめんなさいね。」


僕とムンナちゃんの後から、キャンピングカーから、シャーコを抱っこしながら出てきた嫁が苦笑いしながら話す。


僕とムンナちゃんの前にキャンピングカーを降りていたレイヒちゃん。ナシアタ君。ワンゾウは冷ややかな目でフミナリさん達を見ている。



「主達のせいでナブサモから拳骨を喰らったにゃ。」



「それは……大変、申し訳ございませんでした。

また、我が国の者のご無礼への謝罪が遅くなりました事、お詫び致します。」


グンフさんが、そう言いながら頭を下げて来た。



「僕達に絡んで来た人が3人程、足らないんだけど?」


僕は敢えて、フミナリさんが、その3人を小瓶に封印しているというワンゾウの情報を伏せて質問をした。



「その3名は、こちらで処刑します。


こちらのレタゼが、使いっバシリのアイオは更正が可能かもしれないと申しますので、犯罪奴隷に身分を落とし、チャンスを与えようと考えました。


勿論、皆様が異を唱えられるのであれば……彼も責任を持って処刑させて貰います。」


「嘘は言ってへん。」


フミナリさんの話を聞いたレイヒちゃんが、僕達を見ながら話す。



「分かりました。

彼等の事はフミナリさん達に、お任せします。」


「有り難うございます。


これ以上、彼等が我々の客人である皆様のお手を煩わせないよう対処させて頂きます。」


嫁の返答を聞いたフミナリさんがホッとした顔をしながら頭を下げる。



「では、失礼します。

出発は16時半です。

本日も宜しくお願いします。」


「こちらこそ宜しくお願いします。」


嫁の返答を聞いたフミナリさん達は、もう一度、僕達に深々と頭を下げると去っていく。



「『活性化』」


僕は、そんな彼女達を見送りながら、

フミナリさんの顔を立てて、アイオの胃と腸と腎臓だけを、再び、動くようにした。



◇◇◇



「姉さん。優しいすぎやあらへんか?

てか……兄さんも、怒らへんといけんとことちゃう?」


レイヒちゃんが顔を真っ赤にして怒る。



「わたしは甘いかもしれないけど……

パパはどうだろうね……」


嫁がジト目で僕を見てくる。



「アイオの胃と腸と腎臓は、ナブサモちゃんの顔を立てて、動くようにしといたよ。


勿論、他の奴等の胃と腸と腎臓関しては止めたままだよ。


この世界には移植手術という医療行為は無いんでしよ?


そして、僕の異能で引き起こした症状を回復魔法ヒールや、この世界のポーションといったマナを利用した医療行為では治らない。


だから、たとえ、フミナリさん達が、僕達に嘘をついて、彼等を殺さなかったとしても、

彼等は直ぐに胃不全麻痺と腸閉塞と急性腎不全を同時に引き起こしたような症状が出て死ぬ筈だよ。


なので、この件は、どう転んでも、後腐れなく終わる筈だよ。



ぶっちゃけ、相手が逆恨みしてようが、反省してようが、どうでも良い。


何故なら、後で何を思おうが、その言動が行われた事は永久無縁に変わらないからだ。


だから、家族や友人。仲間や利害関係者を除いて、一線を越えて来た相手には、可能な限り、僕達が関わっている事すら知られずに、この世から消えて貰う。


これが、一番、効率的なやり方だと思うからね。」


「ごめん。


兄さんに怒れや。ちゅうた手前、言いにくんいやけど……


そこまでしはるんは、それは、それで……引くわ。」


レイヒちゃんが苦笑いしながら話す。



「パパらしい。ちゃあ、パパらしいやり方だけど……

取り敢えず、わたしの顔を立ててくれて有り難う。」


嫁がホッとした顔をしながら僕を見る。



ーーーーーー



「まじでビビったわ。」


「だよね。

お陰で漏らしちゃったわ。」


「アイオのせいでマジ最悪。」


マダサの姉御。チッヤの姉貴。ゼヨの女性陣が話している。



「我々の誠意を伝えられて良かったです。」


「お義姉様。カッコ良かったです。」


グンミ様がフミナリ様をキラキラした目で見られている。



「アイオ。

次は無い。レタゼの顔を潰すような真似をするなよ。」


「仰せのままに。」


ウミシシ様のお言葉にオイラは短い返答を返す。



モトミョウさん。セタチさん。ギサヨさんには申し訳ないが、オイラは仇を取るつもりはない。


巻き込まれた形になったモトミョウには同情はするが……セタチさん。ギサヨさんに関しては自業自得も良いところだからな。



オイラは命を救ってくれたレタゼの兄貴。マダサの姉御。チッヤの姉貴。マッタ兄さん。ゼヨ。の5人への恩義を果たすべく真人間を目指す。



だから……

モトミョウさん。セタチさん。ギサヨさん。迷わず成仏してくれよな。



「アイオ。

マジで頼むわよ。」


「おう。っす。」


俺はジト目で見てくるゼヨに短い返答を返す。


この状況で話しかけてくれるだけで有難い。


また1つ……恩義が増えたな。



「てか……

フミナリ様の事を普通に『さん付け』で呼んでたよね……


あの殺気といい……マジで住んでる世界が違うわ。」


「言えてる。

だけど……身分の差を抜きにすれば……

傲慢な人達には思えなかったわね。」


「うん。

不思議な人達だったね。」


マダサの姉御。チッヤの姉貴。ゼヨの女性陣が話している。



ーーーーーー



『皆、身分の差を抜きにすれば 傲慢な人達ではない。という印象を受けるみたいね。』


『そうだな。


リクルル様が仰るには、

ムシュ イム アン キには、身分制を廃止した国や、

象徴として皇族や王族を残しては居るがまつりごとを司っているのは平民。


そんな国が多数、存在するらしい。



彼女達の居た国の名前を聞けないのが残念なところではあるが……


彼女達が身分差を気にしない国の出であれば、

現時点ではアサグや妖人特有の傲慢さが無い、気の良い奴等と言えるな。



ただ……これは、俺の直感なんだけどさ。


何ていうか……

ただのお人好し。って気もしないんだよなぁ……』


アタシの念話で話した言葉にゼンゾウが念話で私見を話す。



『アタシも同じ見解だね。

リクルル様に、一旦、報告を入れとこう。』


『だな。


彼女達は盲目に誰かに従うような奴等でも、権力に媚を売るような奴でもない事だけは分かった。


仲間に引き入れるか否かの判断は慎重にして頂く必要がありそうだな。』


『えぇ。

そのように報告を入れとくわ。』


アタシは、そう言うとリクルル様から頂戴した携帯電話という異世界の便利な道具を使って、メールを入れておいた。



■■■



「リクルル様から、

オワトブ村に着いた後は正体がバレないように離れろという指示が来たわ。」


「妥当なところだな。

引き継ぎは?」


アタシの報告を聞いたゼンゾウが真剣な顔で質問をしてくる。



「サブアウは、

こちらから(ネギハタ高原国側から)、ナカナカトブ村へ行くルートと、カミナカトブ村への立ち入りを制限したが、シモナカトブへ行くルートは制限していないらしいわ。


なので、オワトブ村からシモナカトブ村へ塩を運ぶ依頼の差配を我々と同じギルドの協力者である、ジュジョコが担当に付けるようリンゴトマド様が動かれたみたい。


でっ。ヤドカリ商会がシモナカトブ村を目指す場合、

ジュジョコが、その事をリクルル様とリンゴトマド様に報告し、

その報告を受け次第、リクルル様達とリンゴトマド様達が各々の部下を使って、彼女達の動向を【空の目】を使って追跡するらしいわ。」


「成るほどね。


上も色々と考えてんだな。


俺達は功を焦らず、与えられた役割に専念しておいた方が良さそうだな。」


アタシの報告を聞いたゼンゾウが真剣な顔で話す。

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頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

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