第3893話 高級娼館で交渉をしてみよう。(娼館と護衛と飲食店が必要ですって。)
王都の歓楽街。
アルダーソンと合流した武雄達はとある店の前に来ていた。
「・・・ここでしたかね?」
アルダーソンが店を見上げながら首を傾げる。
「予約してあるので入りますか。」
武雄が言うとジーナが店の扉をノックする。
と、すぐに扉が開き、体格の良い男性が出て来る。
「事前に予約をしているキタミザトです。」
ジーナが言う。
「お待ち申しておりました。
主人は中でお待ちです。」
体格の良い男が頭を下げ、武雄達を店内に入れるのだった。
・・
・
店の奥の部屋の前。
「こちらになります。
失礼します。」
体格の良い男が扉を開ける。
「ようこそ、いらっしゃいました。」
室内には武雄と年齢が変わらなそうな女性と1歩後ろに2名の女性が待っており、恭しく頭を下げて武雄達を出迎える。
「失礼します。
おひさしぶりです。
こちらが、バリー・ケリー・アルダーソン子爵です」
武雄が室内に入り、空いている席の横に立って言う。
「はじめまして。
バリー・ケリー・アルダーソンです。」
アルダーソンが言う。
「この店を仕切っております、ドーラ・バセットと申します。
この度はご足労頂きありがとうございます。
まずは、お座りください。」
「ええ、失礼します。」
武雄が座るとアルダーソン達も座る。
「失礼します。」
バセットも座る。
「改めて、急な依頼をして申し訳ありませんでした。」
武雄が軽く頭を下げる。
「いえ、大丈夫です。
日程を調整する程度ですので、いつでもお使いください。
それにしてもキタミザト様の同期の方々は来られませんね。」
バセットが言う。
「はは、身持ちが固いのでしょう。
私から勧める訳にもいきませんしね。
それに私自身も妻に説明して、納得して貰ってから来ています。」
「まぁ、キタミザト様の奥様には誤解ないよう説明が必要ですかね。
店を壊されては敵いません。」
バセットが言う。
「まぁ、嫉妬するのは当然の感情でしょうね。
逆の立場になって考えれば、わかる事ですよ。」
武雄が言う。
「ふむ・・・あまり店はありませんが男娼ですか。
私共が手を出していない分野ではありますね。」
バセットが言う。
「キタミザト殿、男娼とは・・・その女性が客なのだよな?」
アルダーソンが聞いてくる。
「そうですよ。
男性が女性を買うのが娼館、女性が男性を買うのも娼館ですよ。
娼館が男性が女性を買うのみをしていると勘違いしている人が居ますけどね。
男性だから良くて、女性だからダメというのは・・・どうなんでしょうね。
まぁ、風評の強弱があるという点ではそうでしょうけど。
人間なんです、男性だろうが女性だろうが性欲はある物です。
それを商売にしているだけでしょう。」
武雄が言う。
「うぅむ・・・性別ではなく、一個人として見ろという事ですね。」
アルダーソンが難しい顔をさせて頷く。
「さてと、アルダーソン殿、うちの嫁たちが怖いので商談をしましょうか。」
武雄がアルダーソンに言う。
「わかりました。
早速で申し訳ないが、検討して頂きたい事があるので、バセット殿に聞いていただきたい。」
アルダーソンが話し始めるのだった。
・・
・
「以上が、私どもの考えている事です。
全面的な支援は出来ないかもしれませんが、歓楽街の安定に一役買って貰えないだろうか。」
アルダーソンが頭を下げる。
「・・・」
アルダーソンの話を聞いたバセットが腕を組んで考えている。
「現状はどのくらいの規模なのですか?」
武雄が聞く。
「今は飲食店に併設する部屋でとなっているようです。
つまりは、飲食店の売り子をしながら性サービスもしているという事までは掴んでいます。」
アルダーソンが武雄に言う。
「なるほど、初期の歓楽街が形成されているのか。
今後は飲食店と宿屋が別になったり、女性が注いでくれる酒場が出来るのかな?」
武雄が首を傾げる。
「ふむ、私共くらいの娼館はまだないのはわかりました。
とはいえ、この店と同じとなると料金が高くなります。
失礼ながらバビントン子爵領では浮いてしまいます。
なので、現状では高級ではなく、中級・・・少し落とした娼館を進出させた方が良いでしょうね。
それと歓楽街は荒事もあります。
殺人とか変な薬とかは、当然、法に触れますが、それ以外の抗争というのは裏でしているものです。
なので、私達が出店するのであれば、娼館の従業員とそれを守る護衛兼従業員の派遣、それと併設する飲食店のセットが望ましいですね。」
バセットが言う。
「バセット殿、飲食店もするのですか?」
武雄が聞く。
「ええ、今の段階で娼館とその護衛だけ入れても収支が合いませんよ。
なので、食い扶持を稼ぐために飲食店も一緒に持って行かないといけないでしょう。
もちろん、娼館として従業員達にはしっかりと教育をした者を配置させます。」
バセットが言う。
「ふむ・・・わかりました。
バセット殿が言う通りでしょう。
来ていただけるのに必要な条件をお願いします。
バビントン殿と打合せをして、回答をいたします。」
アルダーソンが言う。
「わかりました。
では、少々、お時間を頂いてリストを作成いたします。
こちらでお待ちになっていてください。」
バセットが立ち上がり部屋を出て行くのだった。
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