不穏な情報
【ブォォォー】・【ブォォォー】・【ブォォォー】
【ブォォォー】・【ブォォォー】・【ブォォォー】
【ゴロゴロゴロ】・【ピカッ】・【ズドォォーン】
【ブォォォー】・【ブォォォー】・【ブォォォー】
【ブォォォー】・【ブォォォー】・【ブォォォー】
【ゴロゴロゴロ】・【ピカッ】・【ズドォォーン】
【ブォォォー】・【ブォォォー】・【ブォォォー】
【ブォォォー】・【ブォォォー】・【ブォォォー】
【ゴロゴロゴロ】・【ピカッ】・【ズドォォーン】
時刻は0時。
吹雪は昨晩よりも激しくなった。
そして、雷は1時間前ぐらいから鳴り続けている。
先頭を走るのはスナギさんが運転するダブルキャブのピックアップトラックだ。
助手席に座るフミナリさんと、2列目に座るハウシとネクさんがサポートしながら先導をしてくれている。
その後ろをコロツラさんが運転手する、全長が約9メートルの巨大なダブルキャブのトラックが続く。
助手席に座るグンフさんと、2列目に座るグンミちゃんがサポートに入り、
同じく2列目に座るウミシシさんが全体の指揮を取る。
それと、グンミちゃんやウミシシさんと同じく、2列目に座っている、ツネさんとフヤちゃんは、朝~昼の仕事に備えて座ったまま仮眠を取っているらしい。
そして、最後尾が、僕達のキャンピングカーとなる。
『こちらハウシ。
吹雪でが前が見えなくなるまでは、このまま走り続けるよ。』
『了解。』・『了解。』
ハウシさんの念話にグンフさんとレイヒちゃんが短い返答を返す。
◇◇◇
『この寒さのお陰でモンスターや獣が、皆、岩影や木陰や掘った穴にゃどで、大人しくしてくれてるにゃ。
普段にゃら、こんにゃ寒さ勘弁にゃが……
ワンゾウと巣の中で、ヌクヌクと過ごさせて貰ってるせいか、この寒さが有難いと思えるにゃ。』
シャーコの嬉しそうな声が携帯電話から聞こえてくる。
「それは良かった。
ワンゾウも寒がっておらぬか?」
『明日に備えて、気持ち良さそうにゃ顔でイビキをかきにゃがら爆睡してるにゃ。
問題無いにゃ。』
「そうか。
それは良かった。」
シャーコの返答を聞いたムンナちゃんがホッとした顔をしている。
「にしても……
エアコンとやらや、電気毛布とやらは有難い品物じゃな。
こういう感じの事が出来る魔道具でも売り出せば、大儲けする事が出来るんじゃなかろうかのう……」
ムンナちゃんが笑顔で話す。
『魅力的な話なんやけど、
ウチ達の一番、重要な目標を考えると目立つのはアカン。
せやから、大儲けのチャンスは諦めざる得えへんわ。』
「そうじゃな。」
言葉とは裏腹に悔しそうに話すレイヒちゃんの言葉に、ムンナちゃんが苦笑いしながら返答を返す。
『なぁ……
この世界の乗り物に乗り替えたらエアコン無し。つ事だよな?
そんなの耐えられそうにないわ。』
「言えてる。
この世界の乗り物に乗り替える事になったら……
可能な限り異空間ハウスに引きこもろ。」
ナシアタ君の話を聞いた嫁が苦笑いしながら話す。
『成る程。
レイヒ。車の運転を教えてやろうか。』
『運転を教えてくれはるんは嬉しいけど……
なんか、ムカつくわ。』
ナシアタ君の話を聞いたレイヒちゃんのイラッとした感じの声が携帯電話から聞こえてくる。
■■■
『こちらフミナリ。
そう言えば……
この辺りで、チョニチ傭兵団らしき連中に襲われた。って話を聞いた事があったわ。
皆、知ってるとは思うけど……
彼等は30人前後の少数精鋭の傭兵団で、大半は無能者の獣人や獣人の血が混ざったミックス。
故に、彼等は、索敵魔法に引っ掛かり難い、手練れの集団よ。
だから索敵魔法だけに頼らずに、不可解な木々や草むらの揺れとかにも、気を配って下さいね。』
『俺も、その話は聞いている。
お前さん達の護衛を買って出た一番の理由は、第2近衛連隊の第20中隊の連中が信用ならねぇ。って事だが……
2番目の理由は、奴等が、この森にアジトを作り、再起を図っている。つういう噂を耳にいしたからだ。
ヤドカリ商会の連中も気を付けろよ。』
『了解。』
時刻は1時。
ウミシシさんの念話にレイヒちゃんが短い返答を返す。
◇◇◇
『安請け合いして大丈夫か?
チョニチ傭兵団。つう奴等の事なんて知らねえだろ。』
ナシアタ君の鋭いツッコミが携帯電話から聞こえてくる。
『ちっ。ちっ。ちっ。
それがな、ギルドの情報機器に彼等の情報が載ってはんねん。
チョニチ傭兵団は、名前こそ傭兵団やけど……
殺人や強盗。誘拐や密売なんかを主な仕事にしてはる、極悪人の集団や。
せやから、キトナガエ帝国やネギハタ高原国。 ベシアセ連邦などと言わはった、この森の周辺国から指名手配を受けてはるんや。
因みに、ミンボン連邦とテチス山脈連邦が指名手配にしてはらへん理由は、町の警備や検問所に詰めはる警備兵以外の兵隊を国として持ってはらへんから、捕まえるんが困難や。ちゅう理由らしい。
せやから、国としては指名手配こそかけてへんけど、
ミンボン連邦とテチス山脈連邦にありはる、ギルドの営業所や出張所では懸賞金がかけられてはるみたいやわ。
でっ。この世界は……
ウチ達の居た日本と違うて人の命が軽いみたいや。
せやから、非戦闘員の姉さんとムンナちゃんは別として、ウチ達は自分と仲間を守る為に何れは……って、考えると、
そういうんを救いようの無い屑で経験しとくんも、悪くないかな?って思ったんや。』
レイヒちゃんの笑いながら話す声が携帯電話から聞こえてくる。
茶化すような感じで話してはいるが……
確証は無いものの、彼女なりに覚悟を決めて話してくれた気がする。
『モンスターや動物は別として……
お前が人殺しまでやる必要はねぇよ。
だから、少なくとも、俺の武器が揃えて貰うまでは無茶な依頼は受けるな。』
『はぁ……ナシアタ……
気持ちは嬉しいけど、ムチャ言うたらアカンで。
盗賊に、武器を買うまで、襲うのを待っといて。ちゅうて、はい。言わはるわけあらへんやん。
現状、人。ちゅうか、生き物を確実に殺せるは、ウチと兄さんだけや。
せやから……やるしかあらへんやん。』
レイヒちゃんの笑いながら話す声が携帯電話から聞こえてくる。
「【異空間加工倉庫】と【活性化と非活性化】の効果の範囲は目視が出来る範囲になるらしんだけど……
半径2~3キロメートルぐらいの距離ならば、【空の目】の映像や、索敵の魔術などで得た情報でも効果を及ぼす事が出来るらしい。
だから、レイヒちゃんは、極力、見つける事に専念して、殺す作業は僕に任せて。」
『兄さん……
生き物を殺すんを作業。って……』
僕の話を聞いたレイヒちゃんはドン引きしてしまったようだ。
「まぁ……パパの言い方はアレだけどさぁ……
何でもかんでも背負い込まずに、この仕事は……
図太くて、頭のネジも何本か足らない、パパに頼るべきだと思うぞ。」
『せやな。
せやけど……兄さんが殺り損ねたら、ウチが殺る。ちゅう覚悟だけは決めとくわ。』
嫁の話を聞いたレイヒちゃんが真剣な声で返答を返す。
「じゃあ、パパは……失敗しないようにしないとね。
流石に、うら若き乙女に、人殺まではさせられないもんね。」
「頑張ります。」
僕は嫁に返答を返す。
本当は、うん。と言いたいところではあるが……
出来るかどうかが分からない事を、出来る。と言うのは……
皆の為に汚れ仕事までしようと覚悟を決めたレイヒちゃんに失礼な気がした。
「はぁ……パパは……
空気が読めない。って言うか、バカ正直。って言うか……」
嫁が苦笑いしながら僕をジト目で見ている。
「それは、そうと、
チョニチ傭兵団のメンバーの情報とかも掴んでるの?」
『個人でも指名手配を受けてはる3名はな。
まずは、【祈祷師】のジョブ補正を受けいてはるエルフと狐系の獣人のミックスで、チョニチ傭兵団のリーダーのキュドン。
【錬金術師】のジョブ補正を受けてはるドワーフと熊系の獣人のミックスのスジノウ。
【物情を繋ぐ者】のジョブ補正を受けている人族と猫系の獣人のミックスのウツメ。
因みに、この3名以外は、フミナリさんの言わはる通り、無能者らしいわ。
そんでもって、この3名が個人的にも指名手配を受ける事になりはった理由は、
ジョブ補正を受けてはるから、他のメンバーよりも危険や。って判断されはったかららしいわ。』
レイヒちゃんの淡々と話す声が携帯電話から聞こえてくる。
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