第3857話 ヴィクターとアスセナの雑談。(今度追加されるであろう協力工房について。)
研究所の3階 所長室正面の総務部。
ヴィクターとマリスが書類を処理している。
「はぁ、今日の分の講義、終わりました。」
アスセナが3階の会議室から自分の机に戻って来る。
「あ、では、ヴィクター様、アスセナ殿、子供達と喫茶店で昼食し、エルヴィス侯爵邸に送っていきます。」
「はい、お願いします。」
マリスが席を立ち、会議室に向かっていく。
「ふむ、アスセナ、ご苦労様です。」
「はい、ヴィクター様。
子供達も交代でイーリー様の所で販売経験がある為、講義内容は理解しやすいのでしょう。
割と滞りなく進んでいます。」
アスセナが座りながらヴィクターの方に体を向けて言う。
「商売と事務処理についての座学と実習の教育は順調なのですね。」
「はい、今は商売の基本を教えています。
イーリー様の所の仕事も含め、輸出入関係は最初から最後まで出来るようになるようにします。
中期、長期的にはどうなるでしょうか?」
アスセナがヴィクターに聞く。
「・・・主の意向にも依ります。
前に主から宿をしたいと言われていて、現状では資金面や人材面で無理と言っておきました。」
「宿・・・難しい職種の1つですね。
それをやるぐらいなら他のパン屋や青果店をした方が楽だと私は思います。
売れる売れないは別としてですが。」
アスセナが言う。
「そうですか。
今の輸出入関係の仕事を全般的に出来るようになれば、他の商品を扱う商店は運営出来ると思いますか?」
「教育中の輸出入関係は仕入れ、販売、会計、仕入れ先への支払いを出来るようにする研修です。
普通に物を売る商店なら大丈夫かと。」
アスセナが言う。
「今後、ベルテ一家の所で味噌を作っていきますね?」
「はい、どこかの工房をご紹介頂き、製造と販売を担う協力工房が1つ増えると考えております。
製造だけして頂き、販売は私達がしますか?」
「それも良いですね。
直営店が出来れば、今後、主達が作り出す調味料を試験販売するのが楽になりそうですね。
もう1つの方法として、部署として味噌の製造と販売をするか。」
「協力工房ではなく、キタミザト家の一事業部ですか。
うーん・・・利益は良さそうですが、人員が足りるでしょうか。」
アスセナが考えながら言う。
「工房を1つ丸ごと組み込むのは?」
「可能ですが、管理するヴィクター様や私達が大変になるかと。
今の体制で行くのなら製造と販売は協力工房が考え、私達は品質管理と利益からの還元という今の協力工房との間の契約での方が楽ではあります。」
「ふむ、大きな利益はなくとも、少ない労力で利益が出てくるというのは楽と言えるかもしれませんね。」
ヴィクターが考えながら言う。
「はい、こう言ってはなんですが、協力工房に課す守秘義務は、いつかは破られる可能性が高いのは確かですが、侯爵家との契約となると話が別です。
類似品が出た際の対処と捜査は可能と思います。
それに周辺の領主は親戚筋ですので、他領でも威力を発揮するかと。
なので、当面は協力工房の方が私達に取っては良いかと思います。」
アスセナが言う。
「ふむ、確かにそうかもしれませんね。
信頼性のある協力工房を紹介頂くしかないですかね。」
「ロー様のワイナリーのどこかをご紹介頂くのでしたか?」
「ええ、味噌製造をするのにワイナリーの方が良いと言われていますからね。
ですが、ベルテ一家は、それとは別にお酒の試験もしていますからね。
今は1つですが、今年はもう1つ増える予定です。
そちらの製造方法が確立した際は、ワイナリーをもう1つ紹介頂かないといけません。」
ヴィクターが言う。
「うーん・・・小規模ワイナリーを2つですか。
味噌は上手く行きそうですし、お酒も爆発的に売れなくても、そこそこワイナリーが維持出来るぐらい売れるでしょうね。
・・・確かに部署として、直営でした方が利益は良さそうですけど、小規模とはいえ、ワイナリーの従業員数は多いでしょうし、2つですからね。
うーん・・・管理する人材がいないですかね。」
アスセナが考える。
「アスセナの言う通り、今まで通りの協力工房として依頼をしていくしかないでしょうかね。」
「そうですね。
子供達に協力工房への品質管理の方法を教えた方が良いのでしょうか?」
「・・・今は実施している商売と事務処理について教育を終えてから考えますか。
銭湯、味噌製造、酒作り・・・悩ましい所ですね。」
ヴィクターが考えながら言う。
「利益の出し方をいくつか検討して、キタミザト様に提案しないといけないでしょうね。」
アスセナが言うのだった。
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