【サイドストーリー】慌てる者と願う者
「糞。糞。糞。糞。
アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納してあった祠から、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が盗み出されている。
アタルハナ。
本当に、オビ・ハリトブの言う通り、外から結界を破った形跡はないの?」
「はい。」
私はニンムシュ様のご質問に短い返答を返す。
「ここを出入りしている、キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊の伝令部隊や補給部隊が持ち出した可能性は?」
「【空の目】の映像からの鑑定では確認が取れてません。
ですが、その……【空の目】の映像を介した鑑定結果は、目視での鑑定結果よりも精度が落ちますので確実とは言えません。
加えて、私達がペナルティで無能になっている間に盗み出したアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を第三者に渡している可能性もあります。
その場合……
勿論、目視での鑑定でも、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を持っていないという鑑定結果が出るでしょう。
ですから、その……
キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊の、全員への面談が必要だと思います。」
私はニンムシュ様のご質問に返答を返す。
「そう。
全員の居場所は把握してるのよね?
ワームホールを繋ぐから……ここに居ない者達の座標を出して。」
「それが、その……
第6補給部隊の隊長のロカル・スンーゴに賄賂を渡し、
問題発言をされたタカシュンレイ・コンファンと、この地に来る切っ掛けを作った罪で、スンーゴと共に、ロカル家で軟禁されていた彼女の侍女のビ・コウヒが、
スーンゴと共に昨晩から行方をくらましているそうです。
速やかに捜索隊隊の設立を、お願いしたいです。」
私はニンムシュ様のご質問に返答を返す。
「分かったわ。」
「有り難うございます。」
私はニンムシュ様にお礼を言う。
◇◇◇
「それと……
サブアウ様が管理されておられる、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納してい祠の場所が、
建前上、ギルドが管理しておられる事になっている、ナカナカトブ村の中にある、サブアウ様の別荘の中にあるという事が分かりました。
場所が分かった理由は、あの辺りで崖崩れがあった影響で、
アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納されている事を隠す為に、祠に張られていた結界魔法の術式の一部に欠けが出たからです。
ただ、その……
我々が管理していたアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗まれてしまって、焦った我々が、
その失態を隠す為に、サブアウ様が管理されておられるアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗ませようとしている。
私は、そんな気がしてならないのですが……
ニンムシュ様は、どう思われますか?」
「サブアウは何処に居るの?
後、ナカナカトブ村に誰か派遣したりはしてるの?」
「【空の目】の情報を見る限り、
サブアウ様は、イランツ カバー帝国の帝都に居らっしゃるようです。
ですが、サブアウ様の3忠臣のスチバ。ヴィアバ。シヨの内のヴィアバとシヨが、ナカナカトブ村に居ますね。」
「そう。
サブアウが管理しているアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を無傷で盗むのは難しいわね。
各々が管理しているしているアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉に手を出すのは、ご法度となっている。
下手に手を出して事を荒立てるのは得策ではないわね。」
ニンムシュ様が悔しそうなお顔をされておられる。
◇◇◇
「それと……
ギルド本部から、この地に立ち入った者の調査を我々と合同で行いたい。という声明を出されてますが……
どうなさいますか?」
「断るのも不自然ね。
受け入れるしかないでしょう。
ただし、我々が、この世界を閉じた世界にしている事を心良く思っていないギルドの連中には、
アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納してあった祠への立ち入りは禁じないといけませんね。
アタルハナ。
貴女は、この地に残って、祠の番をして。」
「畏まりました。」
私はニンムシュ様のご指示に頷く。
「にしても……面倒臭い事になったわ。
アタルハナには、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗んだ者を探す陣頭指揮に専念して欲しかったのだけど……
最優先は、私が管理するアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗まれた事を誰にも知られない事ですからね。」
ニンムシュ様が、タメ息をつかれながら、イラついた顔をなされている。
「取りあえず、キトナガエ帝国軍を使つて、タカシュンレイ家を滅亡させる。っていうイベントを開催し、
私が管理するアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗んだ者に、私の権力と武力を見せつけて、プレッシャーをかけつつ、他の奴等への目眩ましもしつつ、私のストレスの発散をしたいですね。
とはいえ……
無知な少女の失言への罰としてだけで、そこまでやるのも不自然よね……
まぁ……
タカシュンレイ家を滅亡させる。っていうイベントを開催する事を決断した建前は、追々、考えるとして……準備だけは進めときますか。」
ニンムシュ様が、そう仰られると、
私をここに残して、キトナガエ帝国の帝都に戻られるつもりなのか、ワームホールを作られ始めた。
ーーーーーー
「サブアウが隠し持っている、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉の場所が分かった。」
「取りに行く?」
リンゴトマドさんの話を聞いたイテヨがニヤリと笑う。
「いや。
【拝金騎士団】のリクルルが言うには、
ニンムシュが隠し持っていた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が盗み出された事は掴んでいるらしいんだが……
ニンムシュが隠し持っていた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を誰が盗み出したのかや、今、誰が所持しているのかまでは分からないらしいんだよ。
因みに、【空の目】でサブアウが隠し持っている、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉の場所が分かるように小細工をしたのは【拝金騎士団】だ。
彼等が、小細工をしたのは、
サブアウが隠し持っていた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉の場所が、我々の直轄領の1つ、ナカナカトブ村の中にあるサブアウの別荘だった事から、
我々が向こう側に寝返ったのか、
ただの無能な間抜けだったのか、
彼等に連絡せずに、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を集め始めたのか、
等といった疑惑を、我々の様子を見ながら、確認をしたかったかららしい。」
「はぁ?何それ?
だったら……
尚更、サブアウが隠し持っている、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗み出しに行かないといけないんじゃね?
この先、リクルル達に無能な間抜け呼ばわりされ続けるなんて……堪えれないわ。」
イテヨがイラついた顔で話す。
「ヴィアバとシヨが、ナカナカトブ村に居る。
時期尚早だ。というのが、俺とリクルルの見解だ。
もっとも、あいつ達に気がつかれずに、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗み出せるのならば、汚名返上をしたいとは思うのだけど……
やれるかい?」
「殺してでも。というのならば出来ない事もないけどさぁ……
見つから無いように。っていう縛りまで付けられたら、流石に無理だわ。」
イテヨが悔しそうな顔で、リンゴトマドさんに返答を返す。
「だろ。
リクルルの方も、他の4つのアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉については、隠されている場所すら把握する事が出来ていないらしい。
だから、下手に手を出して、
大罪人や他の裏切り者達が、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納している祠のセキュリティーを強化されたら困る。
とっいう事で、
すまんが、暫くの間、リクルル達から無能や間抜けだと謗りを受けるのは我慢して耐えて欲しい。」
リンゴトマドさんが、そう言いながら、俺達に頭を下げてくる。
「分かったわ。
じゃあ……
ニンムシュが隠し持っていた、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗み出した奴を保護?捕獲?
兎に角……
ニンムシュより先に捕まえる事で汚名を挽回しない?」
イテヨが真剣な顔で話す。
「それもダメだ。
ニンムシュ以外の大罪人や、他の裏切り者にニンムシュのミスを知られたくない。
だから、ニンムシュを泳がす。という事で、リクルルと話がついている。」
「リクルルの言う事に従いすぎじゃね?
トラポ。ツキアト。あんた達もなんか言ってやってよ。」
イテヨが、俺とトラポに助けを求めるように話す。
「ムカつくけど、今は我慢。
リンゴトマドの言う通り、
ボク達が軽率な行動をした事で、大罪人や他の裏切り者達が、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納している祠のセキュリティーを強化されでもしたら……
ボク達は、更に無能扱いされる。」
トラポが涼しい顔で、淡々とした口調で話すが……
握り拳から血が垂れたている。
今回の件は、彼女にとっても、相当、悔しいのだろうな。
「ツキアト。
お前の意見も聞きたい。」
リンゴトマドさんが、ジッと俺を見てくる。
「アマトティ様とプスアー様の封印を解き、
大罪人と裏切り者達を皆殺しに出来れば、それで良いっす。
誰が有能で、誰が無能なのかなんてのは……
大事の前の小事っす。」
俺は、嘘・偽りの無い気持ちを皆に話した。
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