第3877話 長距離通信の可能性が広がりました。(都市間の定時連絡が出来そうです。)
「ふむ・・・キタミザト殿、幅が広いというのもケアだと難しい問題になりそうですね。」
王家専属魔法師が報告書を見ながら言う。
「ケアをする者の信用にバラつきが出るのは問題ですね。
・・・ケアに関しては、今まで通りの基本的には1日という期限だと皆に周知させながらも、指輪を使用した際には消費魔力量の低減が認められたが、個人差の幅がある為、消費魔力量の1割低減の確実性は低いと言っておきましょうか。」
武雄が考えながら言う。
「そうですね。
確かに30時間前の怪我も治せる者と26時間前の怪我を治せる者。
あいつには出来て、こいつには出来ない・・・戦場という緊張感の中では差別助長になりかねませんね。
で、あるのなら、皆にはケアが1日までと言っておいた方がいいでしょう。」
王家専属魔法師が頷く。
「アルダーソン殿、ケアに関しては、1割減の指輪を使った際の時間、消費魔力量の調査は継続していってください。
性別、年齢、従軍歴・・ありとあらゆるデータを見比べるしかありません。」
武雄がアルダーソンに言う。
「わかりました。
経過観察を実施し、データの厚みを増します。」
アルダーソンが頷く。
「王家専属魔法師部隊の方からの報告は、ありますか?」
武雄が聞く。
「長距離通信研究の報告ですが、前回、15m先の部屋への伝達が完成し、皆様との協議より150文字の送信が出来るようにするという内容になっていました。」
王家専属魔法師が言う。
「ええ、そうでしたね。」
「難しい内容ですね。」
武雄とアルダーソンが頷く。
「150mまで延びました。」
「「え?」」
武雄とアルダーソンが首を傾げる。
「ただし、条件が変わりまして、訓練場のような開けた所で150mが可能になりました。
これは宝石の大きさ等、装置側の改良によるものです。」
「それは・・凄いですね。」
アルダーソンが目を見張りながら言う。
「・・・王家専属魔法師殿、それは遮蔽物がない・・つまりは木々や森、壁がない状態でという事ですね?」
武雄が考えながら言う。
「はい、残念ながら、想定する実施状況との乖離が激しいです。
これはあくまで見通しの良い所でどこまで届くのかの実験で得た結果です。」
「逆にいうのなら、遮蔽物が無ければ、出力を大きくすれば距離が延ばせるという結果を得たという事ですよね?」
「はい、そうなります。」
王家専属魔法師が頷く。
「・・・」
武雄が考えながら立ち上がり、黒板の前に行く。
皆が武雄に注目する。
「・・・ここからここまで150m・・出力を上げれば延びる・・マイヤーさん、基本的に町や村同士の距離はいくつですか?」
線を書きながら考えている。
「30kmから50kmと想定出来ます。」
マイヤーが言う。
「一研研究室長殿、ニール殿下のいる第2皇子一家邸までの道で、森や林の木々の高さは?」
「えっと・・・15・・20・・・25mの木々が生い茂る森があったかと。」
コンティーニが言う。
「王家専属魔法師部隊次席殿、王都周辺の木々の高さは?」
「コンティーニ殿と同じ最大25mかと。」
王家専属魔法師部隊次席が言う。
「王家専属魔法師殿、前に15mの時は机2つでしたか?
今回は?」
「机2つ半です。」
「・・・どうやるかは別にして・・・高さ25mの発信機を用意すれば遮る事は出来ないか。」
武雄が黒板に大地の線と建物を2つ書き、建物から建物までの間を線で結んで50と書き、その線下に木々の絵を書き、25と記す。
「・・・キタミザト殿、やりたい事が何となくわかるのですが・・・出来ると思いますか?」
王家専属魔法師が聞いてくる。
「出来る可能性を王家専属魔法師殿が発表していましたがね?
要は王城の屋根から発信し、30km毎に中継させていけば、第2皇子一家邸まで繋げられるんですよね?
それも120文字。
受信して紙に起こして、発信する。
そもそも中継するだけなら人が受信する必要がないから、受信する装置と送信する装置を連携させれば、自動的に中継をする事も可能なのかな?
まぁ、電波を飛ばす高さの確保方法ですが、25mの高さの櫓を設置するのか、何か棒のような物を25m分建てて、先端に何かするのかはわかりませんけどね。」
武雄が言う。
「・・・」
王家専属魔法師が難しい顔をさせながら目を瞑って考えている。
「あの・・・キタミザト様、その際の王城からニール殿下までの伝達は、どのくらいで出来ると考えますか?」
コンティーニが聞いてくる。
「ふむ、王城からの発信で、1時間以内にニール殿下に伝言を飛ばせるかもしれませんね。」
武雄が言うと、その場の皆が目を見張る。
「まぁ、問題となるのは、中継と受信先を多くした場合、発信が全方位に向けて行われる為、第2皇子一家のみに送った伝言が第3皇子一家にも行くという事でしょうけどね。」
武雄が苦笑するのだった。
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