第3926話 魔法師専門学院に行ってみよう。(今後のエルヴィス家の求人でお世話になるかもね。)
魔法師専門学院の学院長室。
「なるほど。以前、説明のあった魔法師部隊への求人と新設のケアを専門とする救護部隊への求人が本格的に始動ですか。」
学院長が武雄の要旨を聞き、自身のメモを見ながら言う。
「はい、確かに魔法師専門学院に入っている時点で魔法師になって国防を担う事を目指しているのは重々承知していますが、4年間の学院生活で戦闘に向かないと思う学生さんもいると思うのです。」
「ふむ・・・魔法の系統が、という訳ではなくですね?」
「ええ、魔法師専門学院に入って、色々と経験する中で敵を倒す事を旨とする兵士にはなれないと思ってしまう事もあるでしょう。
そういう方へ他の選択肢を用意しておいても良いでしょう。」
武雄が言う。
「わかりました。
ちなみに、戦闘には不参加というわけではないのですよね?」
「ええ、平時においては、街や各町で救護所を開設し常駐する事で領民の健康維持、怪我への対応をして貰い、戦時になれば軍の後方に救護所を設置し、兵士達の怪我等を一元管理する部隊です。
今の所はここまでですが、人員が増員出来れば、全ての村にも常駐して欲しい物ですね。
それに戦時では小隊に1名随行し、前線での小隊維持をする役割もあり得ると考えています。」
武雄が言う。
「なるほど、各村までケアが出来るようにし、病気や怪我をしても即座に治せるようにする。
戦争になれば部隊に随行する・・・広範囲の業務になりそうですね。」
学院長が考えながら言う。
「ええ、ケアは1日前の状態に戻す事が出来るのですけど、日々の生活で健康に気を使えるようにならないといけません。
なので、私の妻のエリカが民間療法の本の編纂をしています。
こちらを使い、領民達への怪我の予防や健康維持の方法、小さな怪我の対処方法を村々で考えて貰うのも良いでしょう。」
武雄が言う。
「ふむ・・・健康維持を皆に促し、万が一の時はケアで治すと。
そして、事が起れば戦地に行き、兵士達を治す。
考えただけで、魔法師専門学院で教えている内容以上に色々としないといけないでしょうか。」
学院長が言う。
「ええ、魔法師専門学院は敵を倒す事を教えている機関ですので、そこは致し方ありません。
我々としてもケアを専門とする救護部隊は初めてなので、一から作っていく部隊と考えて頂いてかまいません。
それにそっちに素養がある者を教師陣から推薦をして頂いても良いですけど。
あくまで学生さんが、どう考えるかですね。」
武雄が言う。
「わかりました。
教師達にも軽く話をしておきます。」
学院長が言う。
「あ、そういえば、魔法師専門学院に入るのに年齢の上限はありましたか?」
「ありませんが・・・ほとんどの者が年を越して13歳になった際に魔法師の適性を見て、魔力量が40以上あり、各軍務局からの推薦状があれば入れてますが。
何かあるのですか?」
学院長が聞いてくる。
「いえ、私がエルヴィス侯爵と話をしていた際に出た話題なのですけど、『王立学院と魔法師専門学院の双方の卒業資格を持っている者が居ても良いのでは?』というのがあるのですけど。」
「両学院の卒業資格ですか!?
それは・・・うーん・・・王立学院を出てから魔法師専門学院にという事ですよね?
向こうが3年、こっちが4年・・・13歳から入れますので、20歳での卒業となるとその後の就職がどうなるか・・・」
学院長が考えながら唸る。
「そこはエルヴィス家が引き受けます。
どこに配置するかは本人と話してですね。
まずは両学院に行きたいと考えている人材でエルヴィス家を志望してくれる方を探さないといけないのですけどね。」
武雄が言う。
「うーむ・・・わかりました。
その時が来たら対処いたします。」
学院長が言う。
「はい、その際はお願いします。」
武雄が軽く頭を下げる。
「あとはジッロさんですが、学院生活はどうですか?」
武雄が聞く。
「はい、用意しています。
こちらが今年の成績になります。」
学院長が武雄の前に書類を置く。
「失礼します・・・うん、上位なのですね。」
「はい、種族的なのか、年齢的なのかはわかりません。
ですが、ジッロ・ベルテの個人の能力と努力によって、その成績を出しています。」
「そうですか・・・成績の方は、これからも本人に頑張って貰いましょう。
そういえば、同級生から色々と声をかけられているようですね。
前に様子を見に来た時に告白とお断り場面を見てしまいました。」
武雄が言う。
「はは・・・本当、その手の苦情は良く来ますね・・・」
学院長が顔を俯きながら言う。
「あー、関係者なので・・・そのー、迷惑をかけて申し訳ありません。」
「いえ、キタミザト殿やジッロ殿が何かしたという訳ではないので、謝罪は必要ありません。
なのですが、男子共の嫉妬が・・・」
「虐めとか?」
「ジッロ・ベルテが大人な対応をしてくれていますので、そこには至っていません。
その対応も女子達に受けているようで、負の連鎖のような形になっています。
我々、学院側も感づいたら注意し、実行犯に対処していますが・・・なんとも・・」
学院長が遠い目をさせて言う。
「・・・うーん・・・まぁ、あと1年ですから。」
「そうなんですよね。
来年には王立学院に行かせると聞いていますが、何年に?」
「さて・・・出来れば2年か3年に入れてあげたいですが、その際の学力によってですね。」
武雄が言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




