第3890話 バームクーヘンの具体的な事を考えよう。(ケバブも似たような原理だね。)
「「・・・」」
アルマとレイラが食い入るように武雄が書いたレシピを見ている。
「タケオさん!私の知らないスイーツです!
私にはないのですか!?」
アンが武雄に抗議してくる。
「ないですよー。
『製作に失敗したスイーツ』で良いと言ってくれたから渡したんですよ。
それにエリカを娶ったお詫びに近いレシピなんですよ。
アンさんとは、そういう事はしないでしょう?」
武雄がアンに言う。
「うぅ・・・ですが、私にも何かください!」
アンが言う。
「えー・・・何か考えついたら・・・ですかな?
今はありません。」
武雄が言う。
「ぶーっ。」
アンが頬を膨らませて抗議してくる。
「ふむ・・・タケオさん、このレシピは野外でしたからの結果なのですか?」
レイラがレシピを見ながら言う。
「ええ、魔王国に行ってくる時に暇だったので、魔王国の王城の料理人と遊び半分でしましたよ。
簡単に言えば、マドレーヌの生地を棒に塗布して焼く。
焼けた上に生地を塗布して、また焼くを何重にも繰り返し、最後に棒を抜くと年輪のような輪っかのような焼き菓子が出来るという訳です。
野外でしたので直火だったので、グルグル回したのですが、上手く焼けませんでした。
均一な熱を常に当てていけるようにすれば、綺麗に出来たのでしょうけどね。」
武雄が言う。
「タケオさんは、このスイーツに挑戦はしないの?」
アルマが聞いてくる。
「現状では均一に熱を与える方法というのに木炭か宝石か何かを使わないといけないでしょう。
それを4時間とか長時間し続けると燃料費が嵩むでしょう。
それに4時間も棒を回し続ける方法もあるにはありますけど、労力に見合うか・・・
個人で遊ぶ分には問題ないですが、燃料費と人件費を価格に転嫁した場合の販売価格が、一般の方が受け入れられる価格になるとは考え辛いですね。
なので、商売になり辛く、色々と費用が見合わない。
趣味の領域から出ないレシピです。
エルヴィス侯爵邸で実施しても良いですが・・・うーん・・・」
武雄が考える。
「な、なるほど。
タケオさんがイマイチ乗り気のない理由がわかりました。
作り方自体は簡単ですが、聞いた事ないスイーツです。」
アルマが頷く。
「今の所、民間でしているとは聞いていませんね。
私が乗り気ではない理由でしていないと考えられます。
採算を取るのなら、ある程度の人口を抱える街でしか出来ません。
王都、王都周辺、領都でしか出来ないでしょう。」
「でも、タケオさんが作る気がない物、正確には屋敷で出す気がない物を私達が作り出すとなると我が家で人が来た際の特別なスイーツにはなりそうですよね。」
レイラが考えながら言う。
「うちが出来たとして、タケオさんはどうしますか?」
アルマが聞いてくる。
「第3皇子一家領に行った際に食べるか、出している店をエルヴィス侯爵邸がある街に出店をお願いしますね。
ウスターソースのように製造が割と簡単ではありませんから、誘致するにも金銭面の条件が良くないといけないでしょうかね。」
武雄が言う。
「「ふむ・・・」」
アルマとレイラが考える。
「タケオさん、タケオさん、その失敗した作り方から思ったのですが、お肉とかで出来ませんか?
回転させて焼いて行けば、満遍なく焼いて行けると思うのですけど。」
アンが聞いてくる。
「・・・ドネル・ケバブという食べ方がありましたね。
肉・野菜・魚などでも出来ますが、私としては肉でするのが一般的だと思います。
やり方としては、大きい串に肉を刺していき、刺した肉の塊を縦にしてグルグル回転させながら焼いて行き、焼けた周囲を切り落として盛り付けするやり方ですね。」
武雄が言う。
「縦にして焼く?・・・うーん、横の状態では出来ないのでしょうか?
縦だと」
アンが考えながら聞く。
「出来なくはないですが、切り落とす職人が横に刃を入れるのは大変ですよ。
それに切り落としている間も動いているのですからね。
下に火がある状態で手をかざすだけでも熱いのに切り落とすという割と神経を使う作業は大変でしょう。
縦にすれば、火の向きと切り落とす作業との位置を調整出来るので、調理人の負担が減りますね。」
武雄が言う。
「なるほど、調理の手間も考えないといけないですね。」
アンが頷く。
「タケオさん、上手く焼けるにはどうすれば良いのですか?」
エイミーが聞いてくる。
「うーん・・・考えているのは、薪でする場合、火の上に鉄板を置いて、加熱させて。
鉄板からの放射熱を利用すれば良いかなぁと思ってはいますね。」
武雄が考えながら言う。
「放射・・・熱ですか?」
エイミーが首を傾げる。
「火の上にフライパンを置くと熱くなっていくでしょう?
あれです。」
「あー、わかりました。」
エイミーが頷く。
「「なるほど、放射熱。」」
アルマとレイラがメモをとるのだった。
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