第3880話 新興勢力に出自が怪しいのが居ても不思議はないよね。(とりあえず貴族同士で話し合おう。)
研究所会議。
武雄達は話を続けていた。
ちなみにジーナはリーザが持って来た手紙を渡すと武雄から耳打ちをされ、カーティアとリーザと共に退出していた。
「ふむ、リーザ殿は何の手紙を?」
王家専属魔法師が聞いてくる。
「エルヴィス侯爵に無事到着した旨の報告をして貰って、侯爵から向こうも平穏無事に過ごしているという旨の手紙でした。
第3皇子一家領で合流する予定日の変更もないとの事でした。
それと美味しい料理があったら覚えて来てくれという無茶がありました。」
武雄がリーザが持って来た手紙を読み終え、胸ポケットにしまう。
まぁ、当然だが魔王国の事はこれっぽちも話題に出す事はない。
「予定通りであるのは大事ですね。
では、アルダーソン殿、他に相談事はありますか?」
王家専属魔法師が聞く。
「はい、その・・・キタミザト殿の方が想像しやすいと思うのですが、領主家に新しく入った使用人の行動に不義がある可能性が出てきたらどうしますか?」
アルダーソンが聞いてくる。
「・・・状況にもよりますが、証拠を掴んで領主家の当主と家令に説明して終わりですかね?
雇用関係で私がどうの言える事はないですが、素行が悪そうなら報告して、あとは任せますかね。」
武雄が言う。
「うーん・・・そうですか・・・」
アルダーソンが考えながら言う。
「アルダーソン殿、バビントン殿が雇った者の素行が怪しいのですか?」
王家専属魔法師が聞く。
「物的証拠はありませんが、3回ほど第一研究所の試験小隊員がバビントン家のメイドに似た者が路地で怪しげな男と話していたのを目撃しています。」
アルダーソンが言う。
「なんとも言えないですね。
その怪しい者を捕らえて話を聞けたら良いでしょうが・・・」
「難しいでしょうね。
それに会っている者が、ただの知り合いと言われてしまうと何とも出来ませんし、下手に行動したらアルダーソン殿とバビントン殿の亀裂になり兼ねませんね。」
武雄と王家専属魔法師が言う。
「どうしたものか・・・」
アルダーソンが困った顔をさせる。
「うーん・・・バビントン殿と2人きりの時に『試験小隊員から聞いた』と言って、報告するぐらいしか出来ないのではないですかね?
悪い事をしているという判断も出来ないのですから、『見かけたらしい』という報告しか出来ないですよね。」
「まぁ、そうでしょうね。
あとはバビントン殿の方で対応して貰うしかないですし、アルダーソン殿が動いてはいけないでしょうね。」
武雄と王家専属魔法師が言う。
「わかりました。
一度、バビントン殿と話をします。」
アルダーソンが頷く。
「ちなみにキタミザト殿、エルヴィス家の方が、そういった行動をしていたらどうしますか?」
王家専属魔法師が聞いてくる。
「別にエルヴィスさんに報告して終わりですかね。
さっきも言いましたが『見かけましたよ』と夕食後に伝えて終わりですね。
それに他国、他領から接触があるのは当然とも思っているので、驚きはしませんし。」
武雄が言う。
「ふむ・・・当たり前と?」
「ええ、王城だって各貴族に何かしら人を入れているのが当たり前と思っていますしね。
むしろしていないと思う方が、ちょっと警戒心が緩くないですか?」
武雄が王家専属魔法師に言う。
「ふむ・・・」
王家専属魔法師が言う。
「それこそ、二研の試験小隊員達は王城出身者がほとんどなんです。
何かしら依頼がかかっていても不思議ではありません。
なので、堂々と『ちゃんと報告しなさい』と言っています。
それにキタミザト家としてもエルヴィス家としても『これは外に洩らしては絶対にいけない事』というのを上層部で共有しています。
なので、洩れたら誰が言ったか、すぐに聞き取り調査や足取り調査が可能でしょう。
情報なんて、どうせ、いつかは洩れますよ。
私達が出来るのは、情報の重要度で管理をして、洩れるまでの時間を確保する事です。」
武雄が苦笑しながら言う。
「はは、キタミザト殿らしいですね。
ちなみにどんな事ですか?」
王家専属魔法師が聞く。
「今の段階で知られると、下手な解釈をすれば国家が滅亡するなり、国内で内戦に発展する程度・・・うちのアリスがキレて王都を襲撃するかですね。
その覚悟があるのなら、王城にでも情報を渡せば良いのではないでしょうかね?
もちろん、他国へもそうですね。
むしろ他国の方が楽かもしれないですかね?
戦争になるのなら、無条件で最低な事を相手に出来るので。」
「・・・安易に覗くと危ないという事ですね?」
「秘密にされれば、暴きたくなるのはわかりますが、秘密にする理由があるからです。
あ、ちなみに私もエルヴィス侯爵も国家転覆とか考えていません。
基本は現状体制の維持と領内発展がしたいのです。
秘密にしているのは無用の軋轢を生まない為ですよ。
報告出来る段階になれば陛下には報告はしますから、それまで待っていてください。」
武雄が言うのだった。
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