惨劇の動画と対策案
『とはいえ……
朝日が昇ったら先刻の事件の録画を見といた方が良えかもな。』
「映像を回してくれたら先に見とくよ。」
『さよか。
ほな。兄さんのノートパソコンに録画した映像のデータを送るわ。』
レイヒちゃんが、そう言うと、僕のノートパソコンのデスクトップに【録画映像1】という名前のフォルダーが増えた。
◇◇◇
フォルダーを開けて録画映像を流す。
映像を見てるのは、僕・嫁・ムンナちゃんだ。
録画映像は、
トリース団のクアッドとトラックと、
マキジコ・レコマと、何故かメイド服を着たワデス・メヨユいう人が乗るクアッドが猛スピードでトンネルに向かって走り出すところから始まった。
因みに、彼等の名前等の情報は鑑定の魔術で得たものだ。
僕が異能【異空間加工倉庫】を得た事で、
特異点のアサグに匹敵する精度の鑑定の魔術が使えるようになったのが地味に有り難いな。
その直後、
幽霊に取り憑かれたネギハタ高原国 第2近衛連隊の第20中隊の複数のトラックのドライバー達が、
自分が運転するトラックを操って、他のトラックや、クアッド。ピックアップ トラックへ後ろから突っ込む事で、
ネギハタ高原国 第2近衛連隊の第20中隊の連中の乗り物を奪ったのだ。
因みに、トリース団の連中と、
マキジコ・レコマとワデス・メヨユは、事が起こった直後にトンネルに突入する事が出来たのが功を奏したのか、あの場から脱出する事が出来ている。
彼等と、ネギハタ高原国 第2近衛連隊の第20中隊の連中の違いは、あの場からの離脱のスピードだけどなんだろうか……
気にはなるが、それ以上の事は僕には分かりそうにもないのでスルーする事にした。
ただ、この時点では、まだ、生きている人達がかなり居た。
この後、幽霊に取り憑かれたドライバー達や、戦闘員と思われる人達が、幽霊に取り憑かれていない人達を襲い始めた事でミルミルと数を減らしていく。
そんな中、ネギハタ高原国 第2近衛連隊の第20中隊の隊長のズクダニをはじめとする、10人弱の人達が、武器を手に着のみ着のまま森の中に逃げ込んだ。
レイヒちゃんが、
『10人弱の人達が、武器を手に着のみ着のまま森の中に逃げ込みはったけど……』
と言っていたのは、きっと、彼等の事を言っていたのだろうな。
因みに、幽霊に取り憑かれたドライバー達や、戦闘員と思われる人達は、
その場に居た幽霊に取り憑かれていない人達を皆殺しにすると、
何故か逃げたズクダニ達を追うこともなく自○した。
◇◇◇
「祓いの魔術が付与された護符やアクセサリーを持った、一部の者達だけが難を逃れたようじゃな。
何故、あの隊の長は、全員に祓いの魔術が付与された護符やアクセサリーを持ったせていなかったのかのう……
ウミシシ達も、皆、祓いの魔術が付与されたアクセサリーを身につけておる。
正直な話、何故、あの隊の長が、全員に祓いの魔術が付与された護符を持たさなかったが、全くもって分からぬ。」
ムンナちゃんが小首を傾げながら話す。
「ごめん。
わたし達も持ってないんだけど……」
嫁が不安そうな顔でムンナちゃんを見る。
「幽霊などに最も取り憑かれやすいのは、
【賢者】系・【匠の職人】系・【武聖】系・【物情を繋ぐ者】系のジョブ補正を受けておる者。
次に幽霊などに取り憑かれやすいのは【踏破者】系・【祈祷師】系のジョブ補正を受けておる者と【無能者】。
でっ。その次に幽霊などに取り憑かれやすいのは【特異点】以外のアサグ。
そして、幽霊などに最も取り憑かれ難いのが、
神仏の代理人以上の権限がある者と【特異点】のアサグと妖人じゃと言われておる。
因みに動物の中で幽霊などに最も取り憑かれやすいのは祓い魔法が使えぬモンスター。
次に幽霊などに取り憑かれやすいのは祓い魔法が使えるモンスターと、魔法が使えぬただの獣。
でっ。その次に幽霊などに取り憑かれやすいのは、
【特別な獣】と呼ばれる獣達の世界のアサグのような存在。
そして、幽霊などに最も取り憑かれ難いのが、精霊や妖精や妖。
と言われておる。
でっ。妾が何が言いたいかと言えば、
ナブサモが心配すべき事は、主達が幽霊などに取り憑れる事ではなく、
幽霊などに取り憑かれた者からの襲撃の心配をするべきじゃ。という事じゃ。」
ムンナちゃんが笑いながら話す。
「それは、それで困った。
わたしは戦えるような異能は持ってないし、武器も格闘技も魔術とかも使えない。」
「それは妾も似たようなものじゃ。
妾とナブサモの大きな違いは、
妾はワームホールを使って別の場所に逃げられて、
ナブサモは【異空間ハウス】と【マナの貯蓄】を活用して、安全になるまで引きこもり続けられる事ぐらいじゃろうな。」
嫁の話を聞いたムンナちゃんが大笑いしている。
◇◇◇
「ナブサモちゃん。
【異空間ハウス】の中に【異空間ハウス】を展開する事が出来るの?」
「出来るみたいだよ。」
「そうなんだ。
【異空間ハウス】を維持する為に使用しているマナの量を大幅に越える量のマナを【異空間ハウス】の扉に流し込めばバクを起こして【異空間ハウス】の扉が開く。って話だったけど……
そうなった時、
【異空間ハウス】の中に展開した【異空間ハウス】の扉も同時に開くの?
それとも……
【異空間ハウス】の中に展開した【異空間ハウス】の扉を開くには、
【異空間ハウス】を維持する為に使用しているマナの量を大幅に越える量のマナを、各々の【異空間ハウス】の扉に流し込まないといけないの?」
「その認識であってるみたいよ。」
「そうなんだ。
【異空間ハウス】の扉の大きさは最小だと何れぐらいのサイズになるの?
後……扉の形状は自由に変えられるの?」
「【異空間ハウス】の扉の一番、小さなサイズは、わたしがハイハイして潜れるサイズみたいよ。
それと、扉の形状は、人や動物が入れるような形であれば、自由に変えれるみたいよ。」
嫁が、僕の質問にサクサクと答えてくれる。
「ムンナちゃん。
【異空間ハウス】の中に展開した【異空間ハウス】の中でも、ワームホールを展開して、別の場所に移動する事は可能?」
「外から、ナブサモの【異空間ハウス】の中にワームホールを繋いで侵入するのは不可能じゃが、
ナブサモの【異空間ハウス】の中から、ワームホールを繋いで他の場所に移動する事は可能じゃ。
【異空間ハウス】の中に展開した【異空間ハウス】の中から、ワームホールを繋いで他の場所に移動する事が可能か否かは試してみぬと分からぬが……
理論上は出来ると思うぞ。」
ムンナちゃんが困惑した顔をしながら僕の質問に答えてくれる。
「そう。
ムンナちゃんが【異空間ハウス】の中に展開した【異空間ハウス】の中から、ワームホールを繋いで他の場所に移動する事が出来るのであれば、
ナブサモちゃんに【異空間ハウス】サイズを縦幅が1メートル。横幅が60センチメートル。ぐらいにし、
扉のドアノブを大盾の持ち手のような感じにした扉を展開してもらい、
その中に、ナブサモさん。ムンナちゃん。それと……護衛としてシャーコに入って貰う。
そんでもって、ナシアタ君が、その【異空間ハウス】の扉を大盾として装備して、
僕。レイヒちゃん。ワンゾウと一緒に安全圏まで徒歩などで移動する。
っていう手もあるね。」
『相変わらず、兄さんは、おもろい事を考えはるな。
朝になったら、ムンナちゃんが【異空間ハウス】の中に展開した【異空間ハウス】の中から、ワームホールを繋いで他の場所に移動する事が出来はるかどうか試してみる価値はあるんとちゃう?』
レイヒちゃんが、僕達の会話に加わってくる。
「後ろに不穏分子が居るのじゃ。
今すぐにでも確かめたいところじゃが……
走行中に試すのは止めたほうが良さそうじゃしのう……」
ムンナちゃんが苦笑いしている。
『その事なんやけどな。
ほんの少し前に分かれ道があったんやけど……
後ろの連中は、今、ウチ達が通ってる道とは違うほうの道を選びはったんや。
せやから、今、ウチ達の後ろには誰も居はらへんよ。』
レイヒちゃんの嬉しそうな声が携帯電話から聞こえてくる。
評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。
頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。
宜しくお願いします。




