第3878話 研究所の関係は常に保たなくてはなりません。(実は何を研究しても良いのです。)
「ちょ、長距離通信の話は、こちらで一度、精査、検討してから再度ご報告します。」
王家専属魔法師が頭を下げながら言う。
「ええ、面白い事になりそうですね。」
「とんでもない事になりそうですけどね。」
アルダーソンとコンティーニが言う。
「ははは、何を言いますか、技術が発展するのは、こういう時ですよ。
むしろアルダーソン殿は、それを現地で実施するんですから、頑張ってください。」
「キタミザト殿は気が楽そうですね。」
「私の方は小康状態になりましたからね。
王家専属魔法師殿とアルダーソン殿の成果を反映したのを導入頂ければ結構ですよ。」
「西側で試験ですか。
小康状態にある東側でしても良いのでは?」
「ははは、我が国にそういう余裕も予算もないのですよ!
試験機が実践に使われるのは目に見えているでしょう。
改良と改善をお願いします。
頑張ってください。」
「はぁ・・・」
武雄とアルダーソンが言い合う。
「・・・新たな問題を提議されました。
検討を実施します。」
王家専属魔法師が疲れた顔で頷き、控えている次席は目を瞑り、こちらも疲れた顔をさせている。
「さてと、各研究所からの話は終わりましたか。
アルダーソン殿、そういえば何か相談事もあると聞きましたが?」
武雄がアルダーソンに聞く。
「ええ、研究所でというわけではないのですが、良いでしょうか?」
「・・・私は良いと思いますよ?
この3研究所は割と自由に物事を言いますし、国家転覆とか非人道的な事以外であれば、常識的な範囲内での活動は認められるでしょうし。
これから研究所で作り出す製品とかも研究所お抱えの工房に守秘義務契約でガチガチに固めて、製造と販売をさせて、私達は上前跳ねますからね。
結構、利害関係で際どい事もしますし。
王家専属魔法師殿、大丈夫ですよね?」
「まぁ、キタミザト殿が言った内容はその通りでしょうね。
ちなみに私の方としては今、製作と販売をしてくれる工房の選定中です。
まさか、この歳で商売に手を出すとは思いませんでした。」
王家専属魔法師が言う。
「意外と楽しいのではないですか?」
「ええ、それが意外と楽しいんですよね。
そこまで売り上げを気にしなくても良く、製造と販売は工房任せというのが楽で良いですね。」
「そうそう、それですよね。
私達は販売や経営に触れずに、商品の委託だけして、売り上げから決まった額を頂く。
まぁ、品質の抜き打ちチェックや聞き取りをして、監視をしないといけませんけど。
割と楽に収入が得られます。」
武雄が言う。
「ええ、収入が増えれば、研究に回せる費用も増えますからね。
世に出せる商品の研究をしたいという要望も出てきました。」
王家専属魔法師が言う。
「あの・・・基本は王家専属魔法師部隊は基礎理論と魔法体系と大規模魔法装置の研究ですよね?」
コンティーニが聞いてくる。
「まぁ、そういう括りではありますが、してはいけない訳でもないですね。
キタミザト殿もそういう認識ですよね?」
「はい、大きく考えた時に王家専属魔法師部隊は先の内容、一研は魔法師向けの武具、二研は非魔法師向けの武具となりますが、研究所設立要件には、何をしなさいとは書いていないですからね。
これは私達が勝手に決めた事です。
なので、他の事をしても構いません。
ただし、報告をしていないだけで、似たような事をしている事も考慮して、新しい事をしたい場合は私達に相談して、資料の提供か、どっちがするか等の話をしなくてはいけませんよね。
独自にしても良いですけど、時間と費用の無駄でしかないですし。」
「「そうですね。」」
武雄の言い分に王家専属魔法師とアルダーソンが頷く。
「一研の指輪の件で言えば、うちの協力工房の資料を活用してくれたようで何よりです。」
「話の途中に申し訳ありません、一研、研究室長です。
その件に関して、二研殿に対し、本当にありがたく思っております。
最低でも半年の短縮になったかと思います。」
コンティーニが頭を下げながら言う。
「それで我が国の魔法師の価値と存命率を高める商品が出来る事に貢献出来たのです。
相互情報伝達はしていかないといけませんね。
私達は出自も能力も性格も違うんです、当然、互いに気に食わない事もあって当然です。
でも、研究を司っている私達は国家の利益を優先させないといけません。
個人の感情は横に置いておいて、相談されれば必要な資料は用意する、わからない事があれば相談する。
この関係は絶対です。
ね?」
武雄が王家専属魔法師とアルダーソンに言うと2人も頷く。
「で、まぁ、したい事があったら王家専属魔法師殿から相談があるでしょう。
アルダーソン殿の相談を聞いてみましょうか。」
武雄がアルダーソンに聞くのだった。
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