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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
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追加の支払いの拒否

「パパ。起きて。」


嫁がユサユサと揺すりながら声をかけてくる。


窓の外を見ると、外は何時の間にか明るくなっていた。



「おはよ。どうした?」


「たった今、ムンナちゃんが、ニンムシュが、この森の中心にある湖の小島に入ったのを【空の目】の映像で確認してくれたわ。」


「マジで。

いよいよ、この森の中心部の湖の小島にある祠に奉納されていたアマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉が盗み出されている事を知られる事になるんだね。」


「うん。


レイヒちゃんが言うには、

わたしとムンナちゃんが義姉妹の契りを交わした事で、ムンナちゃんの鑑定結果からアマトティ様の欠片から生まれた事が記載されなくなっていているので、


ムンナちゃんが、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉が盗み出したのが、わたし達が思っていた以上にバレ難くなったらしいんだけど……


アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉が盗み出されている事自体は直ぐにバレるだろう。とも言ってるの。」


嫁が真剣な顔で話す。



「ニンムシュには、後一日で良いから動き出すのを待って欲しかったね。

そしたら……ギルドが僕達の無実を証明してくれていたのにね。」


『それなんやけどな。


ギルドのネギハタ高原国支店の教官のゼンゾウさんとウミシシさんが話し合いはって、


ウチ達が砦に着いたら、直ぐに【審議判定の魔道具】を使って、グンフさん達の調査団とヤドカリ商会が、この森の中心部の湖の小島に立ち入ってへん事を証明する事が出来るように、

タカシュンレイ・コンファンの暴言とか、

キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊の第2伝令部隊の人達は巻き込まれただけや。ちゅう内容を書いた手紙を、

ゼンゾウさんが使役ティムしてはる魔ツミの足に括りつけて飛ばしはってはる。っていう報告を、ウミシシさんから、ほんの少し前に念話で受けたんや。



そんでもって、

諸事情により、ウチ達の事については、

ネギハタ高原国の壁外区。って呼ばれてはるスラム街みたいなとこの無国籍者。ちゅう事にしはったらしい。


報酬としてウミシシさん達から白金貨を3枚(300万円の価値)から4枚(4百万円の価値)に増やすさかい、話を合わせて欲しい。とも言われたんや。』


レイヒちゃんが会話に加わってくる。



「でっ。なんて返答したの?」


「まだよ。

その為にパパを起こしたんだから。」


嫁が溜息をつきながら僕を見る。


携帯電話を見ると時刻は8時と表示されていた。



◇◇◇



「僕的には口止め料はイラないかな。



建前上は、

金の亡者というレッテルを貼られると、

汚れ仕事を振って来る人達が現れたり、マトモな方々が仕事を振るのを嫌がる可能性がある。



でっ。本音はニンムシュに目をつけられたくないからだ。


具体的に言えば、

砦に着いた後、【審議判定の魔道具】を使って、グンフさん達の調査団とヤドカリ商会が、この森の中心部の湖の小島に立ち入ってない事を証明したとしても、

それが、グンフさん達の調査団やヤドカリ商会が、この森の中心部の湖の小島に立ち入った者と関係していない証明にまではならない事は、勿論、皆、理解していると思う。


でっ。僕達が、ウミシシさん達から過剰な、お金貰ってるのがニンムシュにバレた場合……


この森の中心部の湖の小島にある祠に奉納されていたアマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉が盗み出した事件に、グンフさんの調査団が何ならの関わりを持っていて、

僕達は、それを知っているから、グンフさん達から口止め料をタンマリと貰った。


なんて勘ぐられたら……面倒臭い事になると思うからだね。」


『それってつまり……


ムンナちゃんが考えはった、

自分(ムンナ)が敢えてヤドカリ商会に入らへん事で【審議判定の魔道具】の鑑定結果を自分達に有利な内容が出はるようにする。ちゅう作戦をウミシシさん達が実行しはってて、

それを知ったウチ達が口止め料をタンマリ貰うた。ってニンムシュに思われる。ちゅう事を兄さんは心配してはる。ちゅう事か?』


「うん。

その通りだよ。」


僕はレイヒちゃんの質問に返答を返す。



「エンクル。


この世界が閉じた世界だと言う事や、

アマトティとプスアの欠片が封印されている勾玉を6つ集めたら、この世界が開く。という事を知っておる者は殆ど居らぬ。


勿論、ウミシシ達や、あの小島を守っておる者達も知らぬ筈じゃ。


ナーバスになりすぎじゃないか?」


「なんとなくだけど……

ウミシシさん達はニンムシュ達に良い印象を持っていない気がする。


でっ。僕の勘が外れていたとしても、

ニンムシュ達は、内輪揉めをしているんでしょ?



ここからは、僕の空想の話にはなるんだけど……


ウミシシさん達が反ニンムシュ派で、

ネギハタ高原国 第2近衛連隊の第20中隊は新ニンムシュ派だと仮定した場合、


反ニンムシュ派が、アマトティ様とプスア様の欠片が封印されている勾玉を盗んだ理由が、この世界を開く為なのか、他の神仏の代理人などに献上するべきかは別として……

何らかの理由で、アマトティ様とプスア様の欠片が封印されている勾玉を盗み出した。


そんでもって、その事がバレないように、ウミシシさん達は囮となり、

ウミシシさん達自体は、この件に関わってない。という事を【審議判定の魔道具】だけでなく、

新ニンムシュ派のネギハタ高原国 第2近衛連隊の第20中隊を使って証明しようとしている。


更にカクコシ連合のタカシュンレイ家の娘、タカシュンレイ・コンファンは、

カクコシ連合なのか、タカシュンレイ家なのか、キトナガエ帝国のオビ家なのかは分からないが……兎に角、差し違えてでも殺したい。と思っていた。


その為、ウミシシさん達と共謀して、ニンムシュの面目を丸潰れにする事で、

彼女が恨みを持っている相手を連帯責任という形でニンムシュに殺させようとしている。



因みに、この話が真実か真実で無いかはさほど重要じゃない。

ニンムシュが、この話のような事を考えて調べる可能性があるか否かが重要なんだ。


でっ。ニンムシュが、この話のような事を考える可能性が無いとは言い切れないのならば……

ニンムシュが口止め料を連想するような金額のお金をウミシシさん達から貰うべきではない。と思うんだよね。」


「成るほどのう。

妾が、アマトティとプスア様の欠片が封印されている勾玉を盗んだ事に辿り着きかねないルートを片端から潰していく。という事か。」


ムンナちゃんが尊敬の眼差しで僕を見る。



「その通り。

まぁ……それでも予想外のところから、ムンナちゃんを怪しむ場合も考えて、

彼女が、何時、僕達を襲撃してくるか分からない。っていう、覚悟だけはしとかないといけないだろうけどね。」


「巻き込んで済まぬ。」


ムンナちゃんが、申し訳なさそうな顔で謝ってくる。



「気にしないで。

わたし達は元の世界に戻りたいから、貴女と共闘する事を選んだの。

それは、自分の意思で決めた事。決して巻き込まれた訳ではないわ。」


『せやせや。

姉さんの言わはる通りやで。』


「だね。」・『ですね。』


「有り難う。」


ムンナちゃんが嬉しそうな顔でお礼を言ってくる。



『こちらネク。

休憩をする予定の広場が見えて来ました。』


ネクさんの念話が頭の中に響き渡る。

携帯電話を見ると9時と表示されている。



『ウミシシさんには、

ネギハタ高原国の壁外区。って呼ばれてはるスラム街みたいなとこの無国籍者。ちゅう内容で話は合わせるけど、追加の金はイラン。って言っとくわ。』


「うん。

お願いします。」


僕はレイヒちゃんに短い返答を返した。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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