表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤドカリ姫は異世界の扉をひっそりと開ける  作者: モパ
【第1章】小さな波紋
27/49

【本編&サイドストーリー】傲慢と無知(後編)

「【審議判定の魔道具】ねぇ……


ムンナちゃんの言う通り、ムンナちゃんをヤドカリ商会のメンバーから外してて良かったわね。


だって『湖に張られた結界を破って小島に侵入した?』って聞かれた時に、

「ヤドカリ商会のメンバーは、湖に張られた結界を破って小島に侵入してない。』

って答えても嘘にはならないものね。」


『せやな。


【審議判定の魔道具】の判定結果ぐらいやったら、弄って別の答えにする事も出来るには、出来るけど……


後で、その形跡がバレる可能性があるリスクを考えたら、嘘つかずにすむほうが良えもんな。』


嫁の言葉にレイヒちゃんが頷く。



『にしても……

ウミシシさん達も王族。って奴なんだろ?

あの女、そんなにすげえ奴なのか?』


『ウチが調べた限りやと、

オビ家はネギハタ高原国のキト家よりも格下で、

タカシュンレイ家は同格。ってとこみたいやわ。』


ナシアタ君の疑問にレイヒちゃんが淡々とした口調で答える。



◇◇◇



『ヤドカリ商会。

お前さん達、空のカーゴトレーラーを持ってたな?

金を払うから、我が国(ネギハタ高原国)まで貸して貰えないか?


あいつ達を移送したいんだ。』


『この状況で慣れてへんもんを引っ張って走りはるんは危険や。


ウチ達が、そいつ達を入れたカーゴトレーラーを引っ張って走るわ。』


レイヒちゃんがウミシシさんに念話で返答を返す。



『まぁ……

言われてみれば、その通りだな。


俺とハウシが、クアッドを封印した小瓶を持って、あいつ達を移送するカーゴトレーラーに乗り込んで、護衛しながら脱走も見張るとしよう。』


『あいよ。』


ウミシシさんの指示にハウシさんが短い返答を返す。



『クタゴダ。

タカシュンレイ・コンファンだけでなく、

キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊の第2伝令部隊、4名も【魔力封じの手錠】を掛けさせて貰うぞ。』


『畏まりました。』


ウミシシさんの言葉にクタゴタが短い返答を返す。



ーーーーー



「ムゴ。ムゴ。ムゴ。ムゴ。」


猿轡を嵌められたタカシュンレイ・コンファンが、顔を真っ赤にさせながら何かを言おうとしている。



彼女タカシュンレイ・コンファンは【魔力封じの手錠】の手錠がかけられている為、念話は使えない為、

彼女タカシュンレイ・コンファンの意味不明な話を聞かなくて済んでいる事は正直なところ有難い。



「なぁ。


オビ家は、タカシュンレイ家に、


ミンボンの大湖の小島に祠を作るにあたり、

周辺国や、オビ家を除くキトナガエ帝国の西方に領地を持つ貴族達に、

雑食道造り飛蝗喰い鳥の逗留や繁殖に悪影響が出ないよう、

キトナガエ帝国軍にミンボンの大湖の守備隊を創設し、キトナガエ帝国の西都を領地に持つオビ家を監督をさせる。


また、万が一、雑食道造り飛蝗喰い鳥の逗留や繁殖に悪影響が出た場合、ニンムシュ様とキトナガ帝国政府が損害賠償の支払いだけでなく、復興の為の人的 及び 物資の支援も全力で行う。


つぅ。ニンムシュ様の宣言について共有はしてるのか、知ってるか?」


「はい。


その事もあって、キトナガエ帝国の西都の領主様は、タカシュンレイ家のご当主様から、

ミンボンの大湖の小島に祠へ、タカシュンレイ・コンファンが、オリ・ハリトブ様の同行者として訪れるのを拒否されました。


しかし……

その事にご納得のいかなかったタカシュンレイ家のご当主様は、ニンムシュ様に直談判をされ、ミンボンの大湖の小島に祠へ、タカシュンレイ・コンファンが、オリ・ハリトブ様の同行者として訪れる事への了解を得られました。



この事は、キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊の隊長以上に共有されているだけでなく、

タカシュンレイ・コンファンが、故意・過失に関係なく、キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊の仕事の邪魔になると判断した場合、オリ・ハリトブ様へ許可を取らずに、タカシュンレイ・コンファンを拘束する権限が与えられました。



また、タカシュンレイ家のご当主様からも、この事に対して、ご納得されておる旨を書かれた書簡が出されており、

私も、その書簡を拝見させて頂いております。」


クタゴダ隊長が、淡々とした口調でウミシシ様のご質問に答えられる。



「へ~。


タカシュンレイ・コンファンは、

タカシュンレイ家と差し違えてでも潰したいぐらい、タカシュンレイ家に恨みでも持ってるのかねぇ……



いやいや。本人に話を聞くつもりはない。

これ以上、訳の分からん謎理論を聞かされたら……殺してしまいかねないからねぇ……



ただ……ニンムシュ様の面目を丸つぶれするだけでなく、キトナガエ帝国の国庫に大打撃を与えてやる。つうような発言をよくしたよなぁ……


って驚いたるだけだよ。」


ハウシ様が、強烈な殺意を放ちつつ、意地悪な笑みを浮かべながら、タカシュンレイ・コンファンを見ている。



「ムゴ。ムゴ。ムゴ。ムゴ。」


真っ青な顔に変わった、猿轡を嵌められたタカシュンレイ・コンファンが何かを言おうとしている。



「そうそう。フミナリと念話で話したんだが……


キトナガエ帝国軍ミンボンの大湖の守備隊の第2伝令部隊と、その家族が望めば、

我が国(ネギハタ高原国)が君達を亡命者として受け入れ事が出来ないか陛下(ネギハタ高原国王)に相談する事にした。



その代わりと言ってはなんだが……


我が国(ネギハタ高原国)の一番近くの国境を守る砦に着き次第【審議判定の魔道具】を起動させるから、


クタゴダ。君には我々に、

『大湖に張られた結界を破って小島に侵入したのか?』という質問をして貰い、その問に答えを確認して欲しい。

また、我々は君達に『大湖に張られた結界を破って小島に侵入をしようとした者の手引きをしたのか?』という質問をさせて貰い、君達の身の潔白を確認させて貰う。



その上で、起動させている【審議判定の魔道具】の前で、

我が国(ネギハタ高原国)の一番近くの国境を守る砦の者達に、タカシュンレイ・コンファンの我々へ対する数々の無礼な発言や問題発言について告発して欲しい。」


「キトナガエ帝国の西都の領主様と、タカシュンレイ家のご当主様の書面でのやり取りの話や、

我々が伝令に出る直前までのオビ・ハリトブ様の言動の独白。

及び、オビ・ハリトブ様から預けられた貴国(ネギハタ高原国)への書簡の読み上げ。



これらを起動させている【審議判定の魔道具】の前で行わせて頂けるのであれば、

少なくとも私は家族を伴って、貴国(ネギハタ高原国)の国益を守る為の証人として、生涯、貴国(ネギハタ高原国)の何処かに幽閉して頂いても構いません。」


クタゴダ隊長が、淡々とした口調でウミシシ様にご返答される。



「その返答には、フミナリと協議してから答えさせて貰う。


ただ……個人的には、こうなる前に君に出会いたかったよ。


才ある平民にとって、不必要なまでに身分の差を重んじる、キトナガエ帝国は居心地の悪い国だろうからな。」


ウミシシ様は、憐れみの表情を浮かべられながら、クタゴダ隊長を見られていた。



ーーーーーー



『有益な情報ちゅんは、

情報機器や通信機器の中だけやのうて、生の情報からも得られるもんやな。


兄さんの言わはるように、

携帯電話に監視アプリをインストールしたもんを盗聴器代わりにして、ナシアタん家のカーゴトレーラーの中に仕込んでて正解やったわ。』


レイヒちゃんの得意気な声が携帯電話から聞こえてくる。



僕達は、カーゴトレーラーの中に、

レイヒちゃんが即席で作ってくれた監視アプリがインストールされている盗聴器代わりの携帯電話を仕込み、カーゴトレーラーの中の様子を監視している。



『必要悪なのは分かってはいるが……

ドヤ顔で話す事じゃねぇ気がするぞ。』


「言えてる。


盗聴とやらを言い出したエンクルもじゃが……

それを嬉々として実行しておるレイヒも……


頼もしとも思うが、引いてしまう自分が居るわ。」


ナシアタ君の言葉にムンナちゃんが頷く。



「せめて、レイヒちゃんには……

パパみたいに手遅れになる前に罪悪感という感情を大切に育んで貰いたいわね。」


嫁がタメ息をつきながら話す。



『はぁ……

どうせやらんといけん事なんやから、楽しまんと損やん。』


「前言撤回。

手遅れな人が、もう1人、増えたみたいだわ。」


レイヒちゃんの言葉を聞いた嫁がタメ息をついている。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ