表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/487

第205話 『HOPE』5

「こちらがお二人の冒険者カードです。これがないとクエストも受けられないので注意してくださいね。それと冒険者バッジです」


 俺とユキの冒険者カードだ。表面に俺とユキの顔写真のようなものがあるが、よく見てみると絵のようだ。ものすごく精巧に書かれた絵だ。

 さらに写真の横には俺たちが書いた名前、さらに冒険者ランクなるものが書かれていた。登録したばかりだからか二人ともランクはEだ。

 それと『ブレンド』の皆さんがつけていたのと同じバッジ。


「依頼をこなしますと冒険者ポイントが加算され、それに応じて冒険者ランクが上下します。あまりにも失敗が多いとランクは下がってしまいます。全部でランクはEDCBASの6段階ございまして、お二人は登録したばかりですので初心者のEランクからスタートです。そして依頼の方にもランクというものがありまして、こちらもE~Sまでの6段階となっておりまして。受けられる依頼は自身のランクまでです。低いランクのも受けられるには受けられますが、その分、得られるポイントが低いので同じランクのものに挑戦することをおすすめします」


 丁寧な説明で教えてくれた。でも異世界転移や異世界転生物は、こういうイベントって普通は割と早めに行われるよな。俺、ここに来てもうすぐ1年が経つんだけど……。


「では今度こそ、こちらにご記入ください」


 手渡されるギルド申請用紙、その用紙には色々な項目がある。正直、冒険者登録用紙より断然多い。これを手作業で記入しなくてはいけないらしい。さっきの手法で描きたい……。

 でもギルド設立のためだ。書いてやる。


 まず名前はさっき記入したジャック・ステイリーだな。ランクは冒険者カードに書いてある通りにE。得意な魔法は……よく使うのはブーストだが、やっぱり一番自信のあるのは聖光の波動だな。出身は多分アルケニア王国でいいのだろう。さっき水晶で調べられた時にそう出たしな。

 こんな感じでどんどんと書いていき、ついに書き終わったので書き終わった用紙をギルド嬢に手渡した。


「ふむ、ではこちらにクラン名をお書き下さい」


 クラン名か……これがクランの看板になるわけだもんな。これは重要な気がする。


「希望ってどう?」

「希望?」

「うん、私達は色んなことを背負いながらここまで来た。だからこれからに希望を持って前を向いて歩み出そうって」


 なるほど、悪くない考えだ。それなら俺たちに相応しい名前かもしれない。だけど希望をそのまま使うのもあんまりいい名前とは言えないだろう。

 そう言えば『SWORD』ってクランがあったな。これは元の世界では剣という意味だ。この世界で英語ってあるのか分からないけど、これを参考にしよう。


「はい、承りました。少々お待ちください」


 ギルド状は俺の記入した用紙を持って奥に入っていった。これで終了だろう。


「ジャック、結局なんて名前にしたの?」

「HOPEって名前だ。俺の世界で希望って意味なんだ。いいだろ?」

「うん、すごくいいと思う。かっこいい」


 まぁ、俺はユキの意見をそのまま使っただけなんだが、喜んでもらえたようでよかった。


「はい、この『HOPE』は受理されましたので正式なクランとなりました」


 どうやらこの『HOPE』の発音はこの世界でも同じようだ。そこが通じてよかった。この世界には英語も日本語も無いはずだから、そのまま通じるとは思わなかったが、通じたみたいでよかった。


「では、あなたのクランに他に入れてあげたい人はいますか?」


 多分冒険者の中での話だろう。今のところユキしか登録していないからもう決まっている。


「ユキ、俺のクランに入ってくれ」

「もちろんだよ」

「では、この申請用紙に記入をお願いします」


 そう言って今度手渡されたのはクラン加入申請用紙。これはユキに手渡した。これも俺が記入した用紙のように沢山のお項目がある。俺と同じランクで、出身地も同じアルケニアだ。


「そう言えばユキの出身ってアルケニアだったのか?」


 とある里とは聞いてはいたものの、そこがどこなのかは知らなかった。そこもアルケニアだったのか?


「うん、アルケニア王国の外れに位置する小さな里、アスタンガ」


 ユキの声が暗くなってしまった。どうやら嫌なことを思い出させてしまったらしい。可哀想なことをしてしまったな。今度何か美味しいものでも食べさせてあげるか。


「はい、ではこれでユキさんもクラン『HOPE』の一員です」


 これで俺たちもクランに入ったってことか。これで表面上だけじゃなくて事実として仲間と証明されたことになるのか。そう考えるとなんだか感慨深くなる。

 ユキとは誰が何と言おうとパートナーだが、こうやって同じクランに入ったことでより一層絆が深まったような気がした。


「それではクランの説明を致します。クランにもランクというものがありまして、冒険者ランクと同じようにクラン限定の依頼をこなせばポイントとして加算され、ランクが上がっていきます。こちらも失敗しすぎるとランクが下がるので注意です。あなたがた『HOPE』は結成されたばかりですのでランクはEです。そして時々行われるクラン対抗のクランバトル。こちらは色々なルールがあるのですが、自分たちのランクより高いランクのクランに勝てば一気にランクをあげるチャンスです。逆に負けてもランクは下がらないのでどんどん狙っていきましょう」


 なるほど、こちらにもランクはあるんだな。この国にはしばらく滞在する予定だから、高ランクを目指してもいいかもしれないな。

 よし、後はサキとスイをこのクランに誘うだけだな。


 その時だった。視界の端で見覚えのある人物が一人で食事をしているのが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ