第3920話 506日目 演奏会終了後の話。3(蓄音機かぁ。)
王城の厨房では。
演奏会の各食器の片づけが行われていた。
「料理長、あの演奏ですけど、食堂とかで演奏して貰ったら料理の味も変わるのではないですか?」
料理人が洗い終わった食器を拭きながら言う。
「気分が良くなって、もう1品注文を取るかもしれないですね。
とはいえ、スクエア・ピアノは高そうです。
普通の店に置けるとは思えません。」
料理長が言う。
「確かにそうですよね。
それに演奏する方を招いたとしてもお金がかかりますか。
その分は支出になるから、元を取るのが大変ですかね。」
「人気店になれば取れますよ。」
「・・・この考えだけで出店するには危険ですね。
ずっと人気店で居られる保証もないですし。」
「王城の料理人だったというだけで人が来る時代ではありませんからね。
味や価格の勝負で互角な店は多いでしょうから、そこに音楽を混ぜるという考えは良いとは思いますが。」
「費用的な事を考えると難しいですか。」
「そう思いますが・・・やりよう自体は面白い考えでしょう。」
「もう少し、温めておきます。」
料理長と料理人が食器を拭きながら言うのだった。
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王城内の武雄達の部屋。
湯浴みを終えた武雄とアリス、エリカがのんびりとしていた。
アナスタシアとクリスティーナは湯浴み後に授乳して寝ています。
ジーナとカーティアは別室で休憩と仮眠中です。
「はぁ・・・あとは寝るだけなのですが、次の授乳前に1回起きそうですよね。」
「そうですね。
アナスタシアとクリスティーナが授乳後に寝ちゃっているんですよね。
おしめで1回起きそうですよね。」
アリスとエリカが言う。
「まぁ、寝ちゃったのは致し方ないですよ。
次の授乳まで起きていましょうか。
おしめの用意をしておいて、後は起きるのを待つことにしましょう。」
武雄が苦笑しながら言う。
「「そうですね。」」
アリスとエリカは、そう言いながらおしめ交換の準備を始める。
「さて、部屋を暗くしますかね。
一応、小さな明かりを机の方に用意して、私も移動しておきますか。
アリスとエリカは無理せずにベッドで横になっていてください。
寝ても良いですよ。」
「「はーい。」」
アリスとエリカがベッドに向かう。
「タケオ様、今日の曲も良かったですけど、もっと手軽に聞ける方法はないですかね?」
アリスがゴロンと横になりながら聞いてくる。
「うん?アリスは、そう思うのですか?」
武雄が聞いてくる。
「はい、演奏して貰って聞いていますが、場所も時間も決まっているので、アナスタシアとクリスティーナが居たり、今後生まれるエリカさんの子供がいたりして、泣き始めるとしっかりと聞けないなぁと。
今日も内心、アナスタシアとクリスティーナが泣くんじゃないかとヒヤヒヤしていましたよ。」
アリスが言う。
「2人とも泣かずに居てくれましたし、ヒナ殿下やエドワード殿下も泣かないで聞いてくれていましたね。
私は2人が泣いたら部屋から出て、あやすしかないと思っていましたよ。
たぶん、アルマ殿下やレイラ殿下も、そう考えていたと思います。」
エリカが言う。
「ふむ・・・構想自体はあるのですけど。」
「「あるんですか!?」」
アリスとエリカが顔を上げて聞いてくる。
「ええ、前に陛下を前にヴァイオリンを披露した際に陛下から『手軽に聞ければ良いのだがなぁ』と言われてましてね。
返答はしていませんが、頭の中で考えた事はありますね。
うーん・・・パナ、コノハ、ペイトー、蓄音機は出来ると思いますか?」
「出来るんじゃない?」
「技術的課題はあるでしょうが、出来るでしょう。」
「懐中時計の機構を使えるので、半分以上の技術的課題は無いようなものでしょう。」
チビコノハとチビパナ、チビペイトーが武雄の前に実体化して言ってくる。
「あ、出来そうなんだ。」
「うーん、曲を気軽に聞ける物ですか・・・凄い事が起きそうですね。」
アリスとエリカが言う。
「でも、いきなり円盤は難しそうだよね。
歴史に則って、記録媒体に蝋を染み込ませた紙の円筒を使う事にするしかないかな?」
「それだと、数回使ったら音飛びが酷くなるでしょう。」
「記憶する際は柔らかく、記憶したら少し硬くが良いでしょうね。」
チビコノハ、チビパナ、チビペイトーが言う。
「・・・記憶媒体を硬くするのもそうですが、それを再生する方法も確立しないといけないですよね。
音量はメガホンの原理で多少は大きく出来るでしょうけど。
針の精度の問題もあるでしょうし。」
武雄が言う。
「でも一定に回せる機構は出来るよ?
あとはどこに頼むかだよね。」
チビコノハが言う。
「基幹技術は、第二研究所で考えないといけないでしょうから。
盾がひと段落するトレーシーさんですかね?」
「その後は?」
「サテラ製作所かなぁ?」
武雄が考えながら言うのだった。
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