第3875話 リーザはエルヴィス侯爵邸に立ち寄り。(武雄は研究所会議に出席中です。)
エルヴィス侯爵邸の客間。
リーザが魔王国から戻って来て、エルヴィス爺さんとビエラと話をしていた。
「ほぉ、昨日は魔王国の王城でヴァレーリ殿と飲んでいたと。
ははは、飲み過ぎたのかの?」
リーザの言葉を聞いたエルヴィス爺さんが笑う。
「ぎゅー。」
「侯爵、ダニエラの飲みが早くて、こっちもいっぱい飲んだって。
ダニエラ、飲みそうだよね。」
ビエラがリーザの通訳をしながら言う。
「まぁ、食事会の際には毎回、酒を買って貰っておるからの。
酒が好きなのじゃろう。」
エルヴィス爺さんが頷きながら、リーザが持って帰ってきた手紙を見る。
「ダニエラ、何だって?」
ビエラが聞いて来る。
「ふむ、『魔王国の者達をよろしく』と『何かあったらやり取りしましょう』とあるの。
急な用件が出来たら連絡しあう事になるじゃろう。
今の所、こちらから連絡する事はないがの。」
「問題や相談があれば行けば良いんだね。」
エルヴィス爺さんの言葉にビエラが頷く。
「ぎゅ?」
「侯爵、タケオ達に伝言はある?」
ビエラが聞いてくる。
「特にはないが・・・あ、味噌漬けの話を書いておこうかの。
リーザ殿、手紙を書いてくるから待ってて貰って良いかの?」
「ぎゅ。」
リーザが頷く。
「うむ、では、待っていてくれ。
ビエラ殿、よろしく頼む。」
「はーい。」
ビエラが返事をするとエルヴィス爺さんが客間を後にする。
「タケオは昨日から会議だったの?」
「ぎゅ。」
「へぇ、アリス達は?」
「ぎゅぎゅー。」
「あ、なるほどね。
あのヒナと言ったかな?レイラの子に会わせたんだ。」
「ぎゅ。」
「へぇ、なんともなかったでしょ?」
「ぎゅ?」
「うーん・・・まぁ、気にする事はないよ。
コノハ達がなんとかするでしょ。」
ビエラが言う。
「ぎゅ?」
「そうそう、私達はタケオやアリス達を守れば良いんだし。
一番は弱い初雪を守らないとね。」
「ぎゅ!」
「お仕事だね!」
ビエラとリーザは雑談をしてエルヴィス爺さんを待つのだった。
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王城内の小会議室。
王家専属魔法師と次席、第一研究所のアルダーソンと研究室長コンティーニ、第二研究所の武雄と総監マイヤーが居た。
「はは、皆さん、お元気そうで。
急ではありますが、研究所会議を始めます。」
王家専属魔法師が言うと武雄とアルダーソンが頷く。
「えーっと、キタミザト殿からありますか?」
「はい、前回は盾を持ってきましたが、今回は二研の研究課題の1つである、『剣と盾の標準化』の第1次報告書が出来上がりました。
二研の試験小隊が集めた剣と盾の長さや重さの平均値と中央値の数値の収集とその検討を実施した報告書になります。
王家専属魔法師殿に見て頂き、確認と指摘をして貰い、それを一研に回してアルダーソン殿に確認と指摘をして貰って、私の元に戻って来る事をしようと思ったのですが、ちょうどアルダーソン殿も居るので後程、アルダーソン殿にも1部持って帰って確認して貰おうと思います。」
「あ、写しは私の方でやらせますよ。」
王家専属魔法師が言う。
「お言葉に甘えて、お願いします。」
武雄が言う。
「うむ、すぐに取り掛かってくれ。」
「はい、キタミザト殿、お預かりします。
複写を2部作り、我々と一研で1部ずつ確認し、キタミザト殿にお送りする事にします。
作成して参りますので、お待ちください。
実施させてきますので、少し失礼します。」
王家専属魔法師部隊の次席が席を立って、剣と盾の標準化の第1次報告書を持って退出する。
「ふむ、標準化が始まりますか。」
王家専属魔法師が頷く。
「最低限の品質確保が目的ですからね。
それ以上に品質やサイズを求めるのなら特注品として扱われます。
そちらは規格は設けません。
なので、騎士団や王都守備隊のような部隊では特注品が多くなるでしょう。」
武雄が言う。
「最低品質という事は、新人冒険者や新兵とかの武器という事ですね?」
アルダーソンが言う。
「はい、そのつもりです。
それに戦争とかで剣が消耗品になる場面もあるでしょう。
その際に壊れても変わらぬ品質の新品を用意出来れば、特注品よりもすぐに手に馴染み、生存率を高める事に繋がると考えます。」
武雄が言う。
「確かに武器は消耗品ですからね。
拘りがあるのは良い事でもありますが、拘り過ぎると他のが使えなくなり、戦場で命の危機に繋がる可能性もありますね。
戦争では割り切って、最低品質の剣を取り換えながら使った方が、良いでしょう。」
アルダーソンが頷く。
「ふむ、言っている意味も分かりますし、キタミザト殿の言われる必要性もわかります。
私達、王家専属魔法師部隊は、そこまで戦場に立ちませんからね。
うちの若手は理解していても、使用はしないかもしれません。」
王家専属魔法師が言う。
「いえいえ、それはそれで良い事です。
私は、どちらかというと地方領の兵士の為の基準作りをしているような物です。
今回、ゴドウィン伯爵領の関に集合しましたが、エルヴィス家とテンプル家は他領での実戦でした。
そんな中、剣を新調するのに、今まで使っていた剣と同じ値段で品質にバラつきがあると心配になると思ったのです。
どこに行っても同じ品質の武器が手に入るというのが、戦地の兵士達の心の安寧に一役買うと思っています。」
武雄が言うのだった。
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