第3883話 ウィリプ連合国への仕置きはどうするか。(塩事業で頭を抑えれば良いのでは?)
「ふむ・・・キタミザト殿、エルヴィス侯爵領と魔王国との慣例の戦争では、そういった事はありませんでしたよね?」
王家専属魔法師が聞いてくる。
「うーん・・・基本方針が防衛で意思統一していましたし、対峙戦力が違い過ぎて、深追いをしようとも思えなかったというのがあります。
それに深追いして負ければ、そのまま戦線が瓦解して慣例の戦争から本気の防衛戦になる危険性があるのはわかっていましたからね。」
武雄が言う。
「ふむ、キタミザト殿の戦闘指針は防衛ですかな?」
「基本的には、そうですね。
それに我が国は、まだまだ開拓していない土地が多いですし、無理に他国の領土を侵す必要はないと思っています。
あと数十年は大丈夫じゃないですかね?」
武雄が言う。
「無理にか・・・キタミザト殿、ウィリプ連合国への侵攻についての本心は?」
「そもそも、戦争を吹っ掛けられている立場なので、報復行動は必要な事とは思います。
ですが、身の丈に合った領土獲得でないと差別だ、独立だと併合地の治安が保たれません。
そこの計画をしっかりと立てて領地を獲得するのなら、反対はしません。」
武雄がアルダーソンに言う。
「ふむ、ウィリプ連合国 ファルケ国の半分を切り取る腹だと聞いていますが・・・
キタミザト殿なら併合地をどうされますか?」
「・・・戦闘不適性地域を作りたいと思いますね。」
「戦闘不適性地域ですか?」
王家専属魔法師が首を傾げる。
「ええ、簡単に言えば、ウィリプ連合国 ドローレス国との国境の関からファルケ国内に向け、60km以上を砂漠化します。
また、既存の村や町を完全に放棄します。
その上で城壁を設け、迎撃拠点を構築。
さらに30km程度の所に領都を建設し、防衛に特化させます。」
武雄が言う。
「ふむ・・・砂漠化はどうやって?」
「既存の川を城門の内側に流れるように人工的に整備し、海まで通します。
砂漠化地域には水源は1つも残しません。
そうすれば、勝手に木々が枯れ、町や村だった所は廃墟となっていきます。」
「それはまた・・・軍務局等が考えないようなやり方ですね。」
王家専属魔法師が考えながら言う。
「まぁ、税収という見返りが全くない、国を守る為だけの考えですから。
併合地の無駄使いでしかありません。
ですが、防衛を主眼とし、ウィリプ連合国から戦地となる城門までの間の兵站の消費量増加と城門突破への難易度の上昇、領都からの戦地への近さを考えると、これが良いと考えます。
まぁ、実際の併合地は王城の皆さんが政策を考えるのでしょうから、私は防衛に特化した案を提案するのみです。
税収大幅減で支出大幅増の案は誰も考えようともしないでしょうし。」
「ふむ・・・」
王家専属魔法師が頷く。
「確か、軍務局作成の侵攻計画案では、侵攻し、併合地のドローレス国およびファルケ国との国境は1kmの幅の森を作り出させ、森の縁を国境とさせる事で国境の確定をさせるとありましたね。
キタミザト殿の案はウィリプ連合国本体の方に徹底して、防戦をする意思を示すという事になりますね。」
アルダーソンが言う。
「あー、そういえば、前に陛下に『併合地は東西の2つに分け、西は対ウィリプ連合国向けの軍備地、東はファルケ国とカトランダ帝国向けの塩を作る王家の領地とする』案を言っておきましたね。
ファルケ国をアズパール王国の属国化するが、我が国への上納金はそこまで酷くさせずに、奴隷制についても廃止をさせる必要もないと言っておきましたか。
その上で、2か国向けの塩事業を完全に握り、単価が安くとも安定して大量に供給出来るようにすれば、長期的に見て収入が上がるだろうと言っておきましたね。」
武雄が言う。
「ふむ、塩事業という事は王家の領地として運営するという事ですね。」
「小さくなったファルケ国と大きくなったカトランダ帝国向けの塩事業ですからね。
我が国は塩価格を違法に高くしないので、今の第2皇子一家領や第3皇子一家領より大規模な塩事業にする必要があります。」
「塩を牛耳って、発言力を増すのですね?」
王家専属魔法師が言う。
「違いますよ。
塩を安く提供する事で各国民が暴発する事を抑える事業です。
塩がちゃんと手に入る状況を大々的にファルケ国に伝達する事で、食については我が国はファルケ国に無理強いをする気はないという姿勢を見せ、反発を少なくさせたいのです。
それにファルケ国の政策に口を出すとしたら、軍備ぐらいでしょう。
その他の政策に何か口を出す必要もないし、それに伴う責任を負う事もしなくていいと思います。
まぁ、こちらに侵攻してくるのなら、手札として使うという選択肢はあるかもしれませんが、実行すると増々反発が増えそうですからね。
長期的に見て、あまり良い手段ではないと思います。」
武雄が言うのだった。
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