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第190話 スキルの特訓18

 サキはスイを回復させるためにスイのもとへとやってきた。

 スイも裕斗ほどでは無いが前衛として近くに居たため、ブレスを食らってしまってダメージを負っている。


「今治すよ。生命の力よ、汝に一時(いっとき)の祝福を『ヒール』」


 スイに対してヒールを放った。するとすぐにスイは起き上がって周りをキョロキョロし始める。

 どうしたのか気になってサキが首を傾げるとスイは理由を話した。


「一面焼け野原になって居てびっくりしたのよ。酷い有様ね」


 確かにスイの言う通り酷い有様なのだ。

 辺りの雪は完全に溶かされ、その下の草花が燃えているのだから。


「それよりもヒロトは?」

「あそこ……あれ?」


 サキはつい先程、裕斗を見かけた場所を見てみる。

 確かにそこには裕斗が居たが、見慣れない剣を持った裕斗が居た。とても綺麗な刀身で、引き込まれてしまう。


「ヒロトはあんな剣、持っていなかったわよね」


 そこでサキは一つの事を思いついた。それはユキの剣化だ。

 サキとスイは教えられたので知っているが、未だに信じられなかった。本当に体を別の物質に変換するなんて事が出来るなんて。


「でも、これなら行けるかもしれない。お兄ちゃん、剣を持つと強くなるから」


 ☆☆☆☆☆


『右、左、あ、今度はブレスが来るからゴーの準備をして』

「了解」


 ユキが相手の先読みをして最適な回避ルートを模索して伝えてくれる。俺はあいつに攻撃する方法を考える。まさに理想的なタッグだった。

 俺も非常に戦いやすい。


「ここで攻めるか」


 だけど、ユキの先読みの効果はやはり物凄く強い。どんな攻撃でも来るタイミングがわかっていれば怖くはない。

 そしてブレスを躱した俺はデスワイバーンの懐に入り込んで詠唱を開始する。


「成功よ。我が力に答え、その力を発揮せよ『聖光の波動』!!」


 今回の聖光の波動は過去最高威力となった。デスワイバーンに強烈な一撃をお見舞する。だが、俺の猛攻はこんな所では終わらない。

 俺は更にその聖光の波動を目隠しにしてアンチグラビティーを使って飛び上がった。

 その状態で剣を構える。


 しかし、デスワイバーンもやられっぱなしじゃない。


『危ない! ブレスもう一発来るよ』

「この状態じゃ躱せねぇよ」


 万事休すか。そう思われたが、背後から特大の水斬が飛んできた。

 その水斬はデスワイバーンに直撃、デスワイバーンはその一撃で怯んでしまい、ブレスを吐くことは無くなった。

 またまた俺はお前に助けられたみたいだな、スイ。


「じゃあ、スイの思いを無駄にしないためにも全力全開で行くぞ、デスワイバーン!!」


 俺はデスワイバーンに剣を突き刺した。

 デスワイバーンはとてもでかいので貫通はしないが、深々と刺すことに成功した。

 そのまま俺自身に下から上に向かってのアンチグラビティーを使用して腹を切り裂いた。

 すると、デスワイバーンの体が燃え始めた。どうやらフグの毒袋に相当する火袋的なものを切り裂いてしまったらしい。火が体から漏れだしてきている。

 その火はとてつもない勢いで溢れ出ているため、止めることが出来ない。このままでは辺り一面どころか数km先まで一面焼け野原になってしまう。


 その時だった。


「あー、勿体ない」


 急に俺の前にユーザが現れた。

 ユーザはてっきり出てこないと思っていたため、かなりびっくりしている。そしてこっちに来た時の台詞もなんかおかしかった。勿体ない?


「デスワイバーンは出来れば綺麗に捕獲したかったけど仕方が無いか……」


 ユーザはそう言うとデスワイバーンを自前の剣で斬りつけた。

 すると一瞬でデスワイバーンは動かなくなり、炎が溢れ出るのも納まった。


「全く……勿体ないじゃないか」


 動かなくなったデスワイバーンを見ながらユーザは言うとデスワイバーンの中から一つの袋のようなものを取り出した。

 その中からは炎が見え隠れしていて、ひっくり返したら辺りが焼け野原になってしまいそうだ。


「こいつの炎で焼いた肉は美味いからな。こいつがこんな所で手に入るとは思わなかったが、ラッキーだったな」


 やっぱりユーザの考えはよく分からない。

 でもなんかユーザはご満悦そうなのでまぁいいかと思う。俺らもこの場所を守れてよかった。

 それもこれもユキのお陰だな。


『よかった……』

「ああ、ユキ。戻っていいぞ」


 俺がそう言うとユキは元の姿に戻り、俺に抱きついてきた。やはり、俺に染み付いている剣の臭いを嗅いで安心感を得ているらしい。

 だけどここら辺、焼け野原になっちゃってほとんど焦げの臭いしかしないだろう。

 でもユキは嬉しそうだから俺は何も言わない。


「よし、君たちも裏庭に来てくれ。焼肉をするぞ!」


 俺ら四人は顔を見合せた。

 四人とも火元に居たため、身体中(すす)だらけだった。その姿を見て四人で笑い合う。全員無事だったことを確認して安堵する。

 俺たちは勝ったんだ。最後の最後はユーザの力を借りてしまったがそれでもあそこまで追い込んだのは俺たちだ。

 いや、ユキの力がデカイな。俺とサキ、スイの三人だったら確実に負けていたであろう。


 途中危ない場面もあったが、でも終わりよければすべてよしって言葉もあるし、これでいい事にしよう。


「さてと、全員無事だったことを祝ってユーザに甘えて焼肉を食いに行くか」

「「「おー!!!」」」

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