第3932話 武雄は寄宿舎に着きました。(スミスは王城に着きました。)
寄宿舎の玄関。
エイミーとドネリーが寄宿舎の玄関横にあるフリースペースでボーっとしていた。
「エイミー殿下、スミス様が訓練場に行ってしまいましたよ?」
「行ったわね。」
「応援に行かないのですか?」
「うん、行こうかと思っていたわよ。
でもね・・・タケオさんの行動が怪しいのよね。
寄宿舎に来るんじゃないかしら?」
「スミス様やヴィート様が居ないのにですか?」
「居ないからよ。
タケオさんはエルヴィス家の全権代理みたいな者よ?
『様子を見に来た』と言えば職員は部屋に案内するわよ。
それに来るのは初めてではないし、肩書が凄いし、学院長の同期だし。」
「侯爵様に身内の部屋の状態を見に来たと言われたら止められませんね。」
ドネリーが頷く。
「それにアルから精霊通信で話をして貰っているけど、パナ殿から明確なタケオさんの次の目的地の返答がないようだしね。」
「精霊殿でもキタミザト様の行動は読めないのでは?」
「・・・それはあるか。
でも魔法師専門学院の寮に行って、宿舎に行って、ここに来ない事あると思う?」
「・・・・・・キタミザト様の行動が読めません。」
ドネリーが言う。
「私は来ると予想します。」
エイミーが言う。
「ですが、スミス様は不在です。
キタミザト様は精霊通信で知っていると思いますが。」
「うん、ジーナも訓練場に向かっているから当然知っているでしょうね。
でも、それは私達タケオさんに近い精霊魔法師のみの話で、私達以外では伝言をしていなければ、知り得ないというのがあります。
なので、シレっとタケオさんが寄宿舎に来ても問題はないのです。
むしろ!居ないからこそ部屋を見たいと言い出しても不思議はないです。
部屋を荒らすとかでなく、居ない状態の部屋を見る事で普段の生活がわかる事もあるでしょう。」
エイミーが言う。
「はぁ・・・まぁ・・・そうかもしれませんが・・・エイミー殿下は何で残ったので?
キタミザト様でも流石にエイミー殿下の部屋は見るとは思えませんが?」
「・・・・・・・・・・・・婚約者として、部屋の中を見るかもしれない可能性があるのを見過ごせません。」
エイミーが長考してから言う。
「?・・・はぁ・・・」
ドネリーが首を傾げて、生返事をする。
と玄関の扉が開き、武雄達が入って来る。
「失礼しまーす。」
「ほら!来た!」
エイミーが言いながら立ち上がる。
「あ、居た居た。
アルからパナに『エイミーが寄宿舎の玄関で待っています』と連絡がありまして。」
武雄が言う。
「そっち!?」
エイミーが驚く。
「?・・・えーっと、待たせても悪いと思ったので来たのですが。
何かあったのですか?」
武雄が聞く。
「いえ!あ、こんなところで何なので食堂でお茶でもいかがでしょう。」
エイミーが言う。
「わかりました。
皆さん休憩です。」
「そのようですね。」
武雄の言葉にマイヤー達が頷くのだった。
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王城内の武雄達の部屋。
アリスとスミスが談笑をしていた。
「あ、タケオ様がエイミー殿下と合流したようですね。」
アリスが言う。
「そうですね。
アリスお姉様、タケオ様は今日は寄宿舎に行く予定はあったのですか?」
「聞いていませんね。
今日は王立学院と魔法師専門学院にエルヴィス家の求人で話をしに行くと言っていました。
ジッロさんとマイヤー殿の息子さんの方はついでではないですかね?
スミスが寄宿舎に居れば会いに行ったかもしれませんが。」
「うーん・・・後で会えますよね?」
「会えるわよ。
それに25日の出発まで私達は居ますからね。
会いたくなったら来れば良いですよ。」
「で、アリスお姉様、チェリーのジャムですが、食べた事ないですよね?」
「うん、ない。
エイミー殿下の精霊殿の話を聞いて、コノハが反応したくらいだからね。
ちょっと楽しみです。」
「ほっ、良かったです。
僕だけが食べた事がないかと内心焦っていました。」
「うん、国内の果物系で食べていないのは多いと思うわ。
ま、魚もそうね。
海魚なんて干物ばかりだし。」
「そうですよね。
僕も第2皇子一家領に行って初めて海を見ました。
魚も美味しかったです。」
「そっかぁ、スミスは海を見たかぁ。
私はまだ見た事ないから・・・第3皇子一家領って海に面していないからなぁ。」
アリスが考える。
「アルマお姉様の実家のテンプル伯爵領に行かれては?」
「うーん・・・事前に了承を得ないといけないだろうなぁ。
今から要請しても迷惑だろうし・・・ゴドウィン伯爵領なら今から要請しておけば、行けるという確証はあるんだけどね。」
「その辺は身内が居ると楽ですね。」
「そうねぇ。
いくら知り合いでも、家族ではないと無理は出来ないしね。
海はまた今度かな?
スミス、どうだった?」
「広かったです。
それと独特の匂いがしました。」
「うーん・・・見ないとわからないですね。」
アリスが首を傾げるのだった。
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