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第227話 過去と現在、そして未来へ3

 バァンバァン。

 花火が上がったと同時にわぁ! っと言う歓声が辺りを包んだ。


『みんなー! 盛り上がってる〜?』


 みんな盛りあがっている。今年は前回の剣魔法王者決定戦と違って俺は少しワクワクしている。柄にもないって事はわかっているが、カナタの姿を一目見ることが出来たので安心したのが原因だろうな。だいぶ心に巣食っていた鉛のようなものが取れた様な気がする。


『さて、今年もやってきたよ! この時期が!』


 アナウンスの言葉に一々盛り上がる観衆。

 マイも久々に見に来たと言っていたので結構楽しそうにしている。それはサキとスイも同じようで三人で盛り上がっていた。今回は俺も楽しんでみるつもりではいるが、楽しむだけではダメだろう。しっかりと研究をしなくては……。

 すると視界の端に再びカナタとユユが映った。どうやらユユが手を引っ張っているところを見るとユユも相当頑張っているようだ。冒険者の夢はどうなんだろう。順調に進んでいるといいが……いや、今の俺がこれを考えるのはお節介だな。今となっちゃ他人なんだ。例え相手が彼方やユユだとしても話しかけることは絶対だめだ。今話しかけたらカナタやユユまで巻き込んでしまう。


「夏季剣魔法王者決定戦! ここでルール説明! この大会はトーナメント形式で行われます! 一回戦、二回戦、三回戦と勝ち進み、見事優勝した方には優勝賞金、白金貨百枚を贈呈します!」


 同じ説明だ。しかし、賞金が豪華だよな。白金貨百枚って結構なはずだぞ。白金貨百枚もあれば大体の物は買える。この世界に日本みたいにバカ高いものって家くらいしかないから、この大会で一山当てれば一生遊んで暮らせるレベルだ。

 でもこの大会にはそんな気持ちで参加するバカはいないだろう。大抵は腕試しだから賞金はおまけと考えている人が多いだろう。


 ルール説明の続きを一応すると剣、杖のみだ。この世界に弓って武器もあるが無しらしい。理由はと言うと「剣魔法(・・・)王者決定戦だから」なんだとか。俺としては弓差別はいけないと思うが、これがルールなのだとしたらこれに従うしか無いだろう。郷に入っては郷に従えってことだな。

 そして大会が始まった。

 この大会は力試しの人が多いので、その戦いのレベルは高い。俺の一回戦の相手のような相手を舐めてかかるようなやつは極少数だろう。あの時は俺とハルトは細身すぎて全員に舐められたものだ。

 だけどハルトはものすごいやつだった。確かにスキル強制発現薬を服用していたのもあるが、普通に強いやつだった。


『続きましては』


 どうやら次の試合が始まるらしい。これまで何戦かやったが、どれも物凄い戦いだったから次の試合も期待が高まる。そんな時に出てきたのは――


『ダント・レイガン選手対ライク・バイト選手。では部舞台へどうぞ』


 ダント!? これまた随分なやつが登場しやがったな。一番情報が欲しい相手だ。何せ俺は今まであいつら『ブレンド』をぶちのめす為に特訓して来たんだからな。マイに今までした事、許すつもりはない。カラタさんに代わって俺があいつらをぶっ飛ばす。

 ここでダントの力を見ておこう。


「剣術を極めるために旅をしているライク・バイトだ」

「俺はダント・レイガンだ」


 二人とも剣を取り出す。そうか、ダントは剣士だったのか……。てっきりいつも殴りかかってきていたから武術家とかかと思っていたのだが、剣士だったのか。

 確かに腰に何か着けているなと思っていたけど、あれは剣だったのか。なら尚更負ける訳にはいかない。


 そして二人の戦いが始まった。

 戦いが始まった瞬間、二人同時に駆けだした。そのまま剣を交える。剣同士がぶつかり会った瞬間、甲高い音が聞こえて、そのまま押し合う。

 まずは力比べといったところか。しかし、ライク選手の方が少し圧しているようだ。ダントの方は少し厳しいようだ。だけどまだダントは本気を出していない。スキルがあるはずだ。

 その時、ダントがニヤリと笑ったような気がした。俺の視力は結構良い方なので、見間違いという可能性は少ないだろう。

 嫌な予感がする。多分あのライク選手は――負ける(・・・)


「ぐあぁぁーっ!」


 すると急にライク選手の鎧が砕け散り、苦しみ出した。これが空間操作の力だと言うのか? だとしたら強すぎるような気がする。鎧破壊、ハルトの圧力の魔眼なら出来るかもしれないが、所詮それだけだ。その場で苦しめることは出来ない。

 内容を聞いた時から知っていたが、これは今まで聞いたり見てきたどんなスキルよりも強いだろう。しかも、リーダーのイナイのスキルは恐らくこのスキルよりも強い。この世界の力バランスはどうなっている。勇者のスキルよりも強いって、それは勇者が要らなくなる案件じゃないか。

 勇者よりも強いやつが居るならなんのために召喚しているんだよ……というクレームを言いたくなるようなチートっぷりだ。


「それじゃあ、勝たせてもらう」


 そう言ってダントが剣を振り下ろした瞬間、剣の衝撃波が一直線に走ったと思ったらライクが気を失った。

 そのライクを見てアナウンスは告げた。


『勝者はダント・レイガン選手です!』


 これはいいものが見れたのか? 見てもどうしようも無いものを見せられたような気がする。あの遠距離の鎧破壊はどう回避するんだよ……。

 考察するとあいつの空間操作の力で破壊したとしたら、絶対に空間から逃れることが出来るわけがない。回避方法なんて無いような気がする。そんなやつとどう戦えと? 今から考えても絶望的だな。

 でも俺たちは勝たなくてはならない。さて、どうやって攻略したものか……。

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