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ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
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2個目の祠の発見(後編) / ギルドのランクにつていの大まかな情報

『オワトブ村は岩塩の産地や。


そんでもって、オワトブ村から、塩も欲しがってはるシモナカトブ村へ続いてはる道の途中に、ナカナカトブ村と半径100キロ圏内の場所がありはる。


つまり、姉さんとムンナちゃんの異能をコラボって貰うたら、こっそりナカナカトブ村へ潜入して、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が奉納されてはる祠から盗み出せる。ちゅう事やね。』


レイヒちゃんの弾んだ声が携帯電話から聞こえてくる。



「ムンナちゃん。

一度、マーキングした場所は何時でも行けるんだったよね?」


「うむ。」


ムンナちゃんが僕の質問に返答してくれる。



「だったら、今回は、ナカナカトブ村へのマーキングだけにしておくべきだろうね。」


『理由は?』


レイヒちゃんの真剣な声が携帯電話から聞こえてくる。



「ナカナカトブ村への出入りが制限されている状況で、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が奉納されている祠から勾玉を盗み出した場合……


他の場所にあるアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が奉納されている祠の警備が今よりも厳重になると思う。


具体的に言えば、他の場所にあるアマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が奉納されている祠の半径120キロメートルぐらいの距離までですら、簡単に近づく事が出来ないような対策を取られる可能性が高くなると思う。



だから、そうならない為に、

前にも言ったかもしれないけど……


取り敢えず、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が奉納されている全ての祠の近くに、ムンナちゃんがマーキングして飛べる体制を整える。


そして、その体制が整った後、

アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が奉納されている全ての祠から、最速で、一気に盗み出す。ってのがベストだと思うんだ。」


『アマトティ様とプスアー様の欠片を封印しはった勾玉が奉納されてはる祠から、アマトティ様とプスアー様の欠片を封印した勾玉が定期的に移動されへん。ちゅう前提で考えれば、兄さんの言わはる方法が効率的やろうね。』


僕の話を聞いたレイヒちゃんが、問題点を上げつつも、納得してくれたようだ。



「アマトティとプスアーの欠片を封印した勾玉が奉納されておる祠の設置場所を定期的に移動させる可能性が全く無いとは言えぬが……


妾が【空の目】で定期的に見張っておけば、トラック等での輸送であって、ワームホールを使った移送であっても、

アマトティとプスアーの欠片を封印した勾玉が奉納されておる祠を移動させた場所を特定する事は可能じゃと思う。


じゃから……

妾はエンクルの言う通り、ナカナカトブ村にある祠に奉納されておるアマトティとプスアーの欠片を封印した勾玉へは手を出さず、

ナカナカトブ村へのマーキングに止めておいた方が良い気がする。」


『ほな。

ウチも兄さんの作戦に全面的に賛成や。』


ムンナちゃんの元気な声が携帯電話から聞こえてくる。



「わたしも、パパ達の意見に賛成するわ。

ナシアタ君は?」


『特に異論は無いですね。

現時点で成功する確率が一番高いと思われる方法を選択するべきでしょ。』


嫁とナシアタ君も僕の作戦に賛成してくれた。



『ほな、取り敢えず、オワトブ村に着いた後は、

オワトブ村で塩を買い込んでシモナカトブ村を目指そか。』


「うん。」・「えぇ。」・『おう。』・「うむ。」


僕達はレイヒちゃんの言葉に短い返答を返した。



■■■



(クレート)に戻るよりも、ムンナとひっついている方が暖かいにゃ。」


時刻は21時。

シャーコが笑顔で話す。



小休止を利用して、ダイネットをベッドモードにし、

運転席側からムンナちゃん & シャーコ、嫁、僕の順番で、何時でも寝れる体制を整えた。


電気毛布を下に敷き、毛布と掛け布団で寒さ対策はバッチリな筈だが……


今晩から、山登りが始まる。

標高がグングンと高くなるようだから……

この世界に来て一番、寒い夜になると予想されているているで……油断は禁物だ。



外は雪こそ降っていないが……道が凍りまくっているらしい。


雪がパラパラと降ってくれた方がマッシだとナシアタ君がボヤいていた。



【空の目】の映像を見ると、僕達は渋滞の最後尾に居るらしい。


時速5キロ~10キロ程度のノロノロとしたスピードではあるが……今のところ止まる気配が無い。


この状況に文句の1つでも言うべきか、不幸中の幸いだと感謝するべきか悩むところだ。



『頑張れば、明日の夕方には砦につけそうや。って思ってたんやけどなぁ……


このままやと、明日の朝も野営して、砦に着くんは、明後日になりそうやね。』


レイヒちゃんの沈んだ声が携帯電話から聞こえてくる。



『ボヤくな。

渋滞してるんだから仕方がねぇだろ。』


『そんなん分かってるわ。

せやけど……渋滞の先頭のピックアップトラック……

気を使って、横に避けるとかして欲しいわ。

ホンマ邪魔やわ。』


『まぁ……その気持ちは分からんでもないが……

先頭の奴は、そんなとこまで気が回らないぐらいテンパってるんだろうな。』


ナシアタ君とレイヒちゃんのやり取りが携帯電話から聞こえてくる。



『てか……後ろから来た奴達。

煽って来はるんかと思ったら……脇道に逸れていきはったで。』


『グンフさんの調査団の旗の効果じゃね?

それか……迂回して俺達の前に出ようと思ってるか。』


『迂回かぁ……

【空の目】を見てると、

ギルドのランクの低い色の旗を掲げてはる人や、

ギルドに無登録で、お貴族様でも無さそうな人達だけが、

脇道から横入りされてはるみたいな気がするわ。』


『まぁ……そういうのはあるかもな。


ギルドのランクや身分制とか、この世界のルールについては良く分かってねぇ事だらけだけどさぁ……


誰だって、わざわざ、揉めると面倒臭そうな相手には手を出さねぇだろうからな。』


『せやな。』


ナシアタ君とレイヒちゃんのやり取りが止まらない。



◇◇◇



「ねぇねぇ。

今更なんだけどさぁ……ギルドのランクについて教えてくれない?」


『詳しゅうは、落ち着いたら話させて貰うとして……


Fランクは、見習い。

Eランクは駆け出しの新人。ちゅう感じで、

Dランクは、真面目に働いとけば、贅沢は出来ひんかもやけど……家族を養っていける。ちゅうレベルやね。


A・B・Cランクは努力家のモブとプチチートが混雑してはってて、

Sランクが、プチチートの上がりやね。 



因みに、アサグやジョブ補正を受けてはる妖人は基本、Sランクからのスタート。って感じみたいやわ。


それと……Sランクの上には、

SSSランクとSSランク。ちゅうのもあるみたやわ。



そうそう。

ナシアタはジョブ補正を受けてはらへんし、魔術や呪術も全く使えんけど、

魔力弾のソードオフ・ショットガンと、魔力弾の狙撃銃を装備しはった事で、

運び屋と護衛としてのランクが、Aランク相当からSランク相当に格上げされてはるみたいやわ。』


レイヒちゃんが、ギルドのランクの概要を簡単に説明してくれた。



「マジかぁ……

わたしとレイヒちゃんとパパは、どんな感じ?」


『ウチは変化なしみたいやね。


【魔術師】としても、護衛秘書としても、SSランク相当のままや。



でっ。兄さんは元から回復師ヒーラーとしても、解術師としてもSSSランク相当やから……そもそも変化のしようがあらへん。



でっ。姉さんは……

残念ながら商人としてはDランク相当から変化してへんね。


せやけど、まぁ……


姉さんの【マナの貯蓄】のサポートがあらへんかったら、ウチ達、全員のランクが、ワンランク~ツーランク落ちになりはるみたいやし、

衣食住の心配があらへんのも姉さんの異能。【異空間ハウス】のお陰や。


それに……

そもそも姉さんは仕事向きな異能やあらへん。


そんでもって、ウチの鑑定した結果は、あくまでも商人として仕事をすれば。ちゅう前提での結果や。


せやから、まぁ……

ウチの鑑定結果は、気にしやんで良え思うよ。』


レイヒちゃんは途中まで得意気な感じで話していたが、途中から歯切れが悪い感じになった。



「ねぇ……


ここ数年は専業主婦だったし、

わたしの異能を最大限に生かせる職業は自宅警備員(ニート)だ。って事も自覚してる。


寧ろ……何故、Dランク相当の商人として評価されているのかが不思議。


本当は……Eランク相当かFランク相当なんじゃないの?」


『姉さん。

この世界の教育水準。ちゅうのを舐めたらアカンで。

読み書きと簡単な計算が出来るだけでEランク相当の商人としてカウントされるんやで。』


レイヒちゃんがタメ息をつきながら話す。



「マジで。

謎の声が、この世界の言葉だけではなく、文字の情報もインストールしてくれてて助かったよ。」


『せやな。

謎の声には感謝しても、しきれへんな。』


嫁の言葉にレイヒちゃんが頷いている。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

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