【サイドストーリー】異変(後編)
【ボワァァー】・【ボワァァー】・【ボワァァー】
【ボワァァー】・【ボワァァー】・【ボワァァー】
【ボワァァー】・【ボワァァー】・【ボワァァー】
【ボワァァー】・【ボワァァー】・【ボワァァー】
【ボワァァー】・【ボワァァー】・【ボワァァー】
【ボワァァー】・【ボワァァー】・【ボワァァー】
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【ボワァァー】・【ボワァァー】・【ボワァァー】
時刻は4時。
地面が紫色に輝き始めた。
「昨晩、撤退しなかったのが、吉と出たか、凶と出たか、微妙なところですね。」
「お義姉様。
高確率でモンスター氾濫の可能性が起こるであろう、この状況で、
2~3日ぐらい待てばエリクサーなどといった超高級ポーション(薬)の材料となる妖魔虫キノコが予定外に手に入るのです。
これを吉と言わずして、何を吉と言うのですか?」
「それは、妖魔虫キノコを国(ネギハタ高原国)に持って帰れたら。って話でしょ?」
「お義姉様は、相変わらずのネガティブ思考ですわね。
このメンバーならば妖魔虫キノコを国(ネギハタ高原国)まで持って帰れますわ。」
「グンミの、その楽観的な性格、本当、羨ましいですね。
取り合えず、これからの事を考えないといけないですね。
だから皆を起こしましょう。」
「なら、私がドラを鳴らしますわ。」
ネギハタ高原国の第1王子様のグンニ様の妃であらせられるフミナリ様のお言葉を聞かれた、
我が主であるネギハタ高原国の第2王女様のグンミ様は、
悪戯っ子のような笑みを浮かべられながらドラを鳴らされる為のバチを持たれる。
【バァァァァーン】
グンミ様の鳴らされたドラの音が静寂に包まれた闇夜の中に響き渡る。
◇◇◇
「どうした?」
トラックの屋根の上に設置されたルーフテントへ続く梯子の上から、
グンミ様の旦那様であらせられるウミシン様が顔を覗かされる。
ドラを一回、鳴らすのは、緊急事態では無いが、可及的速やかに打ち合わせがしたい。という合図だ。
その為か、元々の豪胆な性格故なのか、ウミシシ様の顔に焦りの色はない。
「外を見れば分かると思うけど……
この辺まで妖魔虫キノコの生息地が広がるみたいですよ。」
「フミナリ。
既に妖魔虫キノコが生え始めてるわよ。
夕方までには採集が可能だと思うわ。」
形式上はフミナリの侍女になられるハウシ様が、フミナリ様とウミシシ様の会話に割って入られる。
「嘘。マジで、あり得ないでしょ。」
「信じられないねぇなら外に出てみな。
あり得ねぇ事が起こってるぞ。」
「無理。無理。無理。寒いわ。
日が昇るまでサイドタープの扉は封印よ。」
ハウシ様とフミナリ様の会話は、何時も、こんな感じだ。
2週間近く、一緒に居させて貰っているが、
主と侍女がフランクに語り合われている光景に馴れるのには、まだまだ時間がかかりそうだ。
◇◇◇
トラックの屋根に設置されたルーフテントは、サイドタープの2階部分と連結され12人前後が就寝可能な巨大なテントとなっている。
そこで緊急ミーティングが開かれる事になった。
メンバーは、
キテ・グンミ殿下
ネギハタ高原国の第2王女。
ジョブ補正【祈祷師】
キテ・ウミシン様
グンミ様の旦那様で、
ネギハタ高原国軍の特務部隊隊長。
キトナガエ帝国の北部に領土を持つ反ニンムシュ派の貴族のボツオオ侯爵のお孫
ジョブ補正【武聖】
パイアガタ・コロツラ様
ウミシシ様の副官で、
キトナガエ帝国の北西部に領土を持つ反ニンムシュ派の貴族のパイアガタ伯爵の息子
ジョブ補正【物情を繋ぐ者】
ネクさん
ネギハタ高原国軍の特務部隊の斥候
ウミシシ様の部下
ジョブ補正【踏破者】
キテ・グンフ殿下
ネギハタ高原国の第1王子。
ジョブ補正【匠の職人】
キテ・フミナリ様
グンフ様の奥方様で、
ネギハタ高原国の外務大臣。
キトナガエ帝国の南西部に領土を持っている反ニンムシュ派の貴族のフトバル公爵の孫。
ジョブ補正【賢者】
マコグレ・ハウシ様
フミナリ様の侍女で、
キトナガエ帝国の南部に領土を持っている反ニンムシュ派のマゴクレ辺境伯の娘。
【無骨姫】という2つ名がある。
ジョブ補正【踏破者】
クノヤ・ツネ様
ネギハタ高原国 開発局の護衛部隊の隊員
グンフ様の部下
ジョブ補正【武聖】
ビノ・スナギ様
ネギハタ高原国 外交部の密偵
フミナリ様の部下
【無能者】※狐系の獣人
そして【料理人】のジョブ補正を受けているネギハタ高原国軍の司令部所属の料理人の、あたし(フヤ)の10人だ。
因みに平民はネクさんと、あたしのみ。
ただし、ネクさんのご実家は、下手な下級貴族よりも富も権力も持たれている、ネギハタ高原国で5本の指に数えられる豪商。
つまり、ド平民は、あたしだけだ。
端から見れば、高貴な方々に混じって、年1回のネギハタ高原国が派遣する、この森の調査団に加えられたエリート平民なのだろう。
その証拠に、
この調査団に加えられる事が決まった事を家族に報告したら、
両親も年の離れた弟も、涙を流して喜んでくれたしね。
だけど……
正直な話、あたしは、あたしが、この調査団に加えられた理由が、全く分からない。
何故なら、あたしは、身分が低いだけでなく、
ネギハタ高原国軍に所属しているとはいえ、戦闘の心得は皆無。
しかも、【人外地】への造詣も食べ物を除けば深くないのだ。
そんな、あたしに対して皆様は、
あたしの野外料理の腕前を褒めて下さったり、
洗浄の魔術を使って、お身体や衣服。武具や道具などを綺麗にして差し上げると、お礼を言って下さったりする。
そのお言葉のお蔭で、あたしも皆様のお役に立てていると思え、なんとか元気に過ごさせて貰っている状況だ。
◇◇◇
「妖魔虫キノコは瘴気の濃度が一定の濃さを下回ると枯れると言われておりますわ。
そして、妖魔虫キノコが生える2~3日前から、妖魔虫キノコが枯れるまでの間、地面が紫色に光り続けるとも言われておりますわ。
その話が正しく、
更に、ハウシ姉様の予想通り、ここに生え始めた妖魔虫キノコが夕方までには採集が可能だと仮定した場合……
この辺りの瘴気の濃度が異常な程、濃くなっているという事になりますわ。
正直、妖魔虫キノコを採取せずに国(ネギハタ高原国)に帰るのは不本意ではありますけど……
私は妖魔虫キノコの採取よりも、最速で国に戻る事に専念するべきだと思いますわ。」
グンミ様が真剣なお顔で話される。
「ならば、フヤとツネさん以外を運行チームとし、
今後は15時~翌日の8時までを移動時間。
比較的、安全だと思われる、8時~15時の間を休息時間とするべきでしょうね。
そして、フヤには、8時~15時の間に、3回分の行動食作りをして貰い、
ツネさんには、フヤの護衛とサポートを、お願いしたいですね。
それと……
先導のクアッドや、トラック。殿のピックアップトラックに乗り込む人員配置も修正が必要でしょうね。」
グンミ様のお言葉を聞かれたコラツラ様が、淡々とした口調で話される。
「グンフの義兄貴。
人員配置を含めた、今後のスケジュールや移動ルートについては、コラツラに任せたいと思うのだが……
異論はあるかい?」
「異論もなにも、僕も同じ事を考えてたよ。」
グンフ様が、ウミシシ様からのご質問に笑顔で、ご返答を返される。
「この広場にトラックが1台、入って来たぞ。
敵意は感じられねぇが、寝る前にコンタクトを取っといた方が良いんじゃね?」
「そうだな。
ここに居る。って事は、それなりの強者だろう。
この状況だ。共闘が出来る相手ならば共闘したいところだしな。」
ハウシ様のお言葉に、ウミシシ様が頷かれる。
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