第3854話 辛味噌を作ってみよう。(味は及第点のようですが。)
王都の東町(王都の壁)の武雄達が泊まる宿の厨房の一角。
武雄とチビコノハ、ジーナが間借りして、調理していた。
「「あれ~?」」
武雄とチビコノハが首を傾げる。
「ご主人様、コノハ殿、これは違うのですか?
甘いのにしょっぱい感じです。」
ジーナが軽く舐めて、味を確認しながら武雄とチビコノハに聞く。
「個人的にももう少しトウガラシを入れたいとは思いますが、今は試作ですからね。
これで十分な味だと思います。」
「うん、辛味噌の第1弾としては申し分ないね。」
武雄とチビコノハが言う。
「?何が問題なので?」
「「色。」」
武雄とチビコノハが言う。
「へ???」
ジーナが「何を言っているの?」という顔を武雄とチビコノハに向ける。
「白味噌ベースだからですかね?
まぁ、こういう色の辛味噌もあるのでしょうね。
私の中では、もっと黒くなる予定だったのですけど。」
「うん、辛味噌ってどす黒い茶色だよね。
それに中濃ソースをこれ以上入れると味がね。
あ、うーちゃん達のラー油をオリーブオイルの代わりに使えば、色が良くなったかな?」
「確かにオリーブオイルベースのラー油ですからね。
でも割とオレンジ色に近いですよね。」
「うーん、基本的な焼き肉の辛味噌ってどす黒いよね。
タケオのイメージがそれなんだろうし、私もそういうのを作りたいと思っていたよ。」
チビコノハと武雄が言う。
「ちなみにコノハ殿、ご主人様、色が薄いのが問題と言われていますが、味は問題ではないのですね?」
「味は良いんだよね。」
「ええ、イメージしていた味ですね。」
ジーナの問いにチビコノハと武雄が頷く。
「では、とりあえず、これで試食とするしかないでしょう。
味は良いのですよね?」
ジーナが再度聞く。
「お肉に合うと思います。」
「こっちではあまりない味だよね。
甘辛いというのは珍しいだろうね。」
「はい、では、お肉を焼いて食べましょうか。」
ジーナが言い、フライパンを火にかけ始める。
「・・・これはあれですかね、味噌が若いからですかね?」
「そうだね。
もう少し日を置いた味噌を使えば、良い色になるかもしれないね。
うーちゃん達にも協力して貰って、辛味噌に合う味噌の熟成期間を割り出すしかないね。
まぁ、味は今と若干変わるかもしれないけど、そこは調整しながら作れば良いよね。」
武雄とチビコノハが言う。
それを見ながらジーナは試食用のお肉を焼き始めているのだった。
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エルヴィス侯爵邸の客間。
「失礼します。」
エンマが入ってくる。
「うむ、どうであった?」
「どーだった?」
エルヴィス爺さんとビエラが聞いてくる。
「うん、ちゃんと冷蔵箱にあったわよ。」
チビウカが言ってくる。
なぜ、エンマとチビウカが居るかと言えば、西京漬け擬きで味噌を付けた肉を冷蔵箱に入れたのだが、合っているのかわからず、寝ても「間違っているのでは?」という不安が拭えなかった2人はエンマに協力を依頼。
研究所の1階の喫茶店に出勤する前のエンマとチビウカが立ち寄って、様子を見に来ていた。
「それで、それで?」
ビエラが結果を聞きたがる。
「はぁ・・・本当に味噌に漬けているとは思わなかったわ。
なので、エンマと料理人で肉から味噌を取って、今出来る西京漬けの元を作って、塗りなおしておいたわ。
まぁ、砂糖を加えて、ペースト状になるまで、混ぜまくったんだけど。」
チビウカが言う。
「砂糖とな。」
「へぇ、甘くしたんだ。」
エルヴィス爺さんとビエラが言う。
「それと漬け込むのは最低2日はみた方が良いかな?
昨日の夜の分は入れない事として、明日の夕食用ね。」
「え!?」
「ううむ・・・」
ビエラが驚き、エルヴィス爺さんが軽く天井を見上げる。
「こればっかりはねぇ。
本当なら3日はみたい所ね。」
チビウカが苦笑しながら言う。
「侯爵~・・・どうする?」
ビエラがか細い声でエルヴィス爺さんに聞く。
「はぁ・・・致し方ないじゃろう。
ウカ殿の言葉に従い、明日の夕食用とするかの。」
エルヴィス爺さんが諦めながら言う。
「うん、わかったわ。
フローラが明日、喫茶店で仕事だから、明日の仕事終わりに取りに来させるわ。
それと味噌もベルテ一家の分から少し補充しておくね。
これなら味噌汁も出来ると思うから。」
チビウカが言う。
「うむ、すまぬの。」
エルヴィス爺さんが軽く頭を下げる。
「こちらこそ、明日の夕食のお肉をありがとう。
皆で楽しく食べるわ。
じゃ、エンマ、仕事に行こうか。」
チビウカがエンマに言う。
「侯爵様、ビエラ殿、失礼します。」
エンマが立ち上がり、礼をする。
「うむ、急に済まなかったの。」
「エンマ、またねー。」
エルヴィス爺さんとビエラが意気消沈しながらエンマ達に言うのだった。
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