第3908話 外交局と軍務局との打ち合わせ。(アドラム子爵の動きがいまいちわかりません。)
王城内の小会議室。
武雄とマイヤーが外交局長と次長、軍務局長と次長と会談をしていた。
「ふむ・・・ウィリプ連合国の方は、微妙な動きなんですね。」
武雄が外交局の資料を見ながら言う。
「はい、輸入量を見ると我が国の小麦の価格を下げる程ではなく、対面する地方領の小麦価格をある程度しか下げられないだろうという量なのです。
そして。」
「対面する貴族領の小麦価格は下がっていない・・・と。
・・・この地方貴族はアドラム子爵殿ですよね?」
外交局長の言葉の後に武雄が書類を見ながら言う。
「はい、まさか下がらないとは思いませんでした。
ウィリプ連合国が高いのか、アドラム殿が利益を得ているのかは、わかりませんが。」
外交局長が言う。
「・・・王城への借金返済猶予の申し入れは?」
武雄が聞く。
「局長会議では、議題に上がっていません。
各局に問い合わせます。」
外交局長が言う。
「うーん・・・輸入物は輸入価格より高いのが当たり前です。
となると、輸出入業者が利益を乗せたら領内流通価格と同じだったというのが普通に考えた場合ですが。」
武雄が考えながら言う。
「・・・こちらが、ウィリプ連合国の小麦価格です。
ちなみに店頭価格です。」
外交局長が武雄の前に資料を置く。
「安っ!?」
武雄が愕然とする。
「ちなみにキタミザト殿、魔王国からの輸入価格は?」
外交局長が聞いて来る。
「確か、キタミザト家での売買が10kgで、このぐらいです。」
武雄が資料に数字を書く。
「・・・なるほど、王都より少し高いですね。」
「薄利にはしていますが、輸出入は、そういう物です。
陛下から4月の会議で魔王国から買い付けする予算を取ると明言してくれています。」
武雄が言う。
「私達にも説明されています。
まぁ、カトランダ帝国がいますからね。
捌けるでしょう。
・・・各局との打ち合わせで、当主自らが輸出入業をした場合、目先の利益はあっても地元産業へ悪影響が出るだろうと思ったのですが・・・
安く仕入れて、地元価格と同じで流通させるというのはどうなのでしょうか?」
外交局長が言う。
「・・・わかりません。
輸出において安く仕入れて高く売るというのは基本です。
それに高く売るとはいえ、市場価格より下げる事で販売量を増やし、結果輸入量を増やして自身に入る金銭が増えるという構図を予想するものなんですよね。」
武雄が言う。
「輸入量が増えれば、自身の収入が増えるというのは簡単で分かりやすいですよね。
その為には安く仕入れて、市場より低くする事で量を捌く・・・わかりやすいです。
ですが、安く仕入れて市場価格と同じで売るというのは・・・うーん・・・量を入れない訳ではないのですよね。
ある程度を入れているんですよね。」
外交局長が首を傾げる。
「偽装?」
武雄が首を傾げる。
「ある程度、しているかもしれませんが、調べればわかります。
現に先ほどキタミザト殿にお見せした内容です。」
「うーん・・・わからない。
何がしたいのかがわからないのがなぁ。」
「ウィリプ連合国なのか、アドラム殿なのか。
はたまた同時なのか。」
「さて・・・アドラム殿は何を考えているのか。
外交局長の追加報告を待つしかないでしょうかね。」
武雄が言う。
「わかりました。
情報を集めます。」
外交局長が言う。
「軍務局としては、現在のウィリプ連合国関連の防衛についての進捗報告になります。」
軍務局長が武雄の前に資料を置く。
「はーい・・・工程表が出来ていますね。」
「はい、簡易的ですが、いつまでに何をしないといけないかの工程表になります。
今は最終的に敵を受け止める砦の建設の用地買収と資材集めに取り掛かっています。」
軍務局長が言う。
「用地買収・・・アドラム殿にわからないように?」
「はい、個人購入です。
とはいえ、私達の息のかかった者達ですけどね。
それに買っているのは森の中なので、ほぼほぼ順調に話が進んでいると報告を受けています。」
軍務局長が言う。
「・・・あ、前に話した3方に出入り口を作って、1か所を攻められたら他の2方から後方を攻めるというのを採用したんですか。」
「はい、あ、そうでした。
キタミザト殿、例のブリアーニ王国から輸入するクロスボウですが、この砦で600程欲しいのですが。」
「注文をお願いします。
その都度、輸入手続きをします。」
武雄が軍務局長に言う。
「わかりました。
では、キタミザト殿の方に注文書をお送りします。」
「納入は分割で良いのですよね?」
「そうですね。
いや、半年で納入出来るように調整をお願いします。」
「わかりました。
注文書にも書いておいてください。
私からも伝えますが、注文書に書かれれば私も忘れませんから。」
武雄が頷くのだった。
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