第3867話 西側は何をやっているのでしょう。(借金が身内にバレた。)
アズパール王の執務室。
「さて、パットの成長はわかってくれたようだから、再び西側の事なんだが。
タケオ、説明を聞いて何かあるか?」
アズパール王が聞いてくる。
「カトランダ帝国がウィリプ連合国との交渉をしていると言う確証はどのくらいなのですか?」
「あぁ・・・実は、つい最近だがカトランダ帝国から内々の報告書が来た。」
「公式文書ではなく?」
「あぁ、入手経路は帝都護衛軍から王都守備隊へだな。」
「ほぼ公式文書じゃないですか。
確実に皇帝陛下から陛下宛の。」
「はは、我くらいになると手紙を出すのも苦労するな。」
アズパール王が苦笑する。
「とても面倒臭そうです。
で、内容は?」
「ウィリプ連合国からカトランダ帝国に入れる小麦の価格交渉で値上げ交渉がされたが、現状維持と主張したという話だ。」
「・・・輸入穀物の交渉ですよね?普通では?」
武雄が首を傾げる。
「それはそうなんだがな。
カトランダ帝国は穀物を輸入に頼っていて、今まではカトランダ帝国はウィリプ連合国の言い分を飲んでいたという。
ここに来て、ウィリプ連合国の要求には回答せず、現状維持としたい申し入れをしたという報告だな。
で、城に賊が侵入し、アズパール王国から結構な量を輸入しようと交渉している報告書が盗まれたそうだ。」
アズパール王が言う。
「うん?・・・・・・あー、カトランダ帝国がウィリプ連合国を揺さぶったのですか?」
「揺さぶったのか、牽制したのかは判断がわかれるな。
ちなみに事前相談はなかった。」
「勝手に巻き添えにしないで欲しいですね。」
武雄が呆れながら言う。
「まぁ、それは皆がそう思っているが、してしまったのだからどうしようもない。
我が国からウィリプ連合国に何か申し入れをするような事でもないからな。」
アズパール王が言う。
「ふむ・・・嫌がらせはされますかね?」
「そうだなぁ・・・あ、ちなみにこの辺の話はタケオが前に陞爵した時前後みたいだぞ?」
「ウィリプ連合国に隣接しているのは、アドラム子爵でしたかね?」
「うむ、タケオに多額の借金をしているな。」
「違いますよ、借金をしているのは王城からです。
私は王城からお金を受け取って、陛下に貸し付けています。
ちゃんと来年の4月に支払って貰いますからね?」
武雄が言う。
「わかっている。」
「お爺さま・・・借金とは?」
パットがアズパール王に驚き顔をさせながら聞く。
「う、うむ、少々、4月の予算編成では納期が間に合わない物があってな。
今年の予算編成で予算を付けるから大丈夫だ。」
アズパール王がばつが悪そうに言う。
「キタミザト殿、しっかりと予算を通しますので、お待ちください。」
パットが言う。
「ふむ・・・大丈夫です。
支払わないなら王都の城門が吹っ飛ぶくらいの事しか起きないですよ。
陛下もそれはわかっていますから、心配はしていません。」
武雄がにこやかに言う。
「・・・父上とも話し、しっかりと支払えるようにします。」
パットが深々と頭を下げる。
「で、タケオさん、アドラムが何かしそうというのはわかるのですが、どうします?」
ウィリアムが聞いてくる。
「さーて、私としては西側の事に首を突っ込む気はないですよ。
基本的な所は西側と王城の人達が考えないといけないでしょう。
助言を求められたら何か言うかもしれませんが、それは、この場で言う事ではないと思います。」
「ふむ、そうですか。
ちなみに現状で王城や父上に言わないといけない事はありますか?」
ウィリアムが聞く。
「陛下。以前、魔王国から穀物輸入をするという前段階の相談がありましたが、エルヴィス家に輸入依頼が来ていません。
農産物なので、早ければ早いほど良いのですが、いつ来ますか?」
武雄がアズパール王に聞く。
「それも4月以降の予算編成だよ。
予算が通り次第、エルヴィスの方に依頼する。」
アズパール王が言う。
「なんだったら、エルヴィス家の備蓄を先に放出して、放出した分を輸入小麦に置き換えても良いかと思います。
金額は輸入小麦分を貰いますけどね。」
武雄は言うが「エルヴィスさんの方が魔王国の小麦が欲しいというのは言わないけどね」と思っている。
「それは当たり前だが・・・備蓄放出はエルヴィスが良いと言ってくれるかな?」
「そこは話し合ってください。
事実として、領内生産量は他の領より少なく、他領から購入しているのは確かです。
なので、そもそもエルヴィス家から買うという時点で他領より割高ですよ。」
武雄が言う。
「お爺さま、ウィリアム叔父上、キタミザト殿、そもそもエルヴィス家以外から購入しないのですか?」
パットが聞いてくる。
「西側は魔王国に今年送っている関係上、来年は無理強いは出来ないと考えている。
それにウィリプ連合国に面している貴族からもとなると・・・ちょっとな。
魔王国側のテンプル伯爵領とゴドウィン伯爵領はウィリアムの方に小麦を入れている。
こっちも無理強いは出来ない。
なので、魔王国からの輸入という話になっている。」
アズパール王が言う。
「うーん・・・アドラム子爵に伝わらないようにしたいという事ですか。」
パットが考えながら言うのだった。
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