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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
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確認と予測

『今後の予定をお温習さらいすんで。


まず砦についたら、

【審議判定の魔道具】を使って、グンフさん達の調査団とヤドカリ商会が、この森の中心部の湖の小島に立ち入ってへん事を証明する。


そんでもって、ウミシシさん達から白金貨3枚(300万円の価値)を支払って貰う。



でっ。その後、ホンイちゃんから受けた、

ギルドのテチス山脈支店が管轄するオワトブ村へ行く。



それが終わったら、オワトブ村で塩を仰山、購入して、塩も欲しがってはるシモナカトブ村へ向かう。


そんでもって、その道中のナカナカトブ村の中にありはる、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を奉納してはる祠から、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉を盗み出す為の準備を整える。


まぁ……あくまでも未定やけど……

このスケジュールを頭に叩き込んでてな。



そうそう。

ムンナちゃんの予測では、明日の朝にはニンムシュ達の異能が復活しはる。


姉さんの【異空間ハウス】の中以外は、可能な限り、1人での行動は控えてな。』


「了解。」×3・『了解。』


僕達はレイヒちゃんの話に頷く。



『それと……

ムンナちゃんの情報が正しかったら、

明日の朝から、ニンムシュをはじめとした神仏の代理人達が力を取り戻しはる。


せやから、今まで以上にプロのモブに徹さなアカン。


ウチにも言える事やけど……

チートな力を使った不用意な行動はしやんようにせんとイケんよ。』


「了解。」×3・『了解。』


僕達はレイヒちゃんの話に頷く。



『ほな。

姉さん達は寝れそうやったら寝といてな。』


『了解。』×3


時刻は22時。

僕達はレイヒちゃんの話に頷く。



◇◇◇



【グゥ・グゥ・グゥ】・【グー・ホヒュー】



ムンナちゃんと嫁は限界だったのか、

レイヒちゃんの話を聞いて直ぐに寝息をたて始めた。



「シャーコ。

寒くない?」


「うにゃ。

ヌクヌクにゃ。」


シャーコが僕の問いかけに元気な声で答える。



「モンスター氾濫は起こると思う?」


「この森の瘴気の濃度は、今も上がり続けているにゃ。


この森に住まうモンスターや動物の我慢の限度が越える前に、ニンムシュが、この森の中心の大湖に張った結界や祠の機能を速やかに修復する事が出来るか(いにゃ)か。


それ次第にゃろうにゃ。」


僕の質問に、シャーコが淡々とした口調で私見を話してくれる。



『ニンムシュ頼みかぁ……

なんや、ウチ達の方が悪党のような気がして悶々とするな。』


「あの祠は、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されておられる勾玉を奉納する以前から、瘴気を抑える役目をしておったにゃ。


じゃから、ニンムシュは、あの祠にイラン事をする前の状態に戻す作業をするだけにゃよ。」


レイヒちゃんの言葉にシャーコが不機嫌な顔で反応する。



「成るほどね。


それって、つまり……


アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉を奉納する祠を一から建てるのでなく、既存の祠をカスタマイズした。って事だよね。


新しい祠を建ててくれていたら、そこだけを【空の目】で調べれば済んだ話なのに……


相手も馬鹿ではない。って事だね。」


『せやな。


それとな、

ナカナカトブ村の中にありはる祠に、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されてはる勾玉が奉納されてはる事を【空の目】で確認する事が出来たんは、

崖崩れの影響で、ナカナカトブ村の中にありはる祠を覆ってはる結界の術式に不具合が出たからや。


もし、それが無かったら……

目視よりも遙かに精度の落ちる【空の目】の映像からの鑑定では、ナカナカトブ村の中にありはる祠の中に、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されてはる勾玉が奉納されてはる事は分からへんかったわ。』



「成る程ねぇ……

もし崖崩れが人為的だった場合……

何が目的で、そんな事をしたのかが気になるね。」


『具体的には?』


レイヒちゃんが興味津々な声が携帯電話から聞こえてくる。



「僕達にとって一番、嫌なのは、

この森の中心部の湖の小島にある祠から、

アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉が盗み出されている事を、神仏の代理人達や【虹を産んだ者達】が共有されて、


僕達がナカナカトブ村の中にある祠に、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉が奉納されている事を【空の目】で確認する事が出来るように崖崩れを起こしたのは、

僕達がナカナカトブ中にある祠に奉納されている、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉を盗みに来る為の罠。って事かな。



けど、まぁ……

その場合、僕達にとっては最悪の状況だ。って訳でもない。


何故なら、罠を仕掛けて待ち構える。って事は、

アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉を盗んだ犯人がムンナちゃんだと分かっていない。


もしくはアマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉を盗んだ犯人がムンナちゃんだと分かっていても、何らかの理由で逃げたムンナちゃんを追う事が困難だと思っている。って事だろうからね。」


『確かに。


わざわざ、ウチ達を誘き寄せはるよりも、寝込みを襲ったほうが効率的やもんな。


兄さんは、僕達にとって一番、嫌なんは……って言ってはった。って事は……他にも心当たりがあるんか?』


「心当たりなんてないよ。


ただ、僕達がナカナカトブ村の中にある祠に、アマトティ様とプスアー様の欠片が封印されている勾玉が奉納されている事を【空の目】で確認する事が出来るようにする。っていう理由以外の理由で崖崩れを起こす人が居ないとは言い切れない。


そして、その場合……

オワトブ村で塩を購入して、 塩も欲しがってはるシモナカトブ村へ向かう僕達を敵の一味。もしくは敵を支援する一団として攻撃してくる可能性もなくはない。って事。


けど、まぁ……

この世界には山賊や海賊と言った盗賊団がアチコチに居るみたいだから、

この世界を放浪している限り、遅かれ早かれ、何時かは人殺しをしないといけない。


だから……そこまでナーバスに考えるべきかは分からないけど、一応、その覚悟もしておいた方が良いきがする。」


『成る程な。

姉さんやムンナちゃんやワンゾウが起きはったら、

今の話を共有しておいた方が良さそうやね。』


「だね。」


僕はレイヒちゃんの言葉に頷いた。



てか……

キャビンに居るワンゾウは、やっぱり寝てたんだな。



■■■



「外は昨日とは比べ物ににゃらにゃいぐらい寒い筈にゃのに……


今日は、ヌクヌクというよりも、暑いぐらいにゃ。


主達の世界のエアコンとやらや、人間用の布団や毛布。電気毛布とやらは本当に凄いにゃね。」


シャーコが嬉しそうな顔をしながら、ムンナちゃんの布団から這い出てきた。



「『変化』

エンクルが起きておって良かった。

ペットボトルに入った水とやらをくれ。」


「『解放』。はい。」


「有り難うにゃ。」


猫系の獣人に化けたシャーコが、

僕が【異空間加工倉庫】から出したペットボトルに入った水をゴクゴクと美味しそうに飲んでいる。



「うわ。可愛い。」


「お早う。ナブサモ。

起きたのかにゃ。」


シャーコが嫁に挨拶をする。



「喉を潤したら、また、寝る。

パパが珍しく起きていて良かった。

揺れる車内で、冷蔵庫に入ったジュースを取るのは、結構、しんどいのよねぇ……」


「『解放』。はい。」


「有り難う。」


僕は眠そうな顔をしている嫁に【異空間加工倉庫】に入れていたペットボトルに入ったジュースを出して渡す。



「おわ。

もう0時になるじゃん。

幽霊を見る前に寝なおうそ。」


ペットボトルに入ったジュースを飲みほした嫁は、そう言うと布団を被って寝息をたて始めた。



「怖い事を言わないで欲しいなぁ……」


「怖いにゃら寝るにゃ。


瘴気の濃度は今も上がり続けておる。


今の瘴気の濃度にゃら、

普段にゃら、死にたいと願う者や波長があってしまった者ぐらいしか見えぬような力の弱い死霊も黙視が出来てしまうと思うにゃよ。」


シャーコが笑いながら不穏な事をサラッと話す。



「おやすみ。

後、宜しくね。」


「うにゃ。任されたにゃ。」


僕はシャーコに断って、幽霊を見る前に眠ってしまう事にした。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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