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第199話 バスタガ王国へ! 4

 俺とスイはその後も魔物を狩って行った。

 合流したので一緒に狩っていく。


 あの後はブレンドのメンバーには一度も会うことは無かった。


 そして俺たちの行く先々の魔物はさっきの俺の威圧を浴びたせいか、気絶をしていた。

 さっきはやってしまったと思ったが、とても倒しやすくなったので終わり良ければ全てよしだ。


 他のみんなもどこかで戦っていたらしく、日が暮れる前に近くの魔物はあらかた片付き、とりあえずこれだけ減らせれば大丈夫って事で、魔物狩りはもう終わりにする事にした。

 どうやら一番倒したのは遠くの魔物を倒すのに長けているサキだったようだ。さすが俺の妹だ。


「なんであんたが誇らしげなのよ」


 スイに呆れられてしまったが、これで終わりだ。もうしばらくブレンドには会いたくないと思う経験だった。特にダントは俺を怒らせる天才だ。

 あいつがみんなの事を悪くいうと、ついつい殺したくなってしまう。そのため、我慢するのに必死でかなり疲れてしまった。もう今日は休みたい。


「みなさんありがとうございます」


 マイが俺たちに礼を言ってくれる。

 可哀想だ。ダントにいびられ続け、更にはいいように扱われる。このままじゃこの子の命は幾つあっても足りない。いつダントに殺されてもおかしくない状況だ。


「いいけど、マイは大丈夫なのか?」

「あはは、自分の身は自分で守れるようにみなさんみたいに強くなってみせます」


 マイは苦笑いをしながら言った。

 可哀想だけど頼まれた訳でもないのに過剰干渉するのはお節介ってやつだからな。そこそこの所で引いておく。

 俺達も旅をしなくちゃいけないからな。こんなところで問題を起こしてまた追われる身になる訳にもいかない。


「ところで、これからどうするんだ?」

「えっとですね……これからテレポートでバスタガ城下町に帰って依頼を完了したいと考えています」


 ん? バスタガ城下町に帰る? しかもテレポートで?

 そうか。この人たちはバスタガ王国から来たのか。しかもこれからテレポートで帰る。

 これはチャンスじゃないか?


 俺達のこのペースだとどう頑張ってもまだまだかかる。なら、一か八かにかけてみた方がいいな。


「マイ、俺達もそのバスタガに連れて行ってくれないか?」

「バスタガにですか? どうして」

「俺たちはバスタガ目指して旅をしているんだけど、このペースだとどう頑張ってもかなりかかるんだ。だから連れて行ってくれないか? この通り」


 俺は手を合わせて頼み込んだ。そんな姿にマイは驚いたようだ。

 初めてそこまで頼み込まれたのか、どうしたらいいか困惑している。そんなマイを見てスイは俺の肩を叩いた。


「マイが困惑しているわよ」


 見てみると今にも泣きそうな勢いで困惑しているのが目に見えた。そんなに泣かせるようなことはしたつもりはなかったんだが、どうやら泣かせてしまったらしい。

 どうして泣いているんだ? 俺は女の子の涙の対処は苦手なので困ってしまった。

 すると、マイが泣きながら話し始めた。


「す、すみません。なんか、懐かしくなってしまって」

「懐かしく?」

「はい。私にはお兄ちゃんが居たんですが、お兄ちゃんは私が困っていると助けに来てくれたり、頼み事をする際にはあなたみたいに全力で頼み込んできたんですよ」


 そうか。この子には兄が居たのか。

 確かに俺は今日は今言われたような行動をしていたかもしれない。かなり俺が嫌いな主人公的行動だった。今度からは自重しないといけないな。


「でも、わかりました。連れて行ってあげます」


 よし、これでバスタガ王国に行ける。そろそろ疲れていたので安全な町中で寝たいと思っていたんだ。


「そのまえに」

「ん?」

「あなたがたの名前を聞かせてください」


 名前かぁ……あんまり名乗りたくないんだよな。この名前を言ったら大変なことになってしまう可能性もあるし……。

 でも、かと言って名乗らないってのもダメだよな。

 そう考えて咄嗟にこの場を乗切る方法を見つけた。なので、サキとスイ、ユキに話を合わせてくれとアイコンタクトをしてから自己紹介を始める。

 真実を知らないユキはポカーンとしているが、サキとスイは俺が何をしようとしたかわかったっぽいので充分だ。


「俺の名前はジャック・ステイリー」


 我ながら酷いネーミングセンスだ。そのセンスにサキはため息をついた。

 兄妹なのだからこのセンスの無い名前を受け継がなくてはいけないという絶望を感じているのだろう。ものすごく申し訳ないと思っている。


「私はサキ・ステイリーです。よろしくね」

「私はスイ・ノイレンよ」

「私はユキ。ジャックのパートナー」


 一応みんな俺の偽名に乗っかってくれたみたいだ。本当にいい仲間を持ったと思っている。

 しかもユキに至っては事情も知らないのに乗っかってくれた。本当に感謝しかない。


「よろしくお願いします。では」


 そういうとマイは詠唱を始めた。

 もしかしてマイが使える人だったのか。確か、この魔法は風属性じゃ無かったらかなりの消費魔力のせいでそうそう使えるものじゃないはず。

 という事はマイは風属性って可能性が大きいな。


 この魔法は以前に一度見た事がある。カナタに召喚された直後の話だ。

 俺をこの魔法でアルケニアに連れて行ってくれた。今となっては懐かしい話だ。あれからもう1年も経とうとしているのだから。


 そんなことを考えている間に目の前にワープゲートが出現した。


「『ブレンド』のみんなには内緒ですよ?」

「ああ、ありがとう」


 俺たちは一人一人礼を言ってワープゲートの中に入っていく。

 いよいよバスタガ王国だ。どんな冒険が待っているかワクワクしているスイ。俺と一緒に居れることに喜びを感じているサキとユキ。そしてこれからの事を思ってため息を着く俺。

 バスタガではどんなことが待っているのだろうか。

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