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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
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【サイドストーリー】暗躍する者達

「マキジコ・タツニゴは、

一族と主だった家臣を引き連れて、ナヤクラース連邦に亡命しようとしているらしい。


そんでもって、

何も教えずに、ネギハタ高原国に残していく者達への対応として、

ギルドのミンボン連邦支店に大金を積み、

残された者達が何も知らないという事を証明する為に【審議判定の魔道具】を自由に使って貰えるように手配させた。


そして、彼等がミンボン連邦の領土に入り次第、ギルドのミンボン連邦支店から、直接、ネギハタ高原国政府に対してメールで連絡して貰う手筈を整えたようだ。」


世界中に支部や支店。営業所や出張所を持つ、世界を又にかけた巨大な経済組織のギルドのトップのリンゴトマドさんからの情報を、

この世界では【拝金騎士団】という、世界最強の一角の傭兵団のボスだと認識されているリクルルさんが、ギルド本部から提供された情報を【拝金騎士団】の幹部達に共有してくれた。



「へ~。

アッサリと逃げ出すんだぁ……


てか……彼等をナヤクラース連邦は受け入れたの?


アタシ、そんな事、聞いてないんですけど。」


イディさんの言葉にグルアさんも頷いている。



「申し訳ございません。

ナヤクラース連邦が彼等の亡命を受け入れる事を了承した話を共有してなかったですね。


ナヤクラース連邦が彼等の亡命を受け入れる事を了承した理由は、マキジコ家自体は、神仏の代理人を良く思っていない側だからです。


寧ろ、ニンムシュを信奉しているキテ・グンヨと、彼女の母親の方が、マキジコ家にとってはイレギュラーな存在なのです。」


「成るほどねぇ……

それならば、色々と納得だわ。」


クイメガさんの話を聞いたイディさんがスッキリとした顔をしながら話す。



「そうそう。


リンゴトマドが、ギルドのネギハタ高原国支店の通信内容を共有してくれて分かったんだが……


マキジコ・レコマは、マキジコの姓を捨て、

彼のメイドのメヨユや、トリース団って言う冒険者のパーティーとともに、ウドゥイティ トスン高原国へ移住するらつもりらしいぞ。」


リクルルさんが、今朝、リンゴトマドさんから共有された情報を、皆にも共有してくれる。



「へ~。


でっ。錬金術の天才。マキジコ・レコマは、どっち側なんだ?


それと……彼と一緒に居る奴等は使えそうな奴等なのか?」


クイメガさんが興味津々な顔で質問をしてくる。



「リンゴトマド達が言うには、


彼の1番はメイドのメヨユ。

その次が彼の知識欲を満たせる環境。

信念なんて何もない。

権力になんて興味がない。


そんな奴らしい。



そして、彼と行動を共にしているメヨユ以外の奴等も同じような感じらしい。


だから、今のところ排除する程の危険人物ではないが、仲間に引き入れるような相手でもないな。」


リクルルさんがクイメガさんに、リンゴトマドさんからの情報を共有してくれる。



「ところで……

チョカ・ルビョに取り入り、

彼女を使ってキテ・グンヨに、あり得ない馬鹿な夢を見させて、自滅させるように誘導してくれた、トガリコちゃんの回収は何時するの?」


「今晩、決行する予定。

既に本人にも伝えてる。」


「そう。良かった。

彼女は、お間抜けな、神仏の代理人派の馬鹿で間抜けな貴族を破滅へ導くプロ。

そんな貴重な戦力を使い潰す訳にはいかないからね。」


グルアさんの返答を聞いたイディさんは、ホッとした顔をしている。



「そうそう。


ギルドのネギハタ高原支店で教官をしている、我々の協力者のゼンゾウとセンメが、

今回、ムシュ イム アン キから違法に召喚されたアサグと妖人。それと……

何故か彼女達と行動を共にしている、アマトティ様の欠片から生まれた妖精と、彼女が使役している(あやかし)の一団との接触に成功したという報告を受けた。


2人が鑑定した結果も、

鑑定の精度が落ちる【空の目】の映像を介した鑑定結果と同様、

アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されておられる勾玉を所持している形跡が見当たらなかったとの事だ。



それと、ゼンゾウ達は、

彼女達と共にギルドのテチス山脈支店が運営する村の1つ、オワトブ村への商品を納入する仕事に就けたとの事だ。


その仕事の最中に、彼女達の人となりを観察し、

俺達が、彼女達を排除すべきか、仲間に引き入れるべきか、放置するべきかの判断を下す為の情報を提供してくれるとの事だ。」


リクルルさんが皆に、最も重要な情報を共有してくれる。



◇◇◇



「アマトティの欠片から生まれた妖精のムンナが、

異世界人と義姉妹の契りを交わした事で鑑定結果からアマトティの欠片から生まれた事を見れなくなる程、別人格になった事で性格まで変わっていたら話は別ですが……


神仏の代理派の勢力を削る為とはいえ、

彼女は色々な人間を唆して自滅させるようなやり方を極端に嫌う筈です。


だから、オイラとしては彼女達の事を排除はして欲しくはないですが……

仲間に迎えようとするべきではないと思いますがね。」


「俺としては、

キトナガエ帝国の我々の側の勢力がニンムシュに粛正されない為の調整役を担ってくれている、万年金欠のオビ家の為が、

金欠を解消する為に、嫁として貰い受ける事にした、あの地域では、金はあるが家の格が低いと言われているカクコシ連合のタカシュンレイ家の娘が、アホな陰謀論を真に受けすぎて暴走した件だけは、

俺達が裏で暗躍した案件としてカウントをして欲しくないところではあるが……


それを差し引いても、アマトティ様の性格を強く引き続がれておいでであれば……

お前さんが言うように仲間に引き入れるのは難しいかもしれねぇな。」



「ねぇ……

タカシュンレイ・コンファンがどうかしたの?」


オイラとリクルルさんの話を聞いたイディさんが、興味津々な顔で質問してくる。



■■■



「文官家だけでなく、武官家にも影響力を及ぼそうとして、ズクダニとビキアラの兄弟を軍部に送り込んだが、

2人が自分達が無能だという事すら気がつけない、想定以上の無能だった事が原因で、

トガリコちゃんにお勧めさせた馬鹿な作戦を、キテ・グンヨとともに実行に移してしまった、ズグニダとビキアラを除いたチョカ家の者達には、ある意味、同情する余地はあるな。って思うところもあるけれど……


タカシュンレイ・コンファンは自殺願望者なの?


それとも……

刺し違えてでも、ご実家を潰したかったの?」


ゼンゾウさんとセンメさんが、

この世界に対応するように改造された、

携帯電話という、ポケットに入れて持ち運びが出来る異世界の通信機器を使って報告して来た内容をリクルルさんから聞いたイディさんが驚いた顔で質問をする。



「彼女を捕縛している、ウミシシ達の許可を得て、ゼンゾウとセンメも聞き取りを行ったらしいんだが……


彼女は、自分の婚約者のキトナガエ帝国の西都の領主の息子オビ・ハリトブが、ニンムシュから、キトナガエ帝国を裏から支配するフィクサーに指名されたと思い込んでいたらしい。」


「イディが面白半分でカクコシ連合の社交界に流させた噂話を……ガチで信じるような間抜けが存在したんだな。」


リクルルさんの話を聞いたクイメガさんが目を丸くしている。



「ネギハタ高原国のウミシシは、

ゼンゾウが使役(ティム)している魔ツミを使って、この事をギルドに報告し、

ギルドを通じて、自国(ネギハタ高原国)の政府やオビ家。タカシュンレイ家に一報を入れて貰っている。


この状況であれば……

ニンムシュは、オビ家やタカシュンレイ家を切らざる得ない。


イディは俺以上の策士だった。って事だな。」


リクルルさんが大笑いしながら話す。



「だけど……

ニンムシュにオビ家が切られるのは、我々の側のネギハタ高原国政府にとっても良く無い事なのでしょ?


リクルルを超える策士様は、この状況を、どうするつもりなの?」


「ごめん。

アタシの悪ふざけをガチで信じて、最悪の事態を招く奴が居るなんて……想像すらしてなかったわ。」


グルアさんの質問にイディさんが苦笑いしながら答える。



「グルア。


ソウソパを連れて、我々の協力者の1人。ネギハタ高原国の宰相のオユー・リキモチに秘密裏に会い、現状を伝えてくれ。


でっ。ソウソパには、暫くの間、リキモチの傍らに居て、彼を補佐するように言っといてくれ。



俺はリンゴトマド達と話し合いを重ねながら、

我々とギルドが敵対関係にある。という茶番劇を世間に疑われずに、

ニンムシュが、タカシュンレイ・コンファンの失言への報復をオビ家にまで行えないように世間を誘導する仕事と、

ネギハタ高原国政府が、キテ・グンヨの罪に対しての罰を、マキジコ・タツニゴをはじめとした、マキジコ家まで問えないように誘導する仕事に専念する。



通常業務は、可能な限りクイメガとイディで回してくれ。


ユゲミズは、俺とクイメガ・イディの両方のサポートを頼む。


グルアは暫くの間、俺の専属の秘書となってくれ。」


「了解。」×4


オイラ達はリクルルさんの指示に短い返答を返す。



「ところで……

ニンムシュが所持していた、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されておられる勾玉を盗み出した犯人を捜す仕事は誰がする?」


「そのうち、ニンムシュが血眼になって探す筈だ。


だから、犯人については、ニンムシュの行動を追うだけで良い。


だから、ユゲミズ。


色々と頼んで悪いんだが……

ニンムシュや、彼女の主だった部下の居場所だけは常に把握しておいてくれ。」


「了解。

ついでに彼女達の通信の傍受も必要かい?」


「それは必要ない。


お前さんが彼女達の通信を傍受している事がバレたら、

彼女が所持していた、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されておられる勾玉が盗み出した犯人が俺達ではないか?って勘繰って、

他の神仏の代理人達や【虹を産んだ者達】と協力して、俺達を潰しに来る可能性がある。


残念ながら、今の俺達の力では、

裏切り者達と大罪人達が一枚岩で攻めて来た場合、太刀打ちする力はないからな。」


「了解。」


オイラは自虐気味に話すリクルルさんの指示に素直に頷く。



「おっ。


ニンムシュが異能を取り戻したのか、

たった今、ミンボン山脈の樹海の大湖の小島に移動しましたよ。


あの小島に奉納してあった、アマトティとプスアーの欠片が封印されている勾玉が盗み出された事を知るのも……時間の問題ですね。」


オイラは、皆に、取れたてホヤホヤの情報を披露した。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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